【座りっぱなしの時間が長いほどがんリスク上昇?】研究でわかった対策とは
長時間座り続けることは、さまざまながんのリスクを高めることが新たな研究で示された。しかし、1日1時間ほどの軽い身体活動を取り入れるだけでも、がんによる死亡リスクの大幅な低下につながる可能性があるという。
座り続けるほどがんリスク上昇
英グラスゴー大学の研究チームは、英国の大規模データベース「UK Biobank」に参加した91,292人のデータを分析した。参加者は活動量計を7日間装着しており、約12年間にわたって追跡調査が行われた。活動状況は、30分間のうち90%以上を座ったり横になったりして過ごした「長時間の座位行動」、30分間のうち10%を超える時間に体を動かして座位を中断した「中断を伴う座位行動」、「その他の身体活動」に分類した。
結果、「長時間の座位行動」は、がんによる死亡リスクが9%高く、がん全般の発症リスクや、肥満関連のがん(食道がん、肝臓がん、腎臓がん、膵臓がん、大腸がん、乳がん、卵巣がん、甲状腺がんなど)のリスク上昇とも関連していた。
また、座り続ける時間が1時間長くなるごとに、がんによる死亡リスクは10%高くなる傾向がみられた。
軽い身体活動がリスク低下の鍵
1日1時間、長時間の座位行動を軽い身体活動に置き換えた人では、がんによる死亡リスクが12%低い傾向がみられた。
さらに、これまでの研究でも座りっぱなしの状態を短時間の身体活動で中断することで代謝機能の改善がみられることが示されており、「健康への影響は座っている合計時間だけでなく、座りっぱなしだったか、それとも途中で身体活動を挟んだかによっても変わる可能性がある」と研究チームは説明している。
座りっぱなしを減らすためにできること
英国の国民保健サービス(NHS)は、健康を維持するためには週2回の運動に加え、毎日何らかの身体活動を行うことを勧めている。筋力トレーニングやランニング、ウォーキング、水泳のほか、芝刈り機を押して芝を刈ることも身体活動に含まれる。また、座ったり横になったりして過ごす時間を減らし、長時間動かない状態が続かないよう、途中で体を動かすことも勧めている。
軽い身体活動の例として、NHSは次のようなものを挙げている。
- 飲み物を取りに立ち上がる
- 家の中を歩く
- ゆっくり歩く
- ほこり取りや掃除をする
- 掃除機をかける
- ベッドを整える
- こまめに立ち上がる
「現在の健康指針では中強度から高強度の運動に重点が置かれているが、今回の研究では軽い身体活動も重要であることが示された。今後は臨床試験を通じて、一人ひとりに合った座りっぱなしの時間を減らす方法の確立を目指したい」と研究チームは述べている。
中強度の運動のほうがより高い健康効果が期待できるものの、少しでも体を動かすことが大切だ。軽い身体活動で座っている時間を減らすことは、より強度の高い運動を始めるきっかけにもなる。
出典
https://www.independent.co.uk/news/health/sitting-down-cancer-risk-increase-study-b3007452.html
https://www.healthline.com/health-news/sitting-too-much-may-increase-cancer-death-risk
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