「健康のつもりが逆効果?」サプリメントや栄養ドリンクによるビタミンB6“摂りすぎ”で起こる手足のしびれ

「健康のつもりが逆効果?」サプリメントや栄養ドリンクによるビタミンB6“摂りすぎ”で起こる手足のしびれ
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山口華恵
山口華恵
2026-04-12

「疲れが取れるから」「美容にいいから」と何気なく口にするエナジードリンクやサプリメント。その良かれと思った習慣が、実はあなたの神経を修復不可能なレベルまで蝕んでいるかもしれない。

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ビタミンB6の摂りすぎによる「末梢神経障害」の恐怖

今、ビタミンB6の摂りすぎによる「神経へのダメージ」が深刻な問題となっている。ビタミンB群は水溶性のため「余分な分は尿で出るから安全」と信じられてきたが、近年の医学的知見はその常識を打ち砕いている。過剰に摂り込まれたB6は排出が追いつかずに体内に蓄積し、手足の神経を直接攻撃し始めるのだ。その正体は、手足の末梢神経にダメージが及ぶ「末梢神経障害」だ。症状は気づかないうちにじわじわと進行する。はじめは、手足の先がピリピリする、あるいは足の裏に何かが張り付いているような、ほんのわずかな違和感から始まる。これらは疲れや血行不良と見過ごされがちだが、放置すれば確実に悪化する。焼けるような激痛、感覚の喪失、さらには自分の足がどこにあるか分からなくなるバランス障害に陥り、まともに歩くことさえ困難になる。米国の毒性学専門医ケリー・クリスナ・ジョンソン=アーバー医師は、「ビタミンB6を多く摂りすぎると、神経細胞にダメージを与えるおそれがある」と断言する。

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知らぬ間に積み上がる過剰摂取

過剰摂取を招く最大の要因は、現代人に広く浸透している“重ねて摂る習慣”だ。成人が1日に必要とされるビタミンB6は、わずか1.5mg程度にすぎない。ところが、市販のサプリメントには1粒で40〜100mgを含むものもあり、さらにエナジードリンクなどを併用すれば、知らないうちに推奨量の数十倍、場合によっては100倍近くに達してしまうこともある。欧州食品安全機関(EFSA)は、1日の上限量を12mgと比較的厳しく定めている。一方で、日本や米国では100mgとされており、地域によって上限値には大きな差がある。ただし、この上限を下回っていても安心とは言い切れない。ジョンソン=アーバー医師は、体質などの個人差によっては、より少ない量でも症状が現れる可能性があると指摘している。

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やめたあとも悪化する“遅れて進む症状”

最も注意したいのは、異変に気づいて摂取をやめた後の経過だ。ビタミンB6の影響による神経のダメージは、摂取を中止してもしばらく進行することがあり、症状がすぐには止まらないケースもある。そのため、「やめたのに悪化している」と感じることも少なくない。さらに、神経の損傷がある程度進んでしまうと、しびれや違和感が長く残る可能性もあるという。ビタミンB6は、魚やバナナ、野菜など、日々の食事から十分に補える栄養素だ。もし手足にわずかな違和感があるなら、「健康のため」という思い込みにとらわれず、一度立ち止まって手元のサプリや飲料の表示を確認してみてほしい。

「健康のため」という思い込みを捨てる

私たちは、栄養は摂れば摂るほど良いという盲目的な信仰に陥りがちだ。しかし、バランスの良い食事をしていれば追加のサプリメントは必要ないのが現実だ。もし今、原因不明の手足のしびれやふらつきを感じているのなら、直ちに自分が飲んでいるサプリや飲料の裏面を確認すべきだ。「良かれと思って」選んだその習慣が、一生モノの神経を破壊していないか。今こそ、その1粒、その1本の必要性を冷徹に見直すべき時が来ている。

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出典:

What is vitamin B6 toxicity and what are the symptoms of taking too much?

How much B6 is safe? What to know about the supplement found in energy drinks

Vitamin B6 in Supplements and Energy Drinks May Cause Nerve Damage at High Doses

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