ビタミンB6が不足すると何が起こる?タンパク質代謝の要〈ビタミンB6〉とは|管理栄養士が解説

ビタミンB6が不足すると何が起こる?タンパク質代謝の要〈ビタミンB6〉とは|管理栄養士が解説
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中村友也
中村友也
2025-07-27

体内でさまざまな代謝を支える栄養素、ビタミン。 その中でも、主にたんぱく質の代謝を助けるビタミンであるビタミンB6について知っていますか? この記事では、ビタミンB6の機能や不足によるリスク、豊富に含まれる食品などについて紹介していきます。

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ビタミンB6ってどんな栄養素?

ビタミンB6は、ピリドキサール、ピリドキシン、ピリドキサミンとそのリン酸型を含む化合物の総称です。

体内では、主に「ピリドキサール-5-リン酸(PLP)」という形で存在し、補酵素としてさまざまな代謝を支えています。具体的には、たんぱく質・脂質・炭水化物などのエネルギー産生栄養素の代謝や、神経伝達物質の合成、ホルモンの調整などに関与しています。

特に、たんぱく質を構成するアミノ酸の代謝を助ける働きがよく知られており、免疫機能の維持やヘモグロビンの合成など、アミノ酸が関わる生体機能にも広く影響を与える重要な栄養素です。

ビタミンB6の不足や過剰摂取による影響とは

ビタミンB6が不足すると、口角炎や舌炎、貧血、神経症状などが起こる可能性があります。

偏った食事や欠食など、ビタミンB6が不足しやすい食生活を続けた場合、摂取量が足りなくなる恐れがあります。ただし、ビタミンB6単体が極端に不足することは稀で、他のビタミンB群と一緒に不足するケースが多いと言われています。

また、ビタミンB6は水溶性ビタミンのため、通常は過剰摂取しても尿中に排出されますが、長期にわたって大量に摂取した場合、感覚神経障害(手足のしびれ、痛み、歩行困難など)を引き起こすことがあります。

ビタミンB6の摂取目標量とは?

ビタミンB6の必要量には、「集団のうち50%の人が必要量を満たす」とされる「推定平均必要量」、および「ほとんどの人が体に必要な分を充足できる」とされる「推奨量」が定められています。

さらに、過剰摂取を防ぐために「健康障害がないとみなされる習慣的な摂取量の上限」とされる「耐容上限量」も設定されています。

ビタミンB6

2019年の国民健康・栄養調査によると、ビタミンB6の平均摂取量は1.18mg/日でした。

この数値から見ると、男性は推定平均必要量にわずかに届かないものの、女性は推奨量に近い水準で摂取できていることがわかります。

ビタミンB6を豊富に含む食材とは

ビタミンB6は、野菜や穀類、魚介類、肉類などに幅広く含まれています。

私たちの食卓でよく目にする食品の中から、ビタミンB6を多く含む食材をいくつか紹介します。

ビタミンB6

まとめ

ビタミンB6は、たんぱく質をはじめとした栄養素や神経伝達物質の代謝、ホルモンの調整などに関わる重要なビタミンです。

健康な成人であれば、一般的なバランスの取れた食事をしていれば大きく不足することはありませんが、アルコールの多飲や妊娠、特定の薬剤の服用などによって不足しやすくなるケースもあります。

今回紹介したような食品を日常の食事にうまく取り入れながら、ビタミンB6をはじめとした栄養素が不足しないよう意識していきましょう。

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ビタミンB6
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