「健康診断で【脂質異常症】との結果が…」生活改善をせずそのまま放置するとどうなる?医師が解説

 「健康診断で【脂質異常症】との結果が…」生活改善をせずそのまま放置するとどうなる?医師が解説
甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2023-11-09

健康診断の結果に書かれた「脂質異常」という言葉。脂質異常に対して何もしないと体はどうなってしまうの?医師が解説します。

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脂質異常症とはどのような病気か

脂質異常症とは、脂質の中でも特に悪玉コレステロールや中性脂肪が多い状態を指します。

コレステロールや中性脂肪は、本来であれば身体の健康に欠かせない重要な物質です。

しかし、多すぎると動脈硬化を引き起こすなどの悪影響を及ぼす可能性があり、脂質異常症は決して軽視できない病気です。

脂質の中には、コレステロール・リン脂質・中性脂肪・遊離脂肪酸の4種類があります。どれも身体に欠かせない重要な物質です。

コレステロールは細胞膜を構成したり、ホルモン・胆汁の原料になったりします。

中性脂肪は体温を保持したり、クッションの役割をしたり、エネルギーを貯蔵したりするものです。

脂質異常症は、そのコレステロールと中性脂肪が異常に多い状態を指していて、通常、血液中の脂質は一定の量に保たれるようにバランスが取られていますが、食事から摂取される脂質の量が多くなると基準値から大きく外れた状態になってしまいます。

脂質異常症を放置するとどうなる?

脂質異常症は自覚症状がないため非常に厄介です。

知らず知らずのうちに血液がドロドロになり、動脈硬化を引き起こしてしまうケースも少なくありません。

他にも狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞のリスクを高めることもあり、放置するべきではない病気といえます。

脂質異常症はそれだけでは基本的に症状が現れない病気ですが、脂質異常症をそのまま放置していると、動脈硬化が進行して心筋梗塞、脳梗塞などの病気のみならず脂肪肝や急性膵炎などの疾患を引き起こしやすくなると考えられています。

自覚症状がないので危機意識が芽生えづらく、そのままにしてしまいやすいのが脂質異常症の問題です。

脂質異常

特に、脂質異常症の中でも要注意だと認識されているのは、高LDLコレステロール血症、高トリグリセライド血症、低HDLコレステロール血症の場合です。

万が一、これらの脂質代謝の異常が認められる際には心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症などの動脈硬化に関連した疾患を引き起こすと伝えられています。

動脈硬化性疾患は一度発症すると日常生活に支障が出るのみならず、総死亡数の約2割強を占める重篤な病気です。

動脈硬化性疾患と呼ばれる病気の中には、年齢、性別、糖尿病、高血圧、喫煙歴なども危険因子に含まれていますが、脂質異常症はこのような動脈硬化のリスクファクターのなかでも特に治療対象とすべき重要な要素であることがこれまでの研究でも示唆されています。

まとめ

これまで、脂質異常症とはどのような病気か、脂質異常症を放置するとどうなるかなどを中心に解説してきました。

脂質異常症とは、血液中の脂質が増えすぎて血液がドロドロな状態になる病気です。

放置していれば、動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞のリスクを高めることがわかっています。

脂質異常症は自覚症状もなく、知らぬ間に様々な病気を引き起こす恐ろしい病気です。

治療は長期戦になるケースが多いですが、生活習慣を改善することが大切ですので、周囲のサポートも借りながら取り組みましょう。

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甲斐沼 孟

甲斐沼 孟

大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センターや大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センターなどで消化器外科医・心臓血管外科医として修練を積み、その後国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長として地域医療に尽力。2023年4月より上場企業 産業医として勤務。これまでに数々の医学論文執筆や医療記事監修など多角的な視点で医療活動を積極的に実践している。



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