〈DHA〉名前は知っているけど…摂取するとどうなる?管理栄養士が解説

 〈DHA〉名前は知っているけど…摂取するとどうなる?管理栄養士が解説
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芳賀恵
芳賀恵
2024-02-23

私達の健康のために必要な栄養素の一つにDHAがあります。DHAはサプリメントや健康食品でも沢山の商品が販売されており、人気な成分の一つです。DHAは私達の身体に必要不可欠な栄養素なのですが、名前は知っていても摂取するとどのような効果があるのか詳しく知らない方もいらっしゃるかと思います。今回は、DHAの役割と、摂取するとどうなるのかについて説明します。

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DHAは脂質の中の1種

DHAは正式名称をドコサヘキサエン酸と言い、栄養素で分類すると脂質に当てはまります。脂質にはいくつかの種類があり、それぞれ体内での働きが違います。健康の為には脂質を出来るだけ控えた方が良いと考える方もいますが、脂質で大切なのは量ではなく質です。

DHAを含め、脂質にはどの様な種類と役割があるのかを理解し、使い分ける事が重要となります。

脂質の種類と役割

脂質の種類と役割について説明します。取りすぎ注意な脂質、不足しがちで積極的に摂りたい脂質と種類によって違いがある為、しっかり把握して使い分けましょう。

飽和脂肪酸

お肉や乳製品など、動物性食品に多く含まれます。常温で固体となっているのが特徴で、体内では主にエネルギー源として使われます。取りすぎると動脈硬化や心筋梗塞などのリスクが高まる為注意が必要です。

不飽和脂肪酸

植物性食品や魚の脂に多く含まれています。常温では固まりにくく熱に弱いのが特徴です。不飽和脂肪酸はさらに細かく分類されており、体内での働きもそれぞれ違います。

一価不飽和脂肪酸

オレイン酸が主な成分で、オリーブ油に多く含まれています。不飽和脂肪酸の中でも比較的熱に強い為、加熱調理の際に使われる事が多いです。体内でも合成できることから不足する事はありません。

多価不飽和脂肪酸

多価不飽和脂肪酸は、体内では合成できない事から必須脂肪酸とも呼ばれており、食事で必ず補給する必要があります。多価不飽和脂肪酸はさらに2種類に分類され、それぞれの機能も違います。

ω-3脂肪酸

DHAはω-3脂肪酸に属します。ω-3は身体の過度な炎症を抑えたり、血液をサラサラにする、中性脂肪を下げる、脳を活性化して頭の回転を良くする等、様々な嬉しい機能を持っています。今、日本人の食事は慢性的なω-3不足と言われている為、意識して取りたい脂質です。DHAの他にも、EPAやα-リノレン酸がω-3に属します。

ω-6脂肪酸

リノール酸が主な主成分です。ω-6は、ω-3とは反対に炎症を促進する働きがあります。炎症が起きると言う事は、身体の防御反応であり悪い事ではありません。その為ω-6も必須な脂質ではあるのですが、取りすぎてしまいがちなので注意が必要です。

トランス脂肪酸

マーガリンやショートニングはトランス脂肪酸に属します。加工食品に多く使われます。トランス脂肪酸は自然界には殆ど存在せず、加工食品に含まれている物はほぼ人工的に作られた脂質です。トランス脂肪酸は摂りすぎると心血管疾患やがんなどあらゆる病気のリスクを高める為、できる限り避けるように心がけたい脂質です。

DHAを摂取するとどうなるか?

上記でも紹介した通り、DHAは必須脂肪酸の一つであるω-3に属します。DHAを摂取すると、身体の炎症抑制、免疫機能の向上、脳の情報伝達向上など嬉しい効果が期待できます。

身体の炎症は、例えばアレルギー反応や肌あれは炎症反応ですし、脳梗塞は脳内炎症です。

過度な炎症を抑える事は、身体のあらゆる健康に繋がります。大切な栄養素である一方で、不足しがちな栄養素でもある為意識して摂りましょう。

DHAが豊富に含まれている食材

DHAが豊富に含まれている食材は魚です。特に、イワシ、サバ、サンマ等の青魚に豊富に含まれています。DHAは体内では生成されない必須脂肪酸なので、食事から取るように心がけましょう。もし、なかなか食事で摂る事が難しい場合は、サプリメントを使う事もおすすめです。

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芳賀恵

芳賀恵

大学卒業後、サプリメントの企画開発の企業やスポーツメーカーの企業に勤め、アスリート向けのサプリメントを中心に、美容健康向け商品等の企画開発の仕事を経験。その後はフリーとなり、アスリートへの食事サポートや、今までの自身の経験を元にしたサプリメントの情報や食についての発信を行う。



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