サバ缶の汁は切ってから使う?それとも切らずに使う?管理栄養士の見解は

 サバ缶の汁は切ってから使う?それとも切らずに使う?管理栄養士の見解は
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サバ缶は、おいしさと利便性、健康効果により近年注目を集めている食材です。調理の際、缶詰に入っている汁を捨てていないでしょうか?実はサバ缶の汁にも、健康へプラスにはたらく栄養がたっぷり詰まっています。この記事では、サバ缶の汁に含まれる栄養について管理栄養士が解説します。サバ缶を汁ごと使うおすすめの料理も紹介するので、汁までおいしく無駄なく食べてくださいね。

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サバ缶は栄養豊富な汁まで使うのが正解

サバ缶の汁は切らないで全部使うのが◎サバ缶の汁に含まれる栄養を管理栄養士が解説
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長期間保存できて、容器を開けるとすぐに食べられるサバ缶は、便利な食材です。常備して、日々の食卓に活用している家庭も少なくないでしょう。

サバ缶の魅力は、おいしさや利便性はもちろん、豊富に含まれる栄養にもあります。サバ缶には良質なたんぱく質、ビタミン類や鉄などの栄養がぎゅっと詰まっています。

また、生のサバでは食べられない骨まで摂取できることもポイントです。サバ缶を製造する際に圧力をかけるため、骨までやわらかくなり、生のサバよりもはるかに多くのカルシウムを摂取できます。

サバ缶を食べると、健康効果が期待される多価飽和脂肪酸が摂れることも忘れてはいけません。とくにサバ缶は、n-3系脂肪酸やオメガ3ともいわれる脂質の一種、EPA・DHAが豊富です。

EPAとDHAには脂肪の分解を促進し、脂肪やコレステロールの合成を抑制する作用が期待できます。さらにEPAには血栓を予防したり、高めの血圧を下げたりする効果があると考えられています。これらの健康効果から、サバ缶は動脈硬化を防ぎ、生活習慣病を予防するのに役立つといえるでしょう。

実はEPAとDHAには水に溶けやすい性質があるため、サバ缶の汁にも一部溶け出ています。また缶詰の汁には、水溶性ビタミンのビタミンB群も含まれています。ビタミンB群は糖質や脂質、たんぱく質の分解を助けて、体の調子を整える栄養素です。汁に含まれるこれらの栄養素の量は、サバの身に比べるとわずかですが、サバ缶の栄養を無駄なく摂取するなら汁まで食べるのがおすすめです。

塩分量が多い点に注意

サバ缶の汁は切らないで全部使うのが◎サバ缶の汁に含まれる栄養を管理栄養士が解説
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ただしサバ缶の汁には、塩分が多く含まれることに注意しましょう。とくに水煮よりも、味噌煮など味付けされたもののほうが塩分量が多くなります。汁まで使う場合は、比較的塩分量が少なく、アレンジの幅も広い水煮缶詰がおすすめです。

また、EPAとDHAは酸化しやすいことにも気をつけてください。油脂が酸化すると、風味が劣化します。さらに酸化した油脂を大量に摂取した場合、健康に悪影響が及ぶおそれもあります。未開封の缶詰は酸素に触れないため、酸化が進むことはありません。しかし開封したサバ缶は、当日中に使い切ってください。

サバ缶の汁まで使えるおすすめ料理

サバ缶の栄養を余すところなく摂取するには、缶詰の汁まで使える料理がおすすめです。 

スープや味噌汁に加えるのが、もっとも手軽な方法でしょう。サバの身は具材に、缶詰の汁が出汁になります。トマト煮込みやカレーにすると、サバの生臭さが消されて食べやすくなります。炊飯器にサバ缶を汁ごと加えて炊き込みご飯にすれば、米がサバのうまみを吸い、おいしく仕上がるでしょう。

栄養豊富なサバ缶を有効活用するなら、EPAやDHA、水溶性ビタミンが含まれる汁まで使うのが正解です。さまざまな料理にアレンジして、サバ缶を日々の健康づくりに活かしてくださいね。

【参考文献】
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
中村宜督「食品でひく 機能性成分の辞典」女子栄養大学出版部、2022年

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AUTHOR

いしもとめぐみ 管理栄養士

いしもとめぐみ

管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。



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