「サプリは肝臓に負担をかけると聞きますが本当でしょうか?」管理栄養士が回答
栄養補給や美容など、様々な目的でサプリメントを使用している方は多いかと思います。サプリメントは食品であり、不足している栄養素を補う為の便利なアイテムです。しかし、その一方でサプリメントは肝臓に悪いからあまり良くないという声もあるのはご存じでしょうか。今回は、サプリメントの肝臓への影響についてお話致します
肝臓の役割とは
肝臓には様々な役割がありますが、最も代表的な機能が「身体に有害となる物質の解毒・分解」です。例えば、アルコールは身体にとっては有害な物質であり、必ず肝臓で解毒されてから排出されます。アルコールを飲み過ぎると肝臓に負担がかかってしまうのはこのためです。普段の食事でも、身体の中で消化される過程で有害物質が発生します。この有害物質も肝臓に運ばれ解毒されてから排出されています。もし、肝臓の機能が低下していると、有害物質が上手く解毒されずに体内を巡ってしまいます。そうすると、倦怠感や吐き気、食欲不振、むくみ等のあらゆる症状が現れ、ひどくなると意識障害などの重い症状に繋がってしまいます。肝臓は、有害物質から身体を守る大切な役割を担っているのです。
薬物性肝障害とは何か
私達が体調の悪い時に飲む薬は、肝臓で分解されてから排出されます。そのため、薬を飲み過ぎてしまうと肝臓に過度な負担がかかり機能が低下してしまう恐れがあります。これを「薬物性肝障害」と呼びます。サプリメントや健康食品は薬ではなく食品なのですが、あまり飲み過ぎてしまうと薬と同様に肝障害を起こしてしまう可能性があるのです。
肝臓に負担のかかりやすいサプリメントは?
肝臓に負担をかけやすいサプリメントについて紹介します。飲みすぎると負担をかけやすいサプリメントですので、推奨量を守って使いましょう。
プロテイン
プロテインは、タンパク質の補給を目的とした商品です。粉末を水に溶かして飲むタイプの商品から、バーなどの固形タイプ、ドリンクタイプなど様々な商品が発売されています。タンパク質は体内で消化される際、有害物質であるアンモニアが発生します。このアンモニアは肝臓で解毒されて尿素という成分となり排出されるのですが、タンパク質を取り過ぎてしまうと解毒しなければいけないアンモニアが沢山作られてしまい、肝臓に大きな負担となります。プロテインの飲み過ぎは肝臓に負担をかけてしまうのです。
添加物が多く使われている商品
サプリメントの中には、添加物を多く使用している商品もあります。特に、美味しく飲めるように味付けをされている物には使われている可能性が高いです。添加物は、身体にとっては異物となるため、肝臓で分解する必要があります。そのため、添加物を多く使用したサプリメントの摂りすぎは、肝臓を疲弊させる可能性があります。
肝臓に良いとされるウコンが負担をかけている場合もある
肝臓に良いとされているウコンですが、実は負担をかけている場合もあります。ウコンには鉄分が多く含まれており、ウコンを日常的に摂っていると鉄分の過剰摂取になる可能性があります。余分な鉄は肝臓に蓄積されるため、負担がかかります。これは、肝臓に良いと言われていはしじみや牡蠣にも同じ事が言えますので、摂りすぎには注意が必要です。
まとめ
サプリメントは不足しがちな栄養素を補う便利なアイテムですが、摂り過ぎてしまうと肝臓に負担をかけてしまう可能性があります。摂取する際は、パッケージの裏側に書かれている推奨量を守って使いましょう。もし心配な場合は専門家に相談する事もおすすめです。
AUTHOR
芳賀恵
大学卒業後、サプリメントの企画開発の企業やスポーツメーカーの企業に勤め、アスリート向けのサプリメントを中心に、美容健康向け商品等の企画開発の仕事を経験。その後はフリーとなり、アスリートへの食事サポートや、今までの自身の経験を元にしたサプリメントの情報や食についての発信を行う。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く