あなたは本当に野菜を摂れている?医学博士が教える、野菜の栄養をサプリメントで代用できない理由

 あなたは本当に野菜を摂れている?医学博士が教える、野菜の栄養をサプリメントで代用できない理由
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生活習慣病ともいわれるガンや糖尿病、心疾患や脳血管疾患を予防するには一日350g以上の野菜を摂取するのが理想的といわれています。なんとなく野菜を食べるように意識しているけれど、その食べ方が本当に合っているのか疑問に感じることもしばしば。今回も岩崎真宏さんの著書『野菜は最強のインベストメントである』(フローラル出版)より、一日に必要な野菜量が摂取しやすくなる食べ方や、サプリメントの罠についてご紹介します。

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「なんちゃってベジタリアン」になってない?

一日に必要な野菜は、350g以上といわれています。これを意識して、日々コンビニでサラダを買ったり、ランチにサラダをプラスしていたりする方も多いのでは?注意したいのは、野菜のみのグラム数を意識できているかどうか。なんちゃってベジタリアンになりやすいのは、例えばコンビニで240gの「チキンサラダ」と書かれた商品を買って食べた場合など。
数字だけみると、一日の目標摂取量の半分以上の野菜を摂れた気になってしまいがち。ですが、実際にはチキンとドレッシングと野菜を合わせた総重量が240gであり、野菜だけを測ったら、ほんの数グラムにしかならない……というのがよくあるケースです。サラダは生野菜だけで測ると、意外とグラム数を稼ぎにくいので注意が必要です。

アボカドは野菜?果物?

みなさんの中には、栄養もあって美味しいことから「アボカドが好き!」という方も多いのではないでしょうか。コンビニサラダのケースと同じように、野菜を摂っているつもりになりやすいのが「野菜だと思って食べていたものが、実は果物だった」というケース。その代表例が、アボカドです。確かに、アボカドはスーパーフードと呼ばれるくらい強い抗酸化作用をもつビタミンEや疲労回復効果が期待できるビタミンB類他、豊富な栄養素を含んでいます。
美容や健康にいい食材であることは間違いないのですが、そもそもアボカドは果物であって野菜ではないのです。さらに、植物ではありますが、高脂質・高カロリーな食材のため、栄養満点だからたくさん食べればいい!という考え方は大きなリスクを伴います。

食品カテゴリーマップ®︎を活用しよう

アボカドのように「野菜なの?果物なの?」と食材に悩んだときは、食品カテゴリーマップ®︎(作成:一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会)を活用するのがおすすめです。

 

マップ
食品カテゴリーマップ®︎ 作成:一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会

マップを見てみると、野菜だと思っていたレンコンが主食(デンプン・糖質)にカテゴライズされていたり、海藻やキノコが副菜(主に野菜がカテゴライズされる枠)に当てはまっていたりと、自分が思っている「野菜」とのギャップを感じるかもしれません。ですが、あくまでこれは「栄養学的な見地からみた野菜」の分類であり、これで正解なのだそう。
マップのカテゴリー3に分けられた食材を参考に、毎日の食事に350g以上を取り入れれば有効な野菜投資が可能になります。

サプリメント頼りの食生活がNGな理由

フィトケミカルをはじめ、野菜に素晴らしい栄養素が含まれていることが分かっていただけたかと思います。しかし「同じ栄養素のサプリを飲めば同じ効果を得られるのでは?」という意見をよく耳にするのも事実。実際に、野菜不足をサプリで補おうとしている人は非常に多くいます。ですが、サプリには食物繊維が含まれていないことが多く、野菜がもつ多様な栄養素を1、2種類のサプリでカバーすることは到底できないことなのです。
トマトにはリコピンが含まれていますが、リコピンのサプリを単体で摂取するよりも、トマトとして摂取した方が健康効果は大きく出るという研究データもあります。これはリコピン一種類だけでなく、トマトに含まれる未知の栄養成分との相乗効果によって成せることであり、サプリでは叶わない良効果です。

野菜1日350gの壁は意外と低い!

サプリメントで栄養を補うよりも、野菜で栄養を摂った方が効率も良く、効果も高くなるということが分かりましたね。しかし「そうは言っても一日350gもの野菜を食べるは大変そう……」と心が折れそうになる人も少なくないはず。大変そうに感じてしまうのは、レタスやキャベツなど、サラダで350g食べようとしているから。
ほうれん草などの葉物は、おひたしやバター炒めなど熱を加えることで、ギュッと縮んで目方も減るので食べやすくなります。茹でる前の小松菜であれば、ひと束で100g程度。これをおひたしにして食べれば、一日の1/3近くの野菜量を稼ぐことができます。調理することで、目標摂取量の350g達成にグッと近づける気がしてきませんか?

「〇〇サラダ」と商品名だけをみて野菜を摂ったつもりになっているケースは、とても共感できる「あるある」でしたね。またサプリで栄養を摂れているから食事は好きなものを自由に食べるという食生活を続けるのも考えもの……岩崎さんの本を読むと、サプリではなく野菜を食べないといけない理由がよく分かります。ほかにも書籍には、野菜を食べない人のメンタル問題を解消する方法も掲載されています。ぜひ、書店で手に取ってみてください。

書影
『野菜は最強のインベストメントである』岩崎真宏・著(フローラル出版)

『野菜は最強のインベストメントである』著者……岩崎真宏(いわさき・まさひろ)
医学研究者。管理栄養士。一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し、栄養に関する指導者・教育者育成と活動支援を行う。アスリートへの栄養サポートも経験豊富。栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜や食糧安全保障などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベジタブルテック株式会社を創業。好きな野菜は小松菜。

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構成/岩本彩

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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