コレステロール値が気になる人が食べるべき"完熟した野菜"とは?医学博士が教える、野菜の新知識

 コレステロール値が気になる人が食べるべき"完熟した野菜"とは?医学博士が教える、野菜の新知識
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生活習慣病ともいわれるガンや糖尿病、心疾患や脳血管疾患などを予防してくれる成分「フィトケミカル」をもつ野菜たち。実はダイエットにも嬉しい効果があるのをご存知ですか?今回も岩崎真宏さんの著書『野菜は最強のインベストメントである』(フローラル出版)より、コレステロールと関係の深い野菜成分についてご紹介します。

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コレステロール値を下げる成分とは?

各野菜には、さまざまな種類の「フィトケミカル」と呼ばれる最強の抗酸化作用成分が含まれています。赤ピーマンやトウガラシの赤色の正体「カプサンチン」も、フィトケミカルの一種です。これは辛味成分であるカプサイシンとは別物のため、ご注意を。カプサンチンは強い抗酸化作用をもち、その抗酸化力はβカロテンの約1.5倍ともいわれるほど。
コレステロール値を上げる悪玉コレステロールは、動物性脂肪の過剰摂取、運動不足や肥満から上昇しやすくなるといわれており、これを下げるには善玉コレステロールを上昇させるのがポイント。赤ピーマンやトウガラシに含まれるカプサンチンは、善玉コレステロールを上昇させる効果があることがわかっています。

赤ピーマンと緑ピーマンの違い

ピーマンの中でも完全体といわれるのが、赤ピーマンです。スーパーなどでよく見かける緑のピーマンは実はまだ未熟な状態であり、成長過程で出荷されたもの。その緑ピーマンを7週間ほど成熟させると赤ピーマンになり、カプサンチンやビタミンCの含有量が増加します。
赤ピーマンがもつビタミンCはレモンの約2倍ともいわれ、カプサンチンとビタミンCの両方を豊富に摂取できます。赤ピーマンは高コレステロール対策として、まさに最強の野菜なのです。

赤ピーマン
赤ピーマンがもつビタミンCはレモンの約2倍! photo by Adobe Stock

ダイエットの味方、カプサンチンの効果

カプサンチンはダイエットに非常に効果的だといわれています。高脂肪食を与えたマウスと高脂肪食+カプサンチンを与えたマウスの経過を観察したところ、後者のマウスは体重の増加が大幅に減少したという研究結果もあります。揚げ物など、高脂肪食に当てはまる食事をする際は、赤ピーマンを一緒に食べるように心がけましょう。

ヘルシーメニューに隠れた罠に気をつけよう

肥満や高コレステロール問題というと、アメリカをはじめとした海外の食事内容ばかりが注目されがち。ですが、実は日本の食事内容も決して油断できない状態です。
わたしたち日本人の食事内容をよく振り返ってみると、ハンバーガーをはじめとしたファストフードやラーメンなど、高脂質かつ高糖質なものが溢れています。なかにはヘルシーを意識した野菜たっぷりのハンバーガーやラーメンのメニューもありますが、結局は野菜が摂れても、脂質・糖質も同じくらい摂り過ぎてしまっていた……なんてことも。野菜を使っていることだけに気を取られず、過剰な脂質・糖質の摂取には気をつけましょう。

これからピーマンを買うときは、コレステロール値のことを考えて、ついつい赤色のものを選ぶようになってしまいそうですね!

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『野菜は最強のインベストメントである』岩崎真宏・著(フローラル出版)

『野菜は最強のインベストメントである』著者:岩崎真宏(いわさき・まさひろ)さん
医学研究者。管理栄養士。一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し、栄養に関する指導者・教育者育成と活動支援を行う。アスリートへの栄養サポートも経験豊富。栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜や食糧安全保障などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベジタブルテック株式会社を創業。好きな野菜は小松菜。

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構成/岩本彩

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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