血圧関係に不安がある人が「食べた方がいい野菜」とは?医学博士が教える、知って得する野菜の栄養
最強の抗酸化作用があるといわれている「フィトケミカル」をもつ野菜たち。発見されている種類は1万種類以上ともいわれ、その効果はシミやシワなど、見た目の老化防止だけにとどまりません。生活習慣病ともいわれるガンや糖尿病、心疾患や脳血管疾患などの予防効果も期待できます。今回も岩崎真宏さんの著書『野菜は最強のインベストメントである』(フローラル出版)より、血圧と関係の深いあの野菜についてご紹介します。
知ってた?トマトの赤色の正体
あなたはトマトを買うとき、どんな基準で選んでいますか?すぐに食べるつもりなら、緑がかった固そうなトマトよりも真っ赤なトマトを選ぶのではないでしょうか。実は、そのトマトの赤の正体は「リコピン」です。抗酸化作用のあるフィトケミカルを大きく3つに分類すると、カロテノイド系・ポリフェノール系・イオウ化合物系に分けられます。トマトがもつリコピンはカロテノイド系フィトケミカルに分類され、フィトケミカルのなかでも特に高い抗酸化作用をもちます。同じ抗酸化作用をもつβカロテンのおよそ2倍、そしてビタミンEの100倍以上ともいわれているから驚きです。
血圧を下げるトマトの選び方
トマトに含まれるリコピンを効率よく摂取すると血液がサラサラになり、血圧の低下が期待できます。実際に血圧を下げる目的でトマトを買うときは、トマトの赤さ(成熟度合い)に注目しましょう。トマトは熟成度合いによって、リコピンの含有量が大きく異なります。完熟したトマトは未熟なトマトに比べ、10倍ものリコピンを含むというデータもあるほど。
西洋では「トマトが赤くなると医者が青くなる」という言葉があるくらい、成熟したトマトの赤色には健康促進の効果があるのです。
リコピンを効率よく摂るレシピ
リコピンはゴマやアーモンドと組み合わせると、抗酸化作用がパワーアップします。また油に溶けやすい性質があり、油と合わせて食べることでカラダへの吸収率が向上します。
イタリア料理の「カプレーゼ」は、オリーブオイルとトマトを合わせた料理なので、リコピンを摂取するには理想的なメニューです。さらに、加熱すると細胞壁が壊れてリコピンが溶け出しやすくなるという特徴もあるので、野菜を油で炒めたあと、水とトマトを入れてスープ状にした「ミネストローネ」なんかもリコピンを効率よく摂取できるレシピといえるでしょう。
妊婦がリコピンを摂るメリット
卵を産んでくれるニワトリは人間と同様に老化していき、それは産んだ卵にまで影響するといわれています。ですが、リコピンを与えて育てたニワトリとその卵は、老化が遅れるという研究データが存在します。これは人間も同様で、妊婦がリコピンを摂取すると乳児にもリコピンの成分が伝わり、神経の発達や健康な脳の発達に良い影響を与えることがわかっています。
「トマトの赤」に隠された効果を知ると、いますぐ買って食べたくなりますね!今回ご紹介したトマトの選び方やリコピンを効率的に摂取するメニューもぜひ参考にしてみてください。
『野菜は最強のインベストメントである』著者……岩崎真宏(いわさき・まさひろ)さん
医学研究者。管理栄養士。一般社団法人日本栄養コンシェルジュ協会を設立し、栄養に関する指導者・教育者育成と活動支援を行う。アスリートへの栄養サポートも経験豊富。
栄養学からみた野菜の健康価値と野菜不足の社会課題のギャップ、廃棄野菜や食糧安全保障などの農業課題を解決するため、ヘルスケアと農業の循環型事業に取り組むベジタブルテック株式会社を創業。好きな野菜は小松菜。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
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