【クリエイティブハングオーバー "創作の二日酔い"?】最新研究が示す創作活動がもたらす幸福と影とは?
創造的な活動はその日の気分を高める。一方で、創作に深く関わる人では翌日に気分の落ち込みがみられることが明らかになった。
新たな研究では、創作に深く関わる人ほど、創造性が高かった日の翌日にネガティブな感情が強まる傾向が確認された。研究者はこれを「創作の二日酔い」と呼び、創作に真剣に向き合う度合いが高いほど影響が出やすいという。
創作に深く関わる人はもともと幸福感が高い
参加者は創作への関与が高い人(202人)と、日常の中で軽く創造的な活動を行う人(153人)の2つのグループに分けられた。創作への関与が高い人は、創作活動で収入を得ている人や創作分野を専門的に学んでいる人、あるいは美術や音楽、執筆、ダンス、デザインなどに週20時間以上取り組んでいる人だった。参加者は、毎日どれくらい創造的な活動をしたかと、その日の気分について簡単な調査に回答した。項目には前向きな感情や没頭感、目的意識、人とのつながり、達成感などが含まれ、3,700件を超える回答が分析に使われた。
日々の変化を見る前の時点で、創作に深く関わる人のほうが全体的に幸福感が高いことが分かった。特に没頭感や人とのつながり、目的意識といった面で高い傾向が見られた。創作を生活の中心にしている人は普段から自分の活動に深く没頭し、他者とのつながりや目的意識を感じやすいと考えられる。
創作の二日酔い
どちらのグループの人も、普段より創造性が高かった日は前向きな感情が高まり、達成感が強まり、ネガティブな感情は弱まる傾向が見られた。この当日の気分の向上は創作への関わりの程度に関係なく共通していた。創造的な活動は短期的には心に良い影響をもたらすと考えられる。しかし、翌日に関しては異なる結果が見られた。
創作への関与が低い人では、創造性が高かった日の翌朝に前向きな感情の高まりや周囲とのつながりを実感しやすくなる傾向があった。週末に絵を描くなど、軽く創作を楽しむ人はその良い感覚が翌日にも継続していた。一方で、創作への関与が高い人ではそのような翌日の前向きな高まりは見られなかった。むしろその日の創造性が高いほど、翌日にネガティブな感情が強まる傾向が見られた。
なぜ「創作の二日酔い」が起こる?
著者らはこの「創作の二日酔い」について、いくつかの理由が考えられるとしている。創作を仕事として行う場合や深く取り組んでいる場合は持続的な精神的努力が求められ、フラストレーションへの対処や試行錯誤を重ねる中で感情的な負担も大きくなる。こうした負荷の高さが翌日の消耗感につながる可能性がある。また、創作への関与が高い人は自分に高い基準を課す傾向があり、理想と日々の成果とのギャップがストレスにつながる可能性も考えられる。
2つのグループの違いが示すこと
この2つのグループの違いはメンタルヘルスや幸福感を理解するうえで重要となる。創造的な活動は気分を高めるものとして広く知られており、日常の中で軽く楽しむ多くの人にはその評価が当てはまる。ただし、創作活動がすでに生活の中心にある場合は、創造性が高いほど幸福感も高まるとは限らないのだ。
しかし、この研究が示しているのは創作に深く関わる人にとって悲観的な結果ばかりではない。創作に深く関わる人はもともと幸福感が高く、創造的な活動による当日の効果も同様に確認されている。感情的な負担が結びついているのは負荷の高い創作であり、創作そのものではないと見られる。こうした理解が今後、創作に携わる人の幸福感やメンタルヘルスを支える取り組みに役立つことが期待されている。
https://studyfinds.com/creative-people-often-feel-creative-hangovers/
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