正常な姿勢はわずか30%?理学療法士が教える、肩こり・腰痛を根本から和らげる『姿勢』の整え方
「最近、肩こりや腰痛がひどくなった・・・」 そんなとき、マッサージや湿布でその場をしのいではいませんか?実は、ある研究では日常生活で正常な姿勢を保てている人はわずか30%という報告があります。 慢性的な不調の根本原因は、何気なく積み重ねてきた「姿勢の崩れ」にあるかもしれません。今回は、理学療法士の視点から、不調を解消する鍵となる「重心線」と「壁を使った簡単チェック法&エクササイズ」を解説します。
「理想の姿勢」を決める5つのポイント
私たちが効率よく立つには、重力に対して体がまっすぐである必要があります。重心線=体のバランスを示す「理想の一直線」。この線が通っていれば、体への負担が最小限になります。
正しい姿勢のチェックポイント
横から見たとき、以下の5つのポイントが一直線に並んでいるのが理想的な姿勢です。
① 耳たぶ(耳の下の部分)
② 肩の先端(肩の一番外側の骨)
③ 股関節の骨(脚の付け根外側の出っ張り)
④ 膝のお皿の少し後ろ(膝の関節)
⑤ 外くるぶしの数センチ前(足首の外側の骨の前)
この5点がまっすぐになることで、効率的に立てているサインです。
「猫背」と「反り腰」の正体
現代人の多くは、この重心線が崩れています。主な原因は、「胸郭(きょうかく、肋骨周辺)」と「骨盤」のズレにあります。
・猫背タイプ:胸郭の崩れ
デスクワークなどで頭が前に出ると、胸郭が後ろに引かれ背中が丸まります。私たちの頭は約5kgの重さがあり、頭が2.5cm前に出ると約10kg(約2倍)の負担になります。
たった数センチ前に出るだけで、首や肩の筋肉が常に緊張し続け、これが慢性的な肩こりの原因になります。
・反り腰タイプ:骨盤の崩れ
骨盤が過度に前へ傾くと、腰が強く反り、重心が前にずれます。体はバランスをとるため腰の筋肉が過剰に働き、これが慢性的な腰痛につながります。
胸郭と骨盤は連動しているため、一方が崩れればもう一方もズレ、全身の重心線がバラバラになってしまうのです。
【ステップ①】壁を使って「自分の姿勢」をチェック
自分が「30%の正常な姿勢」に入っているか、壁を使って簡単にチェックしてみましょう。
・やり方
①壁に背を向けて立つ
②かかとを壁につける
③自然に立つ(無理に姿勢を正さないこと)
・チェック結果
理想的な姿勢:腰の隙間に「手のひら1枚分」がギリギリ入る程度
反り腰:腰の隙間に「拳(こぶし)」が入ってしまう
猫背:後頭部を壁につけるのが苦しい、または肩が壁から浮く
【ステップ②】姿勢に合ったエクササイズ
猫背タイプのエクササイズ
1. 壁に背中をつけて立つ(かかと、お尻、肩甲骨、頭を壁につける)
2. 腕を上げて肘を曲げ、「W」の形を作る
3. 息を吐きながら、肘を脇腹に引き寄せるようにゆっくり下へ動かす
4. 肩甲骨を中央にギュッと寄せるのがポイント
5. 最も寄せきったところで3秒キープ、これを10回繰り返す
コツ:左右の肩甲骨の間にシワを作るイメージで!

反り腰タイプのエクササイズ
1. 壁に背を向けて立ち、かかとを壁から5〜10cm離す
2. お尻、肩、頭を壁につける
3. へそを背骨に押し付けるように力を入れ、腰の隙間を潰して壁にピタッと貼り付ける
4. 腰を壁に押しつけたまま5秒キープ
5. パッと力を抜く、これを10回繰り返す
コツ:骨盤を下から上に「巻き上げる」イメージ、膝を少し緩めると動かしやすくなります。

意識の向け方で体は劇的に変わる
正しい姿勢とは、無理に胸を張ることではありません。5つのポイントを整え、胸郭と骨盤を正しい位置に重ねることです。重心が本来あるべき位置に収まれば、筋肉への負担は減り、疲れにくい体が手に入ります。
まずは1日1回、壁に背を向けて「自分の軸」を確認することから始めてみてください。その小さな意識が、不調を手放す大きな一歩となります!
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