本場スリランカのアーユルヴェーダ解毒プログラム「パンチャカルマ」体験レポート ♯3

 本場スリランカのアーユルヴェーダ解毒プログラム「パンチャカルマ」体験レポート ♯3
NOBUE SUZUKI
鈴木伸枝
鈴木伸枝
2019-02-14

本誌『ヨガジャーナル日本版』でもお馴染みの人気ヨガティーチャー鈴木伸枝さんが、スリランカでアーユルヴェーダの解毒プログラム「パンチャカルマ」を体験。スリランカのアーユルヴェーダ事情はもちろん、施術の実体験を通して感じたこと、学んだこと、変化したことをレポートしていただく企画がスタート! アーユルヴェーダに興味がある方、もっと深く知りたい方は必見です。

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パンチャカルマプログラム中の過ごし方

こんにちは。鈴木伸枝です。前回のレポート ♯2はパンチャカルマ初日の様子をお届けしました。今回はパンチャカルマプログラム中、毎日どのように過ごしていたかをレポートします!

私が滞在した「Jetwing Ayurveda Pavilions」では、毎日朝6:00~7:00にヨガクラスが行われます(自由参加)。なので、5:00~5:30くらいに起床して準備して、私は早めにレッスン場に行って軽く動いてました。

パンチャカルマ
ヨガやセミナーを行う多目的スペース

この場所はオープンエアーな場所で、とても心地良いです。レッスンが始まる時にはまだ真っ暗で、終わるころには太陽が昇っています。本当に日の出とともにヨガをする感じですね。先生は何名かいらっしゃって、それぞれ個性がありクラスの内容が少しずつ違います。

スリランカと日本、ヨガもちょっと違う?

スリランカで受講したヨガの先生方は、インドでヨガを学ばれたと仰っていました。クラスの特徴としては、アーサナをとるよりも、体操と軽い筋トレを混ぜたような内容が多く、アーサナの取り方も日本とは少し形が異なるものもあり、国ごとにヨガの在り方に特徴があるのだなと感じました。

どの先生も取り入れていたのは、プラーナヤーマメディテーションマントラ。また、太陽礼拝はどのクラスにも入っていました。私がまだインストラクターになる前、ヨガとは関係なくインドに行ったことがあるのですが、その時に滞在先にヨガの先生をお呼びして、パーソナルで受けたヨガクラスに近い感じでした。

パンチャカルマ
朝はヨガからスタート

この場所は空いている時は自由に使うことができます。

鈴木伸枝
空いている時間にセルフプラクティス。

クラスが終わったら朝食の時間です。トリートメントの時間がだいだい8:00もしくは11:00からでした。トリートメントが8:00からの時は、ヨガレッスンの後、わりとダッシュで朝ご飯を食べます。通常トリートメントの時間は、ドクターによって組み立てられた滞在中のプログラム内容とお天気(気温や湿度)の状況によって、ドクターが前日に決定します。本格的なアーユルヴェーダは、「太陽が昇っている時間帯にトリートメントは行う」のが原則です。ですので、朝は8時頃から、夕方は17時頃までが施術ができる時間となります。

パンチャカルマ
先生が処方してくれたお薬

朝ご飯が終わったらお薬の時間。コンサルテーションをもとに先生が処方してくれたお薬を毎日朝晩の2回飲みます。もちろんケミカルなものは一切入っていない自然のハーブ100%からつくった伝統的なお薬です。

ペースト上のものと2種類の飲み薬は、血液循環と、口からお尻までの管を綺麗にするお薬だそうです。ペースト状のもの甘く酵素ドリンクに似た味でした。透明の飲み薬はちょっと酸っぱく、黒っぽい飲み薬は苦いです。パンチャカルマで飲む薬は不味くて大変という噂を聞いていましたが、飲めない味ではなくて安心しました。ただこの薬の量を水で流しこんでいくと、それだけでお腹がいっぱいになります(笑)。

パンチャカルマ
丸い薬が胃、細長い薬が腸を整える薬
パンチャカルマ
こんな感じの器に入れて供されます

コンサルテーションを受けたのち2時間半のトリートメントへ

トリートメントの時間の前に、必ずドクターによる短いコンサルテーションが入ります。先生が脈診と問診を通して、現在の私の体の状況を確認して下さいます。現在、Ayurveda Pavilions には4名のドクターがいらっしゃいます。その中でも名医Dr.デニッシュのコンサルテーションは人気が高いため、現在「事前予約制(有料)」となっています。私は、今回はせっかく長期のプログラムですので、最初と最後のコンサルテーションをDr.デニッシュのコンサルテーションを事前に予約しました。ですので毎日のコンサルテーションは、Dr.デニッシュだけでなく、他のドクターが担当して下さることもありました(Dr.デニッシュも時間があれば予約外でも朝のコンサルテーションに来てくださることもありました!)。どの先生もとても素敵な先生でした。

大まかなトリートメント内容は、初めのコンサルテーションで決めていますが、この毎日のコンサルテーションで細かい微調整がはいります。この時間に疑問点や不安点があれば自由に先生に質問することができます。また、先生から「こんな呼吸法をやるといいよ」「肩を沢山動かして」などの日々の中でのアドバイスがあります。このコンサルテーションをもとに、ドクターがセラピストにその日のトリートメントで特に意識して行う留意点などを細かく指示して下さいます。ここでもその人にあった、その日の体調にあった、「パーソナライズのトリートメント」を大切にしているAyurveda Pavilionsの丁寧さを感じることができます。

ここから二時間半くらいの極楽トリートメント。

パンチャカルマ
至福のトリートメントタイム

ドクターが選んでくれたカスタマイズされたオイルを使い、セラピストさんがいろいろなマッサージのテクニックを使い、体の中の詰まっている場所の“流れ”を再生し、アーマ(毒素)を肌の外に出していきます。また、アーユルヴェーダのトリートメントの特徴として、施術後、最低1時間はオイルをつけたままの状態で過ごすことです。アーユルヴェーダでは、この「ハーバルオイル」がとても重要な役割を担っています。オイルに含まれる様々な効用を皮膚から体内に取り込むためには施術の後もしばらくオイルをつけたままにしておくことが重要なのです。

この「オイルをつけたまま」というのも実はトリートメントの一部だと思ったほうがよいということです。できれば2時間程度キープできるとさらに良いとのことです。ということで、8:00からのトリートメントスケジュールだと、シャワーを浴び終わる頃にはお昼過ぎになっています。このトリートメントに関しては、後日さらに詳しくレポートしていきますね! ちなみに私はお風呂が好きなので、シャワーではなくゆっくり湯舟につかっていました。

パンチャカルマ
半露天の浴室

トリートメントが終わったら、ランチタイム。このランチタイム中に私はハウスキーピングをお願いしていたのですが、朝に掃除してもらうよりトリートメント後にお願いするのが快適です。なぜなら、トリートメントの最後に、ハーブの粉や葉っぱを刻んだものを塗られることも多く、その後30分はそのままでいるようにとセラピストから指示をうけるためです。

その状態でウロウロすると、お部屋中粉や葉っぱまみれになるので…。ランチが終わってお部屋に戻った時、お部屋がパリッと綺麗になっていて毎日とっても気持ち良かったです。

パンチャカルマ
ハウスキーピング後のパリっとしたお部屋

そしてもう1つ楽しみだったのが、タオルがいつも可愛くアレンジされていること。こういった、1つ1つの細かいホスピタリティーもAyurveda Pavilionsの魅力かなと思います。

パンチャカルマ
毎回楽しみだったタオルアート

ちなみにスリランカにはチップの習慣があります。ハウスキーピングには100ルピー、セラピストには200~600ルピーのチップをお渡しするのが目安です。

その後はフリータイムになります。この時間を使って私はパソコン作業のお仕事なんかをしていました。が、頭が上手に働かず、思うようにはかどりません(笑)。ブログやSNSなども、もうちょっとマメにアップしようと思っていたのですが、全然はかどりません(笑)。ドクターにもアテンドをお任せしていた担当の方にも、とにかくのんびり休んで下さいと言われていたので、本当に最低限のことだけやって、あとはのんびり過ごすことにしました。というよりプログラムが進むとのんびり過ごすことしか出来なくなっていきました。

フリータイム中に、オプションプログラムとして“アーユルヴェーダって何?”ということをパワーポイントを使いながらドクターが解説してくれる「アーユルヴェーダ講座」や、シタールの音色を使って精神をリラックスさせる「音楽セラピー」、日本に帰国してからも自分で簡単に作れる「アーユルヴェーダクッキング教室」などが開催されます。これらのプログラムは、5泊以上滞在の方は無料で受講することができます。その他、週3~4回、不定期で無料のプール・エクササイズが開催されますので、水着の準備もお忘れなく!

オプションでスリランカ式占星術も受けられる

私はAyurveda Pavilionsにてオプションで追加(事前予約)することができる、スリランカ式占星術(ホロスコープ)も見て頂きました。スリランカ式占星術では、生まれた瞬間の星の位置を知ることにより、その人の人生バイオリズムが持って生まれた運勢と、緻密な計算により導きだされるその後の星の位置の変化を知ることにより、人の人生バイオリズム=運勢を知ります。スリランカの方は、この占星術の智慧をとても大事にし、子どもの名前を付ける時、何かを始める時期や結婚式の日時など大きな節目となる時は、このホロスコープで決めることが多いそうです。まさに占星術が暮らしに根づいているのですね。

私は占いにはあまり興味がないのですが、惑星の中で暮らしている以上、星がどの位置にあるかで、自分が影響を受けるということには納得がいきます。月や太陽が潮の満ち引きを作り出しているのが良い例です。体で感じることが出来なくても、必ず影響していると思います。担当して下さった占星術師の方が仰っていた、「星の結果に翻弄されるのではなく、星の力を味方につけるために占星術はあるのよ」という言葉が印象的でした。

鈴木伸枝
占星術の先生と

占星術の結果、私のパワーストーンがブルーサファイヤだということで、空いている時間にお守りにするためのリングを探しに行きました。スリランカは宝石産出国としても有名です。上質な宝石が比較的安値で購入できます。本当にたくさんの店があります。どの店が良いのかわかりません(笑)。色々まわって比較してっていうのも楽しいのでしょうが、私はあまりショッピングが好きではないので、紹介された信頼性の高いAyurveda Pavilionsの系列ホテルである「Jetwing Blue」の中にあるジュエリーショップに向かいました。Ayurveda Pavilionsから徒歩でいけます。

スリランカのジュエリーリングは、自分を守るパワーストーンという意味合いが強く、必ず肌に石が触れるような作りになっています。滞在期間が数日あるのであればオーダーメイドできるので、好きなデザインと好きな石を選んで作って頂くことが可能です。驚いたのは、ホテル内のジュエリーショップなのに値切れること。氣に入ったデザインのものが完全に私の予算をオーバーしていたためぐずぐず迷っていたら、最終的にかなり安くなりました。通常でも2割~3割くらいは安くなるそうです。

トゥーリング
購入したリングは現在私の足元に

その他お土産屋や日用品を売っている店では、値段が掲示されていないお店が多く、聞くと「うっそ~ん!!!」って思う値段を言われたりします。スリランカの街中で買い物するには、値切るという技術が必要な場合が多いようです。値切ることも「スリランカの文化体験」と割り切って地元の人とのコミュニケーションを楽しんでください。値札がしっかりついているスーパーマーケットやコロンボ市内の有名ショップは値切れません!)値切るのが苦手な方は、スーパーマーケットでお土産を購入することをお勧めします。スパイス、紅茶、アーユルヴェーダを基にしたナチュラルなお薬が、とってもリーズナブルなお値段で購入できますよ。スーパーマーケットは、Ayurveda Pavilionsから、車で15分くらいのところにあります。私は帰りに空港に向かう前に寄ってもらいました。

Ayurveda Pavilionsでは日本からのお客様も多いようで、日本の本がたくさん置いてありました。読書好きの私は、この期間に8冊くらい読んだんじゃないですかね。自分では普段読まない作家さんの作品を読ませて頂いたので、新しい出会いみたいで楽しかったです。

スリランカ
ゆっくり本が読める共有スペース

プールも好きな時間に自由に入れます。私はプールサイドで本を読んでいるのが好きでしたね。風がいつも心地よいです。

スリランカ
風が心地よいプールサイド
スリランカのサンセット
近くのビーチのサンセット

16:00頃からヨガのセルフプラクティスをして、その後近くのビーチに向かってサンセットを見ながら散歩か瞑想をするというのが、なんとなく日課になっていました。19:00くらいに晩御飯を食べ、食後に薬を飲み、22:00にはベットに入る…そんな優雅な生活をしておりました。これほど毎日のんびりするのは、子供の頃の夏休みぐらいぶりでしょうか。そんな時間を過ごすだけでも、今の私たちにとってはものすごく貴重なのではないでしょうか。

次回は、アーユルヴェーダの治療の一環である、食事についてレポートしていきます!

鈴木伸枝
指導者養成の講師としても活躍し、1000人以上のインストラクターを輩出。講師育成や、全国のイベント出演、雑誌監修など、活動は多岐にわたる。鈴木伸枝パーソナルヨガスタジオ-Releace Space-主宰。‘自分を生かすYOGA’をモットーに、自分に意識を向ける時間をつくり、自身で心身をベストコンディションへ導く「自己調整力を引き出すヨガ」を伝えている。Instagram:@nobue.style

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トゥーリング
スリランカ
スリランカ
スリランカのサンセット