本場スリランカのアーユルヴェーダ解毒プログラム「パンチャカルマ」体験レポート ♯2

 本場スリランカのアーユルヴェーダ解毒プログラム「パンチャカルマ」体験レポート ♯2
NOBUE SUZUKI
鈴木伸枝
鈴木伸枝
2019-01-31

本誌『ヨガジャーナル日本版』でもお馴染みの人気ヨガティーチャー鈴木伸枝さんが、スリランカでアーユルヴェーダの解毒プログラム「パンチャカルマ」を体験。スリランカのアーユルヴェーダ事情はもちろん、施術の実体験を通して感じたこと、学んだこと、変化したことをレポートしていただく企画がスタート! アーユルヴェーダに興味がある方、もっと深く知りたい方は必見です。

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こんにちは。鈴木伸枝です。前回のレポート ♯1はスリランカで行われるアーユルヴェーダ治療の特徴や、施設選びのポイントをご紹介しました。今回は、パンチャカルマ初日の様子をお届けします!

パンチャカルマプログラム初日、医師による診断

まずはプログラム内容を決めるために、医師によるコンサルテーション(診断)を受けます。私のコンサルテーションを担当して下さったのは、Dr. デニッシュ・エディリシンハ。Dr. デニッシュの脈診による診断内容は、CTスキャンで検査した時のような詳しさ、そして正確さから、「Dr.CTスキャン」の異名をもつ、アーユルヴェーダの名医です。

パンチャカルマ
診断とトリートメントを行う場所。ドキドキワクワクしながら、診断室へ
Dr. デニッシュ・エディリシンハ
優しい笑顔で迎えて下さる、Dr. デニッシュ

私が滞在した「Jetwing Ayurveda Pavilions」でのコンサルテーションは、基本的に英語で行われます。ホテルには日本語を話すスリランカ人通訳の方が1名いるので、その方にサポートして頂くことも可能です。私は初回のみ通訳に入って頂き、その後は通訳無しで受けていました。先生は日本語を勉強されているらしく、簡単な日本語の単語も交えながら説明をしてくださるので、通訳なしでもコミュニケーションを取ることができました。ただ専門用語の英語はまったくわからないので、Google翻訳を使いました。今回の旅は、本当にGoogle翻訳が大活躍しましたね。

日本では、ほとんど知られていない「ダートゥ」とは?

ダートゥとは、

漿(ラサ)
血液(ラクタ)
筋肉(マーンサ)
脂肪(メーダ)、骨(アスティー)

骨髄と神経(マッジャー)
生殖器官(シュクラ)

の7つから成る、身体を組織する構成要素のこと。

アーユルヴェーダのドクターたちは、ダートゥの状態を見て、どこで生命活動が滞っているかを判断し、その滞りを改善して循環できる状態に戻すためのプログラム(アーユルヴェーダの施術、食事、睡眠、瞑想、飲み薬など)をたてていきます。

どんなに体質に合った食事を取っても、消化・吸収が出来なければ、意味がありません。まずはどこが滞っているのか、消化吸収の機能は働いているかをチェックするそうです。ちなみに、Ayurveda Pavilionsに訪れる日本人の多くは、消化吸収の機能が下がり、上手に栄養摂取できない状態の方が多いそうです。

先生に促され、深呼吸を数回して、診断スタート!

脈診
脈診の様子。アーユルヴェーダの診断は、脈診、問診、視診、触診などを通じて行われます。その中でも最も重要となるのが脈診です。脈診を通じてドーシャやダートゥの状態を判断していきます

今回ご縁があり、アテンドをお任せしたツアー会社の方より、コンサルテーションの時には「先生を信頼し心をできるだけオープンにして、何でも見て~という気持ちで臨んで下さい」とのアドバイスを頂いていました。

なので脈診の最中は、出来るだけ頭を働かせないように瞑想しながら、先生と繋がるような意識で受けるようにしました。もしも初めての場所で、すぐに瞑想するのが難しいという方は、自分の「呼吸」に意識を集中し、とにかくリラックスしてゆったりとした気持ちで脈診を受けるとよいそうです。

脈診では、人差し指、中指、薬指の3本を当て、「Vata(風)、Pitha(火)、Kapha(水)」に区分される体質(ドーシャ)とダートゥの度合いを判断します。ドーシャやダートゥ以外にも、Dr. デニッシュは潜在的に発症の可能性を持つ身体の情報を、脈診を通して感じ取れる場合があるそうです。

そして額に手をあてるというというのが、先生独自の脈診スタイル。

脈診
先生独自の額に手をあてる脈診スタイル

脈診では、相手がリラックスしているかどうかが、非常に重要なのだそうです。しかし初めて会った人の前でリラックスをするというのは、なかなか難しいですよね。より良い診断を追及する過程の中で、相手をリラックスさせるために生み出されたのが、この額に手をかざす方法だそうです。Dr. デニッシュの手を通して、ヒーリングエネルギーを流し、相手がリラックスするのを助けるそうです。相手がリラックスしてきたら、先生も目を閉じ集中し、お互いの波動を合わせて相手の心身の情報を読み取るそうです。なんだかものすごい診断方法ですね。

普通アーユルヴェーダの脈診は30秒くらいなのですが、Dr. デニッシュは3~5分くらいかけて、丁寧に診断されます。この時間は何とも表現しがたい感じですね。確かに私の体になんらかの影響があるのを感じるのです。重たく感じることもあれば、気持ちよく感じることもあります。そして妙な一体感も味わいます。上手に言葉にできないのですが...。

問診
読み取った情報をメモするDr. デニッシュ

その後、読み取った情報を、紙にメモしていきます。目を閉じて何かを探るような表情をし、また書き、今度は宙をぼーっと見るような視線をし、また書き、を繰り返していました。この時の先生は、まるで何かと交信しているかのようでした。この時の先生を見て、私の頭に思い浮かんだのは、シャーマンです。Dr. デニッシュは、シャーマンが神霊と交信するように、私の身体を観ているんじゃないかと私は思っています。

一通りメモが取り終わったら、問診がスタート。私の身体の状態を図解して説明しながら、親族の既往歴や私の過去経験、現在の状態に関して問診を受けます。

まず聞かれたことが、3~5年前、大きなストレスがかかっていなかったか?ということ。...身に覚えありです(汗)その時期に、呼吸が浅く睡眠が十分にとれていなかったことで、脳の一部がダメージを受けていて、そのダメージが今も脳に残っているということでした。トホホ...。ヨガのインストラクターなのに、呼吸が浅いですって...。

またドーパミンの代謝が生まれつき人よりも少ないらしく、複数のことを同時にこなすようなマルチタスクは、脳に負担がかかるから、避けた方が良いとも。マルチタスク得意だと思っていました...。

さらに遺伝的に、糖尿病、コレスレロールに関する疾患のリスクあるそうです。ヨガのおかげか、健康診断の数値は今のところものすごく良いのですが、気をつけていきたいですね。

その他「首を痛めたことはあるか?」との質問も。首を痛めたという記憶は特にないのですが、そういえば体育大学在学中、アクロバットの練習で何回か頭から落ちていました...。どうやら頸椎の間が狭いらしく、頭、首、肩、腕が重たく感じやすく、将来痺れなどがでる可能性もあるとのこと。
「ヘッドスタンドってしても平気ですか?」と質問したところ、今はリスクが大きいから、やらない方が良いとの回答でした。好きなアーサナなのですが、暫くおあずけですね...。

そして、一番改善が必要なのは、予想通り胃腸でした。小さい頃から今まで、ずっと胃腸は弱かったのですね。私が食べてきたものが、どうやら私の体質に合っていなかったようです。胃腸は酸化し、腸は捻じれていて乾燥していて出口のあたりに何かできているそうです。さんざんですね(笑)胃腸さんに大分無理をさせているようです。申し訳ない。たまに腰痛にもなるのですが、その原因の1つにこの腸の状態もあるだろうと、先生は仰ってました。

トリートメント
トリートメントプラン。この診断結果をもとに、私の症状に合わせたトリートメントプランを、先生が組んで下さいます

それにしても、こんなことまで脈診で読み取ることが出来るのかと、驚きの連続でした。これらの診断結果の他にも、自分ではまったく認識していなかった不具合も多々あり、自分が思っている以上に、体にも脳にも負担をかけているのだなと反省しました。

「何もストレスを感じていないって言うけど、体は正直に疲れているって私に教えてくれるよ。」という先生の言葉が重たかったです。

私は20代半ば頃まで、本当に体に無茶させてきたので、その頃に比べたら今はとても健康になったんです。過去と比べたら圧倒的に過ごしやすくなったので、「ストレス無く健康だ!」と思っていましたが、よくよく自分の体を先入観無しで観察すると、頭の疲れや肩こり腰痛を感じたり、胃が痛くなったり、お通じが安定しなかったり、体を重たく感じることが多かったりと、確かに万全では無いのです。

改めて書くと、本当に万全じゃない(笑)この「気づく」ということが、何事でも改善の一歩目ですね。ヨガというものがライフワークに入ったことで、自分を大事にできていると思っていました。しかし診断の結果は「No」でした。これには正直しょんぼりしましたね。今のままでは自分に対するケアが、不充分だということです。過去と比較して今に満足するということを一旦手放して、もう一度自分の生き方を見直すタイミングがきたようです。
言い換えれば、私は今以上に快適になれるし、私の能力は本来こんなものでは無いらしいという発見です。

日本でアーユルヴェーダのお話を聞く時には、ドーシャがとても重要視されるのですが、Dr. デニッシュはあまりドーシャの話をしなかったのが印象的でした。ドーシャの様々な状態が混ざり合って色んな症状が起こるので、ドーシャに分けてお話することはあまりしないのだそうです。気になったので聞いてみたところ、私の体質はVata-Pittaとのことでした。体質というよりは、どのドーシャの乱れが大きいかという感じでお話して下さったのですが、とにかくVataによる不具合が圧倒的に大きく、その次がPitta、そしてKaphaの乱れも少々あるとのことでした。

ドクターが少し心配されていたのは、「日本人の方で、インターネットや本で自分のドーシャを自己判断している方が時々いる」ということ。実際は、ドーシャの判断はそんなに単純なものではなくいろいろな側面から、専門的な知識や経験を用いながら判断する必要があるそうです。自己判断で行い、それを信じて食生活などを頑張っている方などがいて、それは別の意味危険な可能性があるとのことです。基本アーユルヴェーダは医療行為なので、きちんと専門医の問診を受け、きちんとしたドーシャやダートゥ―を知った上で自分の生活改善(食事、睡眠、生活パーターン、生活の仕方など)を行うことが必要だと仰っていました。

終始優しい表情で丁寧にお話して下さったDr. デニッシュ。最後は心のこもったbig hug。先生のあたたかさ、優しさに包まれながらのコンサルテーションは、とても有意義な時間でした。安心して身を委ねる準備がここでしっかり整いました。

次回は、滞在中私がどんな風に日々を過ごしていたかをご紹介します。

お楽しみに!

鈴木伸枝
指導者養成の講師としても活躍し、1000人以上のインストラクターを輩出。講師育成や、全国のイベント出演、雑誌監修など、活動は多岐にわたる。鈴木伸枝パーソナルヨガスタジオ-Releace Space-主宰。‘自分を生かすYOGA’をモットーに、自分に意識を向ける時間をつくり、自身で心身をベストコンディションへ導く「自己調整力を引き出すヨガ」を伝えている。Instagram:@nobue.style

 

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