研究結果が示す「実は体に負担をかけている寝姿勢」とは?神経圧迫や腰痛を引き起こす可能性

研究結果が示す「実は体に負担をかけている寝姿勢」とは?神経圧迫や腰痛を引き起こす可能性
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山口華恵
山口華恵
2026-01-05

夜、あなたはどんな姿勢で眠っているだろうか。うつぶせ、仰向け、横向き、あるいは腕を抱えるように丸まる姿勢。普段何気なく選んでいる寝姿勢が、体に負担をかけ、健康に影響する可能性があることが、専門家の指摘で明らかになった。

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睡眠の質は寝姿勢に左右される

私たちは1日の約3分の1を眠って過ごす。しかし、その眠りが本当に体と心を回復させているかは、意外と見落としがちだ。実は、睡眠の質は布団や枕の快適さだけでなく、どの姿勢で眠るかにも大きく左右される。普段何気なく選んでいる寝姿勢が、肩や腰、さらには神経にまで負担をかけることがあるとしたら、見過ごすわけにはいかない。米ニューヨーク州でクリニカル心理士・行動睡眠専門家として活動するシェルビー・ハリス氏は、「本人が快適に眠れているかどうかは重要ですが、長時間同じ姿勢でいると、筋肉や靭帯だけでなく神経にも負担がかかり、朝のだるさや痛みとして現れることがあります」と指摘する。

「T・レックスポジション」に潜む神経圧迫

特に注意が必要なのは、腕を曲げて胸や枕の下に入れる「T・レックスポジション」と呼ばれる姿勢だ。専門家によれば、寝ている間に腕がしびれる場合、神経圧迫が原因であることが多いという。2023年のレビュー研究では、肘を強く曲げたり枕の下に入れる寝方が、肘部管症候群の症状を悪化させる可能性があると報告されている。症状は前腕や手にしびれや痛みとして現れることが多い。ハリス氏は「寝ている間に肘が曲がったままだと、神経に持続的な圧力がかかり、朝起きたときに痛みやしびれを感じやすくなります」と説明する。こうした症状は、寝姿勢を改善することで和らぐ場合もある。

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仰向け寝やうつぶせ寝はメリットとデメリットがある

仰向けで寝ると、腕への圧迫は避けられ、神経への負担は少ない。しかし、アメリカの非営利団体「Sleep Foundation」によると、仰向け寝は逆流性食道炎やいびきのリスクを高める場合がある。長時間仰向けで寝返りを打たずに眠ることは、体への別の負担となるため、メリットとデメリットを理解して寝ることが重要だ。一方、うつぶせ寝は呼吸のために頭を左右に向ける必要があり、背骨の配列が崩れやすく、首や肩、腰に痛みを生じやすいと「Sleep Foundation」は報告している。一方で、うつぶせ寝はいびきを減らす効果があるとされる。

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横向き寝は多くの人に向いている

最も一般的な寝姿勢は横向きだ。医療情報サイト「Harvard Health」は「横向き寝は多くの人にとって快適で、体への負担も少ない」と説明している。また、ミネソタ州にあるマヨ・クリニックは腰痛予防の観点から、膝を軽く曲げ、枕を膝の間に挟む横向き寝を推奨している。この姿勢により、背骨や骨盤、股関節のバランスが整い、腰への負担を減らせるという。さらに、ジョンズ・ホプキンス大学医学部によると、年を取ったり病気がある場合は、寝る姿勢によって体への負担が変わるため、仰向けや横向きで寝る方が体にやさしく、安定して休めるとされている。

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寝姿勢を見直して整えれば、快適な眠りが手に入る

朝起きた直後の肩こりや腕のしびれは寝姿勢の見直しサインかもしれない。シェルビー・ハリス氏は「寝姿勢は心理状態やストレスとは関係ありません。体の使い方や寝具など、物理的な工夫で改善できることは多いです」と断言している。神経の圧迫、腰や肩への負担、いびきや逆流性食道炎は、普段何気なく選んでいる寝姿勢に潜む健康リスクだ。自分の体に合った寝姿勢や腕・脚の位置、枕やマットレスの調整などを少しずつ見直して、快適な眠りを手に入れよう。

出典:
Popular sleep positions could be damaging your nerves, according to experts
Experts warn your preferred sleep position could be harming your health in multiple ways

Is your sleep position helping or hurting you?

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