「肝腎(かんじん)要」とはよく言ったもの。“沈黙の2臓器”が体の老化を左右する、って本当?医師が解説
「肝心(肝腎)要」ということわざ、なんとなく使っている人は多いと思いますが、実はこれ、“肝臓と腎臓って大事だよ”という身体の仕組みにもつながっているから面白いんです。肝臓も腎臓も、普段あまり文句を言わない“沈黙の臓器”。痛みを出したり自己主張したりしないので、気づいた頃にはヘトヘト…なんてことも。医師が解説します。
「沈黙の臓器」って、実はめちゃくちゃ働き者
まず肝臓。
食べ物の栄養を処理したり、毒素を解毒したり、脂肪を分解したり、なんならホルモンの調整にまで関わっているスーパーマルチタスク臓器です。肝臓が元気じゃないと、お酒だけじゃなく、食事でも体がしんどくなるのはこのせい。
一方、腎臓はというと、血液を“濾過するフィルター”みたいな存在。余計な水分や老廃物を尿として出してくれるだけじゃなく、血圧や電解質のバランスも管理している、まさに職人気質の臓器です。
この“静かに働く2トップ”が疲れはじめると、体の調子がなんとなく落ちてくる。
肩こりやむくみ、だるさ、疲れやすさ…これらの中には、肝臓や腎臓のサインが紛れていることも珍しくありません。
肝臓と腎臓はタッグを組んでいる?老化が加速するワケ
肝臓と腎臓って、働くジャンルは少し違うのに、実はめちゃくちゃチームワークがいいんです。肝臓がきちんと代謝できていないと、腎臓に“解毒しきれていない物質”が流れ込み、フィルターとしての負担が増えます。逆に腎臓が弱っていると、体の中に老廃物が残りやすくなり、その影響が肝臓の働きにも波及します。
肝臓が疲れる → 腎臓も大変
腎臓が弱る → 肝臓にも負荷
つまり、運命共同体みたいな関係です。
そして、この2つの臓器がダメージを受けると、体全体の“老化スピード”がグッと加速してしまいます。
たとえば肝臓が弱ると以下のような状態に陥りがち。
- 疲れが取れない
- 肌が荒れる
- 眠れない
- ストレス耐性が落ちる
腎臓が弱ると、以下などが現れやすくなります。
- むくみ
- 血圧が上がりやすい
- 冷えやだるさ
- 集中力の低下
さらに両方の臓器に共通しているのが“炎症”。
内臓の深い場所でじわじわと炎症が続くと、血管や細胞の老化が早く進んでしまいます。
実際、40〜60代が「なんとなく老けた気がする」「昔より疲れる」「肌の回復が遅い」と感じる原因の一部には、肝臓や腎臓の機能低下が絡んでいることがあります。
さらに、ストレスや睡眠不足、加工食品の多い食習慣、お酒、運動不足…。
こうした生活のクセが、肝臓や腎臓に地味なダメージを重ね続けてしまうのです。
“沈黙の臓器が悲鳴を上げてるのに、声が聞こえない”
そういう状況が起きやすいからこそ、気づいた時にケアしてあげることが大切なんですね。
まとめ:肝臓と腎臓をいたわることが、“若さの底力”になる
肝臓と腎臓は、普段あまり存在をアピールしない地味な臓器ですが、体のコンディションを左右する“要の2つ”です。ここが元気だと、疲れにくい、むくみにくい、肌の調子が整う、気力が湧いてくる…といった“体の底力”が自然と上がります。
今日からできるケアは難しくありません。
- 水分をこまめにとって腎臓の負担を軽くする
- アルコールや甘い飲み物を控えめに
- タンパク質や野菜をバランスよく
- 睡眠をしっかりとる
- ストレスのガス抜きを日常に取り入れる
- 適度に体を動かす
どれも特別なことじゃないのに、肝臓と腎臓にはちゃんと効きます。
身体の“年齢”って、意外と見た目よりもこうした内臓の働きで決まったりします。
肝腎(かんじん)要、とはまさにその通り。あなたの毎日の元気を支えてくれている2つの沈黙の臓器。
ときどき思い出して、そっと労わってあげるだけで、体は驚くほど応えてくれます。
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