「肝腎(かんじん)要」とはよく言ったもの。“沈黙の2臓器”が体の老化を左右する、って本当?医師が解説

「肝腎(かんじん)要」とはよく言ったもの。“沈黙の2臓器”が体の老化を左右する、って本当?医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-11-13

「肝心(肝腎)要」ということわざ、なんとなく使っている人は多いと思いますが、実はこれ、“肝臓と腎臓って大事だよ”という身体の仕組みにもつながっているから面白いんです。肝臓も腎臓も、普段あまり文句を言わない“沈黙の臓器”。痛みを出したり自己主張したりしないので、気づいた頃にはヘトヘト…なんてことも。医師が解説します。

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「沈黙の臓器」って、実はめちゃくちゃ働き者

まず肝臓。

食べ物の栄養を処理したり、毒素を解毒したり、脂肪を分解したり、なんならホルモンの調整にまで関わっているスーパーマルチタスク臓器です。肝臓が元気じゃないと、お酒だけじゃなく、食事でも体がしんどくなるのはこのせい。

一方、腎臓はというと、血液を“濾過するフィルター”みたいな存在。余計な水分や老廃物を尿として出してくれるだけじゃなく、血圧や電解質のバランスも管理している、まさに職人気質の臓器です。

この“静かに働く2トップ”が疲れはじめると、体の調子がなんとなく落ちてくる。

肩こりやむくみ、だるさ、疲れやすさ…これらの中には、肝臓や腎臓のサインが紛れていることも珍しくありません。

肝臓と腎臓はタッグを組んでいる?老化が加速するワケ

肝臓と腎臓って、働くジャンルは少し違うのに、実はめちゃくちゃチームワークがいいんです。肝臓がきちんと代謝できていないと、腎臓に“解毒しきれていない物質”が流れ込み、フィルターとしての負担が増えます。逆に腎臓が弱っていると、体の中に老廃物が残りやすくなり、その影響が肝臓の働きにも波及します。

肝臓が疲れる → 腎臓も大変
腎臓が弱る → 肝臓にも負荷

つまり、運命共同体みたいな関係です。

そして、この2つの臓器がダメージを受けると、体全体の“老化スピード”がグッと加速してしまいます。

たとえば肝臓が弱ると以下のような状態に陥りがち。

  • 疲れが取れない
  • 肌が荒れる
  • 眠れない
  • ストレス耐性が落ちる

腎臓が弱ると、以下などが現れやすくなります。

  • むくみ
  • 血圧が上がりやすい
  • 冷えやだるさ
  • 集中力の低下

さらに両方の臓器に共通しているのが“炎症”。
内臓の深い場所でじわじわと炎症が続くと、血管や細胞の老化が早く進んでしまいます。

肝臓と腎臓
イラスト/Adobe Stock

実際、40〜60代が「なんとなく老けた気がする」「昔より疲れる」「肌の回復が遅い」と感じる原因の一部には、肝臓や腎臓の機能低下が絡んでいることがあります。

さらに、ストレスや睡眠不足、加工食品の多い食習慣、お酒、運動不足…。
こうした生活のクセが、肝臓や腎臓に地味なダメージを重ね続けてしまうのです。

“沈黙の臓器が悲鳴を上げてるのに、声が聞こえない”

そういう状況が起きやすいからこそ、気づいた時にケアしてあげることが大切なんですね。

まとめ:肝臓と腎臓をいたわることが、“若さの底力”になる

肝臓と腎臓は、普段あまり存在をアピールしない地味な臓器ですが、体のコンディションを左右する“要の2つ”です。ここが元気だと、疲れにくい、むくみにくい、肌の調子が整う、気力が湧いてくる…といった“体の底力”が自然と上がります。

今日からできるケアは難しくありません。

  • 水分をこまめにとって腎臓の負担を軽くする
  • アルコールや甘い飲み物を控えめに
  • タンパク質や野菜をバランスよく
  • 睡眠をしっかりとる
  • ストレスのガス抜きを日常に取り入れる
  • 適度に体を動かす

どれも特別なことじゃないのに、肝臓と腎臓にはちゃんと効きます。

身体の“年齢”って、意外と見た目よりもこうした内臓の働きで決まったりします。

肝腎(かんじん)要、とはまさにその通り。あなたの毎日の元気を支えてくれている2つの沈黙の臓器。

ときどき思い出して、そっと労わってあげるだけで、体は驚くほど応えてくれます。

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