医師が教える〈腎臓が弱っているサイン〉とは?腎臓は我慢強い臓器。だからこそ知っておきたいこと

医師が教える〈腎臓が弱っているサイン〉とは?腎臓は我慢強い臓器。だからこそ知っておきたいこと
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-09-15

「ちょっと最近体調が変かも…」と感じたら、腎臓に原因があるかもしれません。 腎臓は不調があってもなかなか自覚症状が出にくいもの。気がついた時には「えっ!? もうそんなに悪くなっていたの!?」ということも珍しくありません。腎臓が弱ってきたときに現れるサインや早めにできる対策を、医師が解説します。

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腎臓が弱っているサインとは?

腎臓は、血液の中にあるいらないものや余分な水分をろ過して、尿として外に出す仕事をしています。言ってしまえば、“体のお掃除屋さん”みたいなものです。

さらに、血圧をちょうどいい状態に保ったり、体内の水分や塩分のバランスを整えたりと、縁の下の力持ち的な役割も担っています。

腎臓はとにかく我慢強い臓器なので、多少のダメージでは痛みも出ず、静かに働き続けます。

だからこそ、小さな変化を見逃さないことが大切です。

ここでは、腎臓がSOSを出しているときによく見られるサインを紹介します。

むくみが続く

「朝起きたら顔がパンパン…」「夕方になると足首が靴下の跡でくっきり…」、といったことはありませんか?

こうしたむくみが「最近なんだかずっと続いているな」と感じるときは注意が必要です。

むくみ自体は、塩分を摂りすぎたり長時間立ちっぱなしでも起きます。

でも、腎臓が弱って余分な水分を体の外に出せなくなると、むくみが慢性的になってきます。

特に、足首やまぶたの腫れがなかなか引かないのは要チェックです。

尿の変化

尿は腎臓からの“お知らせ”です。普段から色や量を少し意識してみましょう。

  • 泡立ちがなかなか消えない
  • 赤っぽい色、または濁りがある
  • 急に回数が増えた、もしくは極端に減った
  • 量が明らかに少ない、または多すぎる

こうした変化は、腎臓のろ過機能がうまく働いていない可能性があります。

特に「最近尿の様子がなんか変だな」と感じたら、早めに受診しましょう。

疲れが取れない

しっかり寝たはずなのに、朝からだるい…という経験はありませんか?

これは老廃物が体に溜まって、血液の質が悪くなっているサインかもしれません。

腎臓がうまく働かないと、血液中の“ゴミ”がうまく処理されず、疲れが取れにくくなります。

「歳のせいかな」と思っていたら、実は腎臓が原因だった、ということもよくあります。

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血圧が急に上がった

腎臓は血圧をコントロールする役割もあるため、腎臓が弱ると血圧が乱れやすくなります。

薬を飲んでもなかなか下がらない、突然高血圧になったというときは、腎臓に問題が隠れている可能性もあります。

食欲がない・吐き気がする

腎臓が弱ると、体に老廃物が溜まりやすくなり、消化器にも影響が出ます。

「最近、食欲がない」「ちょっとしたことで吐き気がする」という症状が続くときは、腎臓からのSOSかもしれません。

腎臓が弱っている時の対処法とは

腎臓が弱っているサインに気づいたら、まずは慌てず落ち着いて行動しましょう。

ここでは、すぐにできる対策と、医療機関での対応についてお伝えします。

1.まずは受診!これが第一歩

体調の変化に気づいたら、自己判断せずにまずは病院へ

腎臓の状態は、血液検査や尿検査で簡単にチェックできます。

特に、むくみや尿の異常が続いているときは、早めの受診が安心です。

2.食事を見直す

腎臓にやさしい食事の基本は減塩です。

塩分が多いと腎臓に負担がかかり、血圧も上がりやすくなります。

味付けは「かける」より「つける」を意識すると、自然と塩分を減らせます。

さらに、たんぱく質の量にも気をつけましょう。

体に必要な分は摂るべきですが、過剰に摂りすぎると腎臓がフル稼働することになり、疲れてしまいます。

管理栄養士に相談できるとベストです。

3.水分補給は“ちょうどよく”

「水分はたくさん摂ればいい」というわけではありません。

腎臓の状態によっては、水分の摂りすぎが逆効果になる場合もあります。

自分に合った適切な水分量は、必ず医師に確認しておきましょう。

4.生活習慣を少しずつ改善

腎臓のためにできることは、特別なことばかりではありません。

  • 軽めの運動を習慣にする(ウォーキングがおすすめ)
  • しっかり眠る
  • ストレスを溜めすぎない

こうした基本的なことをコツコツ続けるだけでも、腎臓への負担を減らせます。

5.医師の指示に従う

腎臓の病気が進んでいる場合、薬を飲んだり食事制限が必要になることもあります。

「ちょっと面倒だな」と思って自己判断でやめるのは危険です。

医師とよく相談しながら、無理のない範囲で治療を続けていきましょう。

まとめ

腎臓は、黙々と働いてくれる“縁の下の力持ち”のような臓器です。

でも、その分だけ不調があっても気づきにくいという厄介な特徴があります。

こんなサインが出ていないか、改めてチェックしてみましょう。

□ むくみが続く

□ 尿の色や量がおかしい

□ 疲れが全然取れない

□ 血圧が急に上がった

□ 食欲が落ちたり吐き気がある

もし当てはまるものがあれば、腎臓が「助けて!」と叫んでいるのかもしれません。

腎臓は、一度ダメージを受けると元に戻すのが難しい臓器です。

だからこそ、早めに気づいてケアすることが何より大切です。

普段の生活習慣を少しずつ見直し、腎臓に優しい暮らしを心がけましょう。

「最近ちょっとおかしいな」と思ったら、その小さな違和感が腎臓からの大事なメッセージかもしれませんよ。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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