ダイエットの真実…運動だけでは痩せない!肥満の原因は“超加工食品”!?【最新科学が解明】
「痩せるためには運動が大切」─これは長らく信じられてきた“常識”だが、最新の国際的な研究結果がこの考えを大きく覆した。肥満の主な原因は実は「運動不足」ではなく、「食べすぎ」、とくに「超加工食品の過剰摂取」にあるというのだ。
運動してもしなくても、1日の消費カロリーはあまり変わらない
アメリカの科学誌『PNAS(米国科学アカデミー紀要)』に発表された今回の研究では、世界34カ国、4,000人以上を対象に、1日のカロリー消費や体脂肪などを詳細に調査した。その結果、驚くべき事実が明らかになった。研究チームは、日常的に体をよく動かす人から、ほとんど座って過ごす都市部のオフィスワーカーまで、さまざまな生活を送る人々を調査した。その結果、体格の違いを調整して比較すると、どの人も1日に使うカロリーはほとんど同じであることがわかった。つまり、たくさん動いている人でも、体はその分ほかの働き(免疫やホルモンなど)を抑えることで、全体の消費カロリーを一定に保とうとする。このしくみは「制限エネルギーモデル」と呼ばれ、人間の体は、どれだけ動いても“ある範囲内”のカロリーしか使わないようにできているのだ。
肥満の真犯人は「摂取カロリーの増加」
研究の著者たちは、「肥満の最大の要因は『カロリーの取りすぎ』であり、これは運動不足よりも10倍以上の影響力がある」と指摘している。この背景にあるのが、「超加工食品」の急増だ。スナック菓子、冷凍食品、ファストフードなどに代表されるこれらの食品は、人工的な味付けや食感によって“もっと食べたい”と感じさせるように作られており、満腹感を得にくいという特徴がある。さらに、少量で高カロリー、吸収が早いため、体に脂肪として蓄積されやすい。加えて、保存料や人工甘味料、過剰な糖分・脂質などが炎症を引き起こし、代謝を乱すこともわかってきている。
「運動」は健康維持には不可欠。でも“痩せる”には不十分
もちろん、運動が不要というわけではない。運動は心臓や血管の健康、メンタルの安定、筋肉や骨の維持に大きな役割を果たす。しかし、「カロリーを消費するため」だけに運動するのは、あまり効率的とはいえないのだ。神経外科医のブレット・オズボーン医師は、「運動だけで体重をコントロールしようとするのは非現実的。むしろ、栄養バランスと筋肉量の維持が鍵」と語る。筋肉をつけることで代謝が上がり、長期的には脂肪が燃えやすい体になる。
痩せたいなら、まずは『食事内容と量』をチェック
フロリダ州の栄養士リンジー・アレン氏も、「運動量よりも、食べるものとその量を見直すことが、体重管理の第一歩。まずは、何をどれだけ食べているのかを意識すること。そして、できるだけ自然な状態に近い食品を選び、加工食品は“たまの楽しみ”にとどめることが重要です」と強調する。特に現代社会はストレスや睡眠不足などの影響で過食になりやすく、その多くが栄養価の低い加工食品に偏りがちだ。
健康のために運動は欠かせないが、体重を減らしたいなら、まず取り組むべきは“食事管理”だ。「食べた分、動けばいい」という考えは、残念ながら幻想にすぎない。むしろ「何を食べるか」「どれだけ食べるか」にこそ、体型を決定づける鍵があるの。まずはスーパーでの買い物や冷蔵庫の中身を見直すことからはじめてみよう。
出典:
New study links obesity to diet, not lack of exercise
Study reveals primary cause of obesity — and it’s not lack of exercise
You can't outrun a bad diet. Food — not lack of exercise — fuels obesity, study finds
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