肥満や生活習慣病リスクを高めるNG食行動から卒業!”マインドフルイーティング”を管理栄養士が解説


「イライラした時、ついジャンクフードを食べ過ぎてしまう」といったお悩みはありませんか。健康管理のために食事を意識することは大切ですが、「何をどのくらい食べるか」だけでなく、「どのように食べるか」にも目を向けることが重要です。今回は、肥満(※)でNG食行動に悩んでいる方に向けて、「マインドフルイーティング」について解説します。 ※肥満とは、体格を表す指標Body Mass Index(BMI)([体重(kg)]÷[身長(m)の2乗])が25以上[1]
NG食行動とは?
無意識のうちに行ってしまいがちな「NG食行動」のうちの一つに、次のようなものがあります。
イライラや不安などを感じた時に、気持ちを落ち着かせるため、ジャンクフードなどをたくさん食べる。
こうした食行動を手放せずにいると、肥満を改善することができず、生活習慣病のリスクを高めるおそれがあります[2]。

マインドフルイーティングとは?
マインドフルイーティングの基本となる考え方は、「マインドフルネス」です。
マインドフルネスとは?
「今この瞬間」に意識を向け、目の前のことをじっくり味わうことを指します。これを食事に応用したものが「マインドフルイーティング」です。
マインドフルイーティングのポイント
マインドフルイーティングにははっきりとした定義はありませんが、共通するポイントがあります[3]。
・食事に集中する
・五感を使って食べる(色・香り・食感・味わいを楽しむ)
・空腹や満腹のサインに気づく
・感情に振り回されずに食べる
マインドフルイーティングのメリット
肥満の成人を対象とした研究によると、マインドフルイーティングは、イライラや不安など否定的な感情により食べ過ぎてしまう食行動の改善に役立つ可能性があることが示唆されています[2]。マインドフルイーティングを実践することで、健康的な体型と心の安定を手に入れることができるかもしれません。
マインドフルイーティングの実践方法
決まった方法はありませんが、共通する方法は以下の通りです[3]。
具体的な実践方法
・「甘いものが食べたい」「ジャンクフードが食べたい」と感じた時、その気持ちをじっくり観察し、本当に必要かを考える
・食べている途中で「今お腹はどれくらい満たされているか?」を確認する
・食べ物の香り、食感、味に意識を向ける
・食べるスピードを遅くする
忙しい人でもできる簡単な実践方法
最初は1回の食事から意識して取り組んでみるとよいでしょう。「ながら食べをやめて、しっかり味わう」ことを始めてみてはいかがでしょうか。

無理な制限ではなく、心と体に向き合う食習慣を
マインドフルイーティングを取り入れることで、NG食行動を手放すことができるかもしれません。自分の心と体に向き合うことが大切です。健康管理のために、日々の生活の中で取り入れてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】(すべて2025年3月3日閲覧)
[1] 一般社団法人日本肥満学会, 肥満症診療ガイドライン2022
[2] Smith J, Ang XQ, Giles EL, Traviss-Turner G. Emotional Eating Interventions for Adults Living with Overweight or Obesity: A Systematic Review and Meta-Analysis. Int J Environ Res Public Health. 2023 Feb 3;20(3):2722.
[3] Warren JM, Smith N, Ashwell M. A structured literature review on the role of mindfulness, mindful eating and intuitive eating in changing eating behaviours: effectiveness and associated potential mechanisms. Nutrition Research Reviews. 2017;30(2):272-283.
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