【生活習慣病・肥満・便秘の予防・改善に効果大】主食を工夫するだけ「簡単食物繊維アップ術」

 【生活習慣病・肥満・便秘の予防・改善に効果大】主食を工夫するだけ「簡単食物繊維アップ術」
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和田 梓
和田 梓
2023-06-19

「食物繊維=便秘改善」というイメージがある方。食物繊維を摂るメリットは便秘だけではないんです。生活習慣病、肥満、便秘…など現代人が抱える様々な悩みに大きく関わっています。そこで食物繊維を摂ることにどのようなメリットがあるのか、どうやったら簡単に摂れるのかをご紹介します。

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食物繊維はなぜ必要?

食物繊維は炭水化物の一種で、食べても身体に吸収されないものをいいます。水に溶ける水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類に分けられます。昔は食物繊維は「食べ物のカス」、つまりいらないものと捉えられていました。しかし近年は研究が進み、今では第6の栄養素として考えられるようになりました。

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ではどのようなメリットがあるかというと

①糖尿病予防

糖質と一緒に食物繊維を摂ると、糖質の消化を緩やかにし、血糖値の急上昇を防いでくれます。

②肥満予防

食物繊維が多いものは噛み応えがあるものが多く、噛む回数が増えたり、食事を食べるスピードがゆっくりに。早食いや食べ過ぎを防ぎ、肥満の予防に繋がります。

③便秘改善

果物や繊維の柔らかい野菜に含まれる水溶性食物繊維は、腸内の善玉菌を増やしたり、便を柔らかくする作用があります。一方、根菜やきのこに多く含まれる不溶性食物繊維は、便の量を増やして、腸の運動を活発化させてくれる働きが。

④動脈硬化予防

食物繊維は食べ物に含まれる脂質やコレステロールの吸収を緩やかにし、動脈効果の改善に役立つと言われています。

上記以外でも、欧米では一日あたり食物繊維を24g以上摂取することで、心筋梗塞、脳卒中、2型糖尿病、乳がん、胃がん、大腸がんなどの発症リスク低下が観察されるとの研究報告があり、様々な病気との関わりが判明されつつあります。現代人が抱える様々な病気と食物繊維は深い繋がりがあるのですね。

現代人は食物繊維不足

メリットの多い食物繊維ですが、実際はどれくらい摂れているのでしょう?厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」では、女性は18 g以上、男性は21 g以上(ともに18~64歳の場合)を食物繊維の摂取目標量として定めています。

しかし実際は1950年頃には一人あたり一日20gを超えていましたが、最近の報告だと一日あたり14g前後と推定されています。その理由は、食の欧米化や糖質制限などによって、穀類・いも類・豆類の摂取量が減っていることが考えられます。

主食の選び方で 手軽に食物繊維UP

ではどうやって食物繊維を摂ればいいのでしょうか?野菜やきのこ、海藻などをたくさん食べることも一つの手ですが、一番簡単なのが主食の選び方を工夫すること。主食は一度に食べる量が多く、毎食食べるので、手軽に食物繊維が摂れやすいのです。

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具体的に選び方を変えるとどれくらい増えるかというと、

①白米(150g)を発芽玄米(150g)にする→食物繊維が0.4gアップ

②食パン(6枚切り2枚)を全粒粉パン(6枚切り2枚)にする→食物繊維が1.8gアップ

③うどん(200g)をそば(200g)にする→食物繊維が3.2gアップ

④うどん(200g)をパスタ(200g)にする→食物繊維が3.4gアップ

そばやパスタが食物繊維が多いのは意外ではないでしょうか。選び方を工夫するだけなので、実践しやすく、続けやすいですよ。是非、主食を選ぶ時の参考にしてみてください。

<参考元>

厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)

文部科学省 日本食品標準成分表2020年版(八訂)

厚生労働省 e-ヘルスネット 便秘と食習慣

厚生労働省 e-ヘルスネット 食物繊維の必要性と健康

 

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AUTHOR

和田 梓

和田 梓

管理栄養士。これまでヘルスケアIT企業にて、ダイエット・糖尿病・IBD・CKDなど、幅広い悩みに向けたレシピ開発を100件以上行う。その他、記事執筆、WEBページの企画・編集、保健指導などに従事。ハーブやスパイスを使った創作家庭料理が得意。



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