最新研究が示唆!性格特性に合わせた運動選びで、ストレス軽減や健康効果を最大化できる可能性
新たな研究では、性格特性と運動の種類との関連性が明らかになった。運動習慣を性格に合わせることで、より一貫性のある効果的な結果が得られる可能性があると研究者らは述べている。
性格特性が運動の楽しみ方に与える影響
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究チームは、一般市民から132人のボランティアを募集し、8週間の調査を実施した。参加者は、「休息・対照群」(通常の生活習慣を維持し、週に10分のストレッチ運動を実施するグループ)と、「介入群」(自宅でサイクリングと筋力トレーニングを実施するグループ)に分けられた。参加者のストレスレベルは1から10のスケールで評価し、各個人の主要な性格特性はビッグファイブモデルを用いて評価した。ビッグファイブモデルは、スポーツと運動心理学の分野で広く用いられる性格検査であり、外向性(社交的)、神経症傾向(心配しやすい)、誠実性(勤勉、責任感が強い)、協調性(他者との協調性が高い)、開放性(好奇心が強い)のどれが優位特性であるか分類する。
運動プログラム中、参加者は各運動セッションの楽しさを評価し、プログラム開始時と終了時に身体活動レベルの測定が行われた。しかし、外向性が高い人ほど追跡検査を完了する傾向が低く、プログラムを完了したのは86名となった。完了した参加者は全員、性格に関わらず、身体的により健康で強くなった。
すべての性格特性が運動の楽しみ方と関連していたわけではなかったが、いくつかの関連性が明らかになった。
- 外向性:高強度の運動を好む。他の人がいる状況も楽しむ。(HIITやチームスポーツなど)
- 神経症傾向:長時間努力を継続するものよりも、短時間の運動を集中してこなすことを好む。プライベートなセッションを好む。
- 誠実性:ジムなどの体系化されスケジュールに基づいた活動に惹かれる傾向。(組織的で目標志向な性格に合っている。)
- 協調性:一定時間の運動を行うことは楽しむが、低強度を好む。
- 開放性:その運動への興味の度合いに関わらず、異なる運動を試すことに前向き。過酷で高強度な運動を他のグループよりも低く評価する傾向。
誠実性は特定の運動形態の楽しみ度合いの予測因子とはならなかった。これは真面目で責任感の強い人々の運動における動機や重視するものが、楽しみよりも健康効果にある傾向があるからだと研究者らは述べている。そのため、継続の理由は「楽しいから」よりも「健康に良いから」だろうと示唆している。
性格特性と運動がストレスに与える影響
研究の開始時における「休息・対照群」と「介入群」のストレスレベルは類似していた。しかし、神経症傾向の高いスコアを示したグループのみ、運動後にストレスレベルが有意に低下した。UCL認知神経科学研究所の研究者であるポール・バーグス教授は「神経症傾向のスコアが高い人々は、研究で推奨された運動を実施した際に、特に顕著なストレスの軽減を示しました。これは、この性格特性を有する人々にストレス軽減の特別な恩恵がある可能性を示唆しています。」と述べている。
身体活動レベルを向上させるために
この研究の筆頭著者であるUCLの准教授フラミニア・ロンカ博士は、運動プログラムを自分の性格特性に合わせることは「運動効果と全般的な健康状態を最も高める可能性」があるとし、「自分自身、そして患者の性格を理解することは、運動習慣を持続可能にするための、個人に合わせた提案に役立つでしょう。」と述べている。
新しい種類の運動を試したい場合は、自分の性格の特徴と、通常好む活動の種類について考えてみることを専門家らは推奨している。「その運動によって元気になりますか?落ち着きますか?それとも他のことをする気力がないほど疲れますか?」「筋力トレーニングの後やヨガやランニングの後、どのように感じるか注意深く観察することには価値があるでしょう。」とロンカ博士は述べる。
研究者らは、活動レベルを向上させるために最も重要なことは、楽しむことができるものを見つけることであり、それにより継続する可能性が高まると結論付けている。
出典
https://www.ucl.ac.uk/news/2025/jul/personality-type-can-predict-which-forms-exercise-people-enjoy
https://www.health.com/personality-traits-workout-preferences-study-11766648
https://www.nbcnews.com/health/health-news/workout-exercise-commitment-personality-study-rcna217288
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