坐骨&骨盤底の〈線と点の意識〉から始めよう!骨盤底筋群のひきあげ「はじめの一歩」
今回は、呼吸の際、横隔膜と連動して働く骨盤底筋群について。会陰が意識できない、引き上げの感覚がわからない方も、骨盤底のラインを意識したり、おなかの動きを感じ取るところからはじめてみましょう。
インナーマッスルのひとつ、骨盤底筋群
骨盤底筋群は自転車に乗ったときにサドルがあたる位置にあり、上層(骨盤隔膜)、中層(尿生殖隔膜)、下層(括約筋・勃起筋)と、層になってたくさんの筋肉で形成される筋肉群です。臓器を支える役割をしていて、排尿や排便、性交、出産など様々な場面で働きます。骨盤底筋群は、横隔膜を覆っている腹膜がそのまま骨盤腔内膜に繋がっており、呼吸の際にも活動します。
会陰を意識してみよう
骨盤底筋の中でなかでも注目してほしい箇所が会陰です。 会陰は肛門の5ミリ程前側の位置にあり(女性の場合は肛門と膣口の間の位置) 骨盤底筋群のたくさんの筋肉が交差する箇所で、ひき上げる感覚ができるようになると、骨盤が安定し、姿勢や血流もよくなります。美しいくびれ作りや呼吸の質も高めることにも繋がります。
会陰や腟を意識するのが難しい場合は
会陰を一点で意識するのが難しい場合は、まずは、尿道、膣口、肛門が並ぶ縦のラインを意識して練習していき、慣れて来てからピンポイントで意識することに移行していっても〇
1,まずは、中央のラインを意識することからはじめてみてください。ハンカチを筒状に丸めて縦に(正中面(矢状面)方向)に置き、その上に安楽座※になって座ってみましょう。骨盤底筋群の真ん中を意識しやすくなります。 引き上げの際も会陰に向かってつまみあげる感覚が難しければ、まずはハンカチに向かって、両サイドから内側に集める意識からはじめてみましょう。※安楽座が苦手な方は椅子に座って行ってもOK
2,次にハンカチの上に座ったまま、まずおしっこを我慢するときのように引き締めて尿道を感じ取ってみます。次に肛門を締めてみて、肛門の位置を感じ取ります。その間にあるのが腟口です。腟口と肛門の間はこのあたりだなと、会陰を感じる練習をしてみましょう。呼吸法の練習前に洋服の上から会陰に軽く触れるのも、意識しやすくなりおすすめです。
呼吸に合わせてひきあげてみましょう
尿道や肛門は多少姿勢が崩れていても引き締める感覚までは持てますが、腰が丸まっているなど姿勢が悪いと会陰を引き上げることはできません。できているつもりでもおしりに力が入っているだけで、あまり骨盤底筋群は動いていない場合も。
骨盤底筋群の引き上げは、立っていても座っていても横になっても行うことができ、初心者の方には寝た状態での方法を教えることが多いのですが、今回は、骨盤の向きを確認しやすい座位での練習法をお伝えしていきます。
1,安楽座で座ります。
※股関節または体幹部の硬さから安楽座が苦手な方は骨盤が傾きずぎる傾向にあるので、クッションをおしりの後ろ側にしいて補助するか、脚を組まずに椅子に座って実践してもOK
2,おしりを左右にゆすって、座面に坐骨をたてるようにしましょう。腰や背中が丸まっていると、仙骨が座面に近づきすぎて坐骨が座面に当たらず、肋骨や胸を前につきだしすぎていると坐骨が浮き気味になり脚や腰がりきみます。お腹をやさしく上に引き上げ、頭頂部にある百会(鼻の真ん中と耳の付け根の一番上から頭頂に向かって上った交点)が天井に方向に吊られるような意識で、腰をゆすって坐骨を立てましょう。
3,腹式呼吸で鼻から息を吐いて、お腹が凹むときに一緒に会陰を百会に向かってつまみあげるように集めて引き上げます。うまくできると骨盤底筋群が収縮し、坐骨が内側に少し寄るような感覚が得られます。吸ったときは骨盤底筋群がハンモックのようにうけとめるイメージでゆるめます。 こまめに練習していくと少しずつ感覚をつかめるようになるので、焦らずに姿勢に気を付けて実践してみましょう。※お腹の動きが感じ取りにくいときは、吐く息は口で細く強めに吐くと、お腹が凹んでいく感覚が感じ取りやすくなります。
4,慣れてきたら呼吸を早めに行って、すばやく収縮したり、できるだけゆっくり呼吸して、吐いている間ひき上げ続けるなど、呼吸のペースを変えてみましょう。吸う時は必ずゆるめることを忘れずに行ってみましょう。
※骨盤底筋群は深層にある筋肉と連動して働きます。その中の一つの横隔膜との連動の仕方(息を吸うと横隔膜が下がり肺に十分スペースをつくる、骨盤底はハンモックのように受け止める、息を吐くと横隔膜が持ち上がり、骨盤底筋群も連動して持ち上がる)をイメージしながら行うと、吐くときに骨盤底筋群が上に引きあがるのが理解しやすくなります。
今回は、お腹の動きや骨盤底筋群の感覚がつかみにくい人向けに、骨盤底筋群の引きあげの練習の基本の基をお伝えしましたが、次回以降、ポーズにあわせて行う骨盤底筋群の引き上げの練習法も紹介していきます。
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