【座っていると腰が痛い】パソコン作業中もOK!座ったままでできる腰の負担を和らげるイメージ術

【座っていると腰が痛い】パソコン作業中もOK!座ったままでできる腰の負担を和らげるイメージ術
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私たちは無意識に体の構造に逆らった姿勢をして、余計に力んだ状態で生活をしています。そんな力みが及ぼす痛みや関節の違和感について探求しているアレクサンダーテクニークの実践者が、解剖学的な視点を交えた考察を通して、思考から体の使い方を変える方法を提案します。52回目のテーマは「座る姿勢と腰痛」です。

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座って楽になるはずなのに腰が痛くなる

長時間座りっぱなしでいると腰が痛くなるというのはよくあることです。特にパソコンでの作業が多い人は毎日ように悩まされている問題ではないでしょうか。座って楽な姿勢をしているはずなのに、時間とともになぜか腰が辛くなる。それは座るという行為が、お尻を座面にしっかりつけて落ちつきたいというような無意識の下にある思いと結びついているところに由来しているのかもしれません。

座って腰がつらくなる原因と経緯

お尻を座面にしっかりつけることが座るという行為として当たり前と無意識に捉えていると、背中を丸め気味にして骨盤を若干寝かせた状態(骨盤の後傾)になることが多いです。背もたれに背中をつけようとすれば、その傾向は顕著になります。私たちの胴体は脊椎がS字状にカーブすることによって、直立状態をキープできる仕組みになっていますが、骨盤の後傾はS字状のカーブを崩すことになります。そして脊椎の中でも、カーブの崩れによる影響を受けやすいのが腰椎です。

座っているときの姿勢と骨盤
イラストAC

腰椎は本来、前に向かってカーブを描く形状をしていて、少し反ったような状態です(腰椎の前弯)。ところが骨盤が後傾していると、それに伴って腰が丸まります(腰椎の後弯)。座っている時間が長くなれば、腰椎を後弯させたまま維持しようと筋肉を固めるものなので、必要以上の力みが腰に集中して負担となるわけです。

腰の負担を和らげるには脊椎が本来のカーブを描いていればいいのですが、無闇に寝ていた骨盤を立てて姿勢を正せばいいということでもありません。力ずくで骨盤を立てても腰やお腹の筋肉をさらに緊張させるだけで、残念ながら長続きはしません。

座ったまま自然と楽な姿勢になれる考え方

脊椎のS字に沿って胴体が立っているのは、私たちの体にとって自然に起こることです。そこで筋肉に頑張らせずに体を起こせるように、次のことを実践してみてください。

1. 骨盤の構造の確認
まずは下のイラストを見て、骨盤に対する認識をアップデートしましょう。
注目してほしいのは、骨盤の一番下の部分である坐骨です。三角形の頂点のように見えますが、その角は丸みを帯びていてちょっとくらいなら前後に揺れることできます。ただし後ろに傾き過ぎて尾骨が座面につくほど傾くと、骨盤の後傾になりすぎるのでご注意を。

骨盤の構造
イラストAC

2.「頭は脊椎の先にあって、脊椎は頭のある方へ向かっていく」と思う
脊椎全体にかかっている負荷を和らげるためのイメージをします。頭が自分の体のどこにあるかを認識し直し、脊椎のS字がその頭のある方向へ伸びていく様子を思い描きます。

頭は脊椎の先にあって、脊椎は頭のある方へ向かっていく
イラストAC

3.「坐骨の上に体の軸がある」と思う
次に1を踏まえて、坐骨を意識します。座っているときの体の中心軸は坐骨を通って、さらに坐骨の上に続いています。坐骨の丸みを思い出して、起きあがりこぼしのように坐骨でゆらゆらしてみるのもいいでしょう。そうすると自然と骨盤は前傾の状態で、かつ自由に動けるようになります。
1の認識のアップデートは一度できれば、後は2と3を思い出すだけなので、長時間座っていて辛くなったらいつでも試せます。

坐骨の上に体の軸がある
イラストAC

 

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