【階段から落ちそうで怖い】思考で余計な力みを緩和!安心して階段を降りるためのお手軽イメージ術

【階段から落ちそうで怖い】思考で余計な力みを緩和!安心して階段を降りるためのお手軽イメージ術
AdobeStock

私たちは無意識のうちに体を強張らせているものです。そんな力みが日常的な動作に及ぼす影響について探求しているアレクサンダーテクニークの実践者が、特定の動作とそこにまつわる悩みを解剖学的な視点を交えて考察し、思考から体の使い方を変える方法を提案します。48回目のテーマは「階段の降り方」です。

広告

階段から落ちそうな気がする理由

高所恐怖症の人はもちろんですが、そうではない人でも、電車に乗ろうとしてホームに向かっているときなど、急いで階段を降りようとすると、一瞬落ちそうな感覚に囚われることがあります。実際に落ちた経験がある人なら、気をつけて降りようと注意を払っていることと思います。でもそこまで気を配っても、また落ちそうにな気がして身構えてしまう人は少なくないでしょう。

階段を降りる際に注意を払うのは大切なことですが、場合によっては気負いとなって、余計な力みにつながる可能性があります。そして体が必要以上に力んで強張っていると、関節の可動域に制限がかかって動きにくくなるものです。

階段という環境がどうのように体を力ませるのか

階段から落ちないように気をつけると、どうしても足元の一点に意識が集中します。そのときに体に何が起こっているのかというと、首や背中、お腹などの筋肉が収縮した状態になります。また階下に落ちるのとは反対の方向に体勢を保とうとするのが自然ですから、それ合わせて腰を反らせてバランスをとろうともします。このように上半身では様々な筋肉が力んで強張った状態になっており、その強張りは下半身を動かす筋肉へも伝わります。そして股関節・膝・足首の可動性までも失わせることになります。

つまり、高低差がある階段という環境に身を置いた際、周囲から入ってくる多様な情報に合わせて脳が体を対応させようとして、筋肉に無理やり頑張らせた結果、逆に体の自由度がなくなり、平坦なところを歩いているときよりも不安定になるのだと考えられます。

階段での恐怖心をコントロールする方法

階段での恐怖心を克服することは難しいですが、思考を変えることによって動きやすい体の状態を作ることは可能です。足元ばかりを気にしているが故に体が力んで強張ってしまうのであれば、もっと上の方へ意識を向けみるといいかもしれません。そこで次のことを実践してみてください。

1.「頭は首の上で自由にバランスしている」と思う
まずは頭が自分の体のどこにあるのかを認識し直すことで、全身に入ってしまった力みを和らげましょう。
頭が首の上に乗っていて、自由に動きながらバランスしている様子をイメージすると余計な力みがなくなり、階段から見下ろしたときの恐怖心にも変化が現れるはずです。

「頭は首の上で自由にバランスしている」と思う
イラストAC

2.「脊椎は頭の方向に向かって伸びている」と思いながら階段を降りる
降りようと行動に移した瞬間に意識は足元に向かいやすいです。そのため「脊椎は頭に向かって伸びている」というように、体内のエネルギーのようなものが常に上の方向に向かって循環するようなイメージをし続けます。

「脊椎は頭の方向に向かって伸びている」と思いながら階段を降りる
イラストAC

3.「股関節も自由に動ける」と思う
それでも思うように脚が動きにくいと感じるなら、体内で上に向かって循環しているイメージに追加して、股関節のことも思い出してみて。
股関節が自由に動けることが頭の片隅にあると、膝や足首までも動きやすくなります。

「股関節も自由に動ける」と思う
イラストAC

 

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

「頭は首の上で自由にバランスしている」と思う
「脊椎は頭の方向に向かって伸びている」と思いながら階段を降りる
「股関節も自由に動ける」と思う