【靴底の片方ばかりすり減る意外な理由】カギは上半身!片脚だけに負担をかけずに歩く方法

 【靴底の片方ばかりすり減る意外な理由】カギは上半身!片脚だけに負担をかけずに歩く方法
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習慣に任せた動作によって起こる余計な力みが動作にどう影響するのかを探求しているアレクサンダーテクニークの実践者が、思考から体を変えていく方法を提案するシリーズ。体の不調と習慣的な無意識の動作の関係について、解剖学的な視点を交えて考察します。45回目のテーマは「靴底の片方ばかりすり減る」です。

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靴底のすり減り方が左右非対称になる理由

靴底のすり減りって、地味に気になりますよね。左右がバランスよくすり減っているならまだしも、どちらか一方が極端にすり減っていると、「両脚とも同じように歩いているはずなのに」と思うことでしょう。

このように靴底のすり減りが左右非対称になる要因として考えられるのは、体のどこかに歪みが生じているからだと言われています。長年の習慣によるものだったり、過去のケガを無意識にかばっていたせいだったりときっかけは様々ですが、体の一部が歪んでしまったために重心が偏り、姿勢や歩き方に影響を及ぼしているようなのです。

片方だけすり減る可能性は荷物の持ち方かも

体に歪みが生じる可能性のひとつとして、荷物を左右どちらか同じ方ばかりで持っていることが挙げられると思います。例えば、肩に掛けるときや肘から下げるとき同じ方を使ってしまう、あるいはいつもとは違う方に掛けると落ち着かないという人は多いでしょう。

肩や腕で行なっていることが歩き方に直接関係しているようには思えませんが、荷物を持っていると、そこを安定させようと無意識に肩や腕をロックして力を入れてしまうものです。肩や腕は胴体とつながっていますから、自然と上半身全体も動きにくい状態になります。上半身にある背中の筋肉や腹筋に余計な力が入れば、連動して腰や太ももの筋肉も必要以上に使われ、総じて股関節・膝・足首の可動域も制限されてしまいます。

このように不自由になった上半身を補おうとして下半身にも余計な力が入り、体が歪んで重心が偏るのです。

上半身を自由にする歩き方のための新しい考え方

バランスがよくなるよう荷物を左右で持ち変えるのも解決方法ではありますが、そもそも無意識に力んでいる上半身の力はどうしたら抜けるのでしょう?
腕を無闇に振っても余計な力みそのものが抜けるとは限りません。そこで次のことを試してみてください。

1. 胸郭と肩甲骨の構造を確認する
下の図を見て胸郭と肩甲骨について確認しましょう。
胸郭とは胸骨・胸椎・肋骨から成る、胴体の主要な部分のこと。上から見ると筒型をしています。
また腕を胴体につなぐ一端を担う肩甲骨ですが、実は胸郭と直接にはつながっていません。骨格だけで見ると、胸郭から浮いたように位置しています。

胸郭と肩甲骨
イラストAC

2.「頭は首の上にあり、脊椎は頭の方へ伸びていく」と思う
次に自分の体のどこに頭があるのか、脊椎はどちらへ向かって伸びていくのかをイメージします。イメージで自分の体の様子を再認識することによって、習慣的に入っている全身の力みを解放します。

頭は首の上にあり、脊椎は頭の方へ伸びていく
イラストAC

3.「肩甲骨は胸郭の周囲を浮遊するように動く」と思う
実際に大きく腕を振る必要はありません。胸郭から浮いたように位置している肩甲骨が、筒型の胸郭の周囲を滑るようにして自由に動いている様子を思い描くだけでOKです。
それだけで肩まわりが楽になり、呼吸もしやすくなるはず。足運びも変わることでしょう。

肩甲骨は胸郭の周囲を浮遊するように動く
イラストAC

 

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頭は首の上にあり、脊椎は頭の方へ伸びていく
肩甲骨は胸郭の周囲を浮遊するように動く