【肩こりには手軽な肩回し】スキマ時間でできる!より効果的に肩を回すためのイメージ術
無意識の余計な力みが動作にどのような影響を及ぼすのかを探求しているアレクサンダーテクニークの実践者による、体の不調を思考から変えていくシリーズ。特定の動作とそれにまつわる思い込みについて、解剖学的な視点を交えて考察し、考え方を変えるだけで有効な方法を提案します。42回目のテーマは「肩回し」です。
肩の先だけを回そうと頑張ると逆効果かも
デスクワークなどが続いて肩がこったとき、よく肩回しを行いますよね。肩の周辺には大小様々な筋肉があり、上げたり、下げたり、寄せたりと多様な動きを可能にしています。これらの筋肉は習慣的に固まりやすいところでもあるので、固まって凝ったと感じたら速やかにほぐしたいもの。その点で肩回しはいつでもどこでも気軽に行える筋肉の緊張緩和方法です。
ところで、肩回しをしっかり行なっているつもりなのに、あまり肩が楽になったように感じないことはありませんか?
それは、どこが肩なのかということをどう認識しているのかによって、結果的に肩とは異なるところを一生懸命動かしてしまっているせいかもしれません。例えば胴体と腕の繋ぎ目の部分だけを肩とみなして、そこを回そうと躍起になってはいないでしょうか。
肩の先だけを動かそうとして筋肉を固めている
肩を胴体と腕のつなぎ目のところだと思っていると、無意識にその部分だけを動かすことに執着してしまいます。上述の通り肩の周辺には様々な筋肉が付着していて、それらは腕や背中、首などに繋がっているのですが、肩の先だけを動かすことに捕われることで特定の筋肉を固め、逆に肩全体の動きを制限することがあります。そして代わりに、体の軸である頚椎や胸椎を動かして、肩回しを再現しようとしてしまうことが多いようです。
しかも肩周辺の筋肉を固めている場合は、頭で脊椎を押し下げて首を余計に力ませていることが多いです。その状態で無理やり頚椎や胸椎を動かすことになるため、余計に負担となることでしょう。
このようなことが重なって、肩本来の可動域が発揮できないでいるのだと考えられます。
効果的な肩回しのためのイメージ法
1. 肩の構造を確認する
まずは骨格図を見て、肩の構造に関する認識を改めましょう。
肩は鎖骨、肩甲骨、そして腕の骨である上腕骨によって構成されています。つまり、首の下にある鎖骨や背中にある肩甲骨も肩の一部であり、肩を動かせばこれらの骨も動くものなのです。
2.「頭は耳たぶよりも上にある」と思う
いきなり肩を回そうとする前に、頭の位置をイメージして、頭が自分の体のどこにあるのかを認識し直します。これによって頭で脊椎を押し下げるのをやめ、自由に動けるけれど、しなやかな体の軸を取り戻すことができます。
3.「鎖骨や肩甲骨も肩の一部で、肘がそれらを誘導する」と思う
肩を回すときには、1を踏まえて、肩の延長にある肘が肩の動きを誘導すると思って動かしてみてください。鎖骨や肩甲骨も肘に合わせて動いているイメージを持つといいでしょう。
たかが肩回しですが、肩に対する認識がアップデートされれば、それに見合うように動作が変わり、効果にも変化が現れます。イメージするだけだから、デスクワークの合間にピッタリですよ!
AUTHOR
ホタカミア
ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。
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