【グラウンディングが苦手なら試して】フラフラしても大丈夫!安定して立つのに効果的なイメージ術

【グラウンディングが苦手なら試して】フラフラしても大丈夫!安定して立つのに効果的なイメージ術
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無意識の動作によって習慣になってしまった余計な力みをやめると、痛みや動作の不自然さがなくなることがあります。このシリーズでは、効率的で機能的な動作について探求しているアレクサンダーテクニークの実践者が、様々なエクササイズや日常生活の中で起こる体の悩みについて解剖学的な視点を交えて考察し、思考から体の使い方を変える方法を提案します。49回目のテーマは「グラウンディング」です。

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グラウンディングしているのにフラフラしてしまう

ヨがをはじめとしたバランスが重要となるエクササイズでは、グラウンディングという言葉がしばしば登場します。グラウンディングとは地(ground)に足をしっかりつけて体の安定させることで、精神的な安定感も得られるという効果があります。

グラウンディングの際には、床と接地している部分(主に足裏)を床にしっかりつけるような指示を多種多様な表現で出されます。「足の指をしっかり開いて」や「根が張るように」など。普段はあまり認識にない足裏と床の接地を意識するのは新鮮です。しかしながら、指示通りにしているのにフラフラしてしまうと悩んでいる人も多いようです。

ひょっとしたら「グラウンディング=安定」に固執するあまり、足裏に余計な力みが入って体の自由度が損なわれているのかもしれません。グラウンディングとは足裏を床に密着させることとか、直立不動で動かないようにすることとか思い込んではいないでしょうか?

グラウンディングが安定しない原因

足は指だけではなく、甲やかかとも含め、多数の骨が集まって形づくられています。それらの骨が各々微細に動くことによって、地面の傾斜や凹凸などに自在に対応できる仕組みです。ところが、足裏と床の接地をしっかり“させよう”と思うと、思わず踏ん張ってしまい、足裏の筋肉を緊張させてしまいます。それに伴って、骨の微細な動きも制限されます。

筋肉は連動しているので、足裏の余計な力みは足首に伝わり、足首も硬くなります。足首が動きにくいと、膝や股関節の可動性まで制限され、結果として全身のバランスがとりにくくなるのだと考えられます。

また、安定という言葉に直立不動のイメージがあると、動かないようにしようという思いに捕われて、足裏や足首、膝、股関節をさらに動かしにくい状態に追い込んでしまうこともあります。

安定したグラウンディングのための新しい考え方

そこで直立不動より、自由に動けることをイメージすることをおすすめします。グラウンディングでよく例えとして挙げられる木で、次のようにイメージしてみてください。

1.「頭は耳たぶより高いところにある」と思う
まずは頭が自分の体のどこにあるのかを思い出して、体を整え、準備をします。頭って、思っているより結構高いところにあるんだと認識すると、それだけで全身が軽く感じられるものです。

「頭は耳たぶより高いところにある」と思う
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2. 幹や枝が生い茂る様子を思い描く
さて木のイメージですが、根のような見えない地面の下の部分を想像するより、幹や枝が生長するところをイメージしましょう。これによって留まりがちな足元から上へ伸びて動き続けるものに意識を移して、直立不動のイメージをやめることができます。

幹や枝が生い茂る様子を思い描く
イラストAC

3. 四方八方に伸びた枝がしなやかに動ける様子を思い描く
グラウンディングをさらに続けるなら、枝が伸び、風が吹いてもしなやかに揺れている様をイメージしましょう。枝は自分を中心に左右だけではなく、前にも、そして後ろにも伸びています。
このように生長していくところや風に吹かれて揺れいてるところを思う方が、全身としてはバランスがとりやすくなるでしょう。

四方八方に伸びた枝がしなやかに動ける様子を思い描く
イラストAC

 

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