「立ったまま靴下を履くのが…できない!?」→その原因とバランス感覚改善エクササイズ

「立ったまま靴下を履くのが…できない!?」→その原因とバランス感覚改善エクササイズ
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伊藤香奈
伊藤香奈
2025-04-30

靴下を履く動作や高いところのものを取る動作など、片脚立ちでバランスが必要になる動作は意外に多くあります。そのような動きが最近しづらいと感じているなら、筋力だけでなく神経の衰えが原因かもしれません。そこで今回はバランス感覚が衰えてしまう原因とそれを改善するエクササイズをご紹介します。

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立ったまま靴下を履くのが難しくなってきた…

靴下を履く
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靴下を履くという日常のちょっとした動作でも、「最近、やりづらくなってきたな…」と思う瞬間に、自分の体の衰えを感じますよね。立った姿勢で靴下を履くというのは、片脚バランスのエクササイズと同じで、全身の感覚や筋肉を使う高度な協調運動の一つ。

しかし、加齢により筋力だけでなく感覚センサーも衰えるため、年々このようなちょっとした動作が難しくなってくるのです。

姿勢を制御する感覚とは?

立った姿勢での姿勢の制御は、

● 前庭覚…耳の奥にある三半規管(さんはんきかん)や耳石器(じかいき)などの前庭器官から得られる感覚。身体の傾きや揺れ、回転、スピードなどを感知する

視覚

体性感覚…皮膚や筋肉、腱、関節などの身体の表層組織や深部組織で知覚される感覚の総称)

が協調して働くことによって、バランスを取りながら調整されています。

前庭感
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その中でも、子供の頃は体性感覚=体が動きながら感じる感覚が約7割と高いことに加え、体の柔軟性もあるので、塀の上に昇って歩いたり木登りしたりなど、バランス感覚が必要とされる運動が難なくこなせます。

しかし、大人になるにつれてバランスを取る感覚が体性感覚から視覚へと移行されるため、体でバランスを感じることが難しくなっていきます。特に、足裏の体性感覚は加齢とともに衰えていくため、エクササイズを通して鍛えることで、ふらついて骨折するなどのケガ防止にもつながります。

バランスがとりやすくなる2つのエクササイズ

■前庭覚&視覚のトレーニング

1)楽に座った姿勢で遠くの1点に集中する(物がない場合は、親指を立てて目の高さに置く)

2)その1点から目をそらさないようにしながら、頭を左右に10回、上下に10回、左右の斜めに10回ずつ首を振る

前庭覚が弱っている方は、首を振ると視線も首につられて動いてしまう傾向があります。まずはゆっくりとしたスピードで行い視線がずれないように意識しましょう。慣れてきたらスピードを上げることでトレーニングの強度を上げることができます。さらに、座位で安定してこのエクササイズを行えるようになったら、立位で行う。さらに片脚立ちで行うなど、より不安定な体勢で行うことでトレーニングの強度も上げることができます。前庭覚のトレーニングは、車酔いやめまいなど、三半規管の不調を改善するにも効果的です。

■足裏の体性感覚のトレーニング

素足になり、ヨガマット等の指の感覚がわかりやすい素材の物の上に立ち片脚立ちになるだけでも、足裏の感覚が鍛えられます。さらに青竹ふみの棒のようなものの上に立ったり、足裏をボールでほぐすなど、とにかく足裏に圧を加えて感覚を目覚めさせることも大切です。足裏をマッサージをするだけでも足裏の神経の活性化につながります。

前庭覚のトレーニングと足裏のトレーニングをセットで行うことで、日常での片脚になるような動きだけでなく、ヨガ等の運動の際のバランスポーズも取りやすくなります。まずは1日1回、1週間続けてみましょう。

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