ポーズを心地よく行い、少しずつ上達するために手放したい3つの気持ち


ヨガのポーズの練習では柔軟性や筋力、バランス感覚をつけることも大切ですが、こうしたものを得るだけでなく、ある気持ちを手放すことも必要になってきます。どんな気持ちを、どのように手放したらよいでしょうか?
自分は体が硬いという思い込み
特にヨガを始めたばかりの頃によくあるのが「体が硬い」という思い込み。前屈(パスチモッタアーサナやウッタナアーサナ)で思うように体が倒れない、硬くていやだな…という気持ちがちょっとしたストレス(心の緊張)になり、それが体にも緊張を生む原因となって余計な力が入り、ますます体が動かない感じがしたことはありませんか?

体の硬さを気にしたり、ポーズを完成させようとする前に、まず呼吸の状態を丁寧に観察して整えましょう。呼吸が心地よくできている時は体に余計な緊張感や力みはありません(全身にわざと力を入れて、ゆったりとした呼吸ができるか試してみましょう)。呼吸に身をゆだねることが大切です。
プロップス(補助用具)を使うことへの抵抗感
使うことでポーズをやりやすくして効果を高めることもできる、ブロック、ベルトなどのプロップス(補助用具)。積極的に使いたいものですが「ポーズができないからプロップスを使う=自分は劣っている」とネガティブにとらえてしまう人もいるようです。例えば、三角のポーズでは指先が床につくのが完成形だからブロックを使うのはポーズができないということ、周りで誰も使っていないのに自分だけ使うのは恥ずかしい…など、使うことへの抵抗を感じたことはありませんか?

プロップスは、ポーズができる・できない、ヨガ経験に関わらず誰でも使うものということを理解しましょう。三角のポーズで手が床に届く人でも、ブロックのサポートを得ることで下半身の安定をより感じられたり、胸の開き具合を再確認しやすくなります。何も使わずにポーズができるようになることにこだわらず、プロップスを使ったやり方も選択肢として受け入れましょう。
このポーズは簡単だからという気持ち
ヨガ経験が長くなって色々なポーズに慣れてきた頃にありがちなのが、基本的なポーズを軽視してしまうこと。たとえば山のポーズ(タダーサナ)。両足を揃えて立つだけだからと体の各パーツに丁寧に意識を向けることなくただ立っている状態になったり、キャット&カウ(猫のポーズ・牛のポーズ)で機械的に背骨を動かしていませんか?

難しいポーズほど気を配っていなかったら、初心に帰った気持ちでより丁寧に体を動かしてみましょう。山のポーズなら足の裏できちんとマットを踏めているか(体重が一か所にかかっていないか)、踏んだ力で全身が伸びている感覚があるのか、キャット&カウでは呼吸と動きが揃っているか、背骨を一つ一つ丁寧に動かしているかなどをきちんと観察しましょう。基本的なポーズが丁寧にできることは難易度のあがるポーズの練習をする上で役立ちます。
ヨガのポーズの練習は「テクニック」に走りがちになることもありますが、どのようにしてポーズに向き合うかという心の持ち方も大切です。ポーズがうまく出来ない、体が思うように動かないと感じたらぜひこれらのことを振り返ってみてください。
ライター/吉田加代子
オーストラリア・ブリスベン在住。日本とオーストラリアでの会社員生活を経てヨガティーチャーに転身。2012年より在豪日本人やローカルの人たちを対象にヨガクラスをしている他、ヨガアプリ「Down Dog」の日本語翻訳とナレーションを担当。オーストラリアのゆったりした環境の中、ヨガで日々心地よく暮らすことを心掛け、一人でも多くの人にヨガを身近に感じてもらえることを目指して活動中。Instagram:@kayoko_yo
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