【ランジで膝が痛い人は試して】膝に負担をかけずに曲げ伸ばしするために必要なこと

 【ランジで膝が痛い人は試して】膝に負担をかけずに曲げ伸ばしするために必要なこと
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習慣的に入っている余計な力みをやめると、それまで悩んでいた痛みや動作の不自然さがなくなることがあります。このシリーズでは、効率的で機能的な動作について探求しているアレクサンダーテクニークの実践者が、筋トレや日常的な動作におけるお悩みを解剖学的な視点を交えて考察し、思考から体の使い方を変える方法を提案します。47回目のテーマは「ランジで膝が痛い」です。

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ランジをすると膝が痛くなる理由

ランジとは両脚を前後に開いて、前に出した方の膝を曲げ伸ばしをすることでお尻や太ももなどの筋肉を鍛えるトレーニングです。自重を使って家でも手軽に行えるうえに、美尻や美脚に効果的なので、アスリートではない人にも人気の筋トレです。ところが、膝が痛くなるというお悩みをよく耳にするエクササイズでもあります。

両脚を前後に開いた体勢で行うが故にどうしてもふらつきやすく、それを防ごうと無意識に踏ん張ってしまうものです。そうすると、股関節・膝・足首の可動性が制限され、膝でわずかな捩れが起こります。その状態で曲げ伸ばしをするため、膝に余計な負担がかかるのだと思われます。

ランジの注意での落とし穴

このような膝での捩れに対して、ランジの注意点としてよく挙げられるのが「膝が内側に入らないように」といった膝の位置についてです。ただ残念ながら、膝が内側に入らないようにしようと頑張れば頑張るほど、腹筋や太もも、ふくらはぎは力んでしまうもの。一見して膝は内側に入っていないようですが、腹筋や太もも、ふくらはぎに必要以上の力が入っているので、股関節・膝・足首の可動性は相変わらず制限されたまま、無理に膝を曲げ伸ばししているようなものだといえます。

膝が内側に入らないように“しよう”とすることが、膝に負担をかけているかもしれないとは皮肉な話です。そこで、“しよう”と頑張らなくても膝が内側に入らないですむような意識の仕方が肝心だと考えます。

膝が内側に入らないようにする思考法

ポイントは“やろう”とはしないで、その様子をイメージするだけということです。

1.「頭は耳たぶよりも上にある」と思って立つ
まずは頭が自分の体のどこにあるのかを認識することによって、全身の力みを緩和しましょう。
頭は普段あまり意識しないものですが、思っているよりも高い位置にあります。そう思うだけでも首が楽になりませんか?

「頭は耳たぶよりも上にある」と思って立つ
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2.「つま先は正面を向いている」と思いながら脚を前後に開く
つま先は正面を向いていると信じて、脚を動かしてください。
1で全身の力みを緩めた延長でつま先の向きをイメージして前後に開けば、後でつま先の向きを調整して余計に力むことをやめられます。

「つま先は正面を向いている」と思いながら脚を前後に開く
イラストAC

3.「膝のお皿はつま先と同じ方を向いている。そして曲がるのは膝裏側」と思いながら膝を曲げる
膝を曲げるときも2と同様で、膝の向きをイメージするだけ。これだけで膝の捩れを起こす余計な力みを避けることができます。
また、膝の関節はお皿の部分ではなく、その奥の大腿骨と脛骨のつなぎ目に当たります。曲がる部分として意識するのは、お皿より膝裏がいいでしょう。
このようにイメージに任せ、後は自分の体の可能性を信じれば、動作はそれについてきてくれます。

「膝のお皿はつま先と同じ方を向いている。そして曲がるのは膝裏側」と思いながら膝を曲げる
イラストAC

 

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