【医師監修】「食の執着」は意志の弱さだけが原因じゃない！無性にあるものが欲しくなる時のメカニズム

炭酸が無性に飲みたい

カルシウムが不足している可能性があります
ストレスが溜まっていませんか。炭酸は甘い炭酸飲料、甘くない炭酸飲料、お酒などどれにも当てはまります。これからの時期特に、炭酸を常飲する人はカルシウム不足に注意しましょう。

体内で起こっていること
ストレスや貧血、糖尿病など何かしらの原因で身体がだるかったり思うように動かない時、私たちの身体は刺激を求めています。スッキリしたい時に炭酸が飲みたくなる人も多いのではないでしょうか。

炭酸は文字のごとく「酸性」の飲み物です。骨や歯の主成分であるリン酸カルシウムは、酸に溶ける性質を持っています。従って、抜けた歯や魚の骨などを長時間コーラや炭酸飲料、天然果汁など酸を含んだ液体に漬けておくとカルシウムやマグネシウムが溶け出します（これを脱灰現象といいます）。口の中が酸性に傾くと口腔環境が悪くなることもわかっています。虫歯については、【ちょこちょこ食べさんは要注意】最近虫歯が増えたと感じる人が増加！?お家時間と虫歯の関係"という記事でも解説しています。

また、リン酸はカルシウムとくっつくとリン酸カルシウムとなり、体外に流れやすくなってしまいます。これは「代謝」として普段私たちの身体の中では普通に起こっていることではありますが、リン酸を過剰に摂り過ぎてしまうとカルシウムとのバランスが崩れ、必要以上に流れやすくなってしまう恐れがあります。

その他の症状
炭酸は私たちの身体に良いこともたくさんあります。胃粘膜の血管を拡張させ意を活発に消化の助けをしたり、食欲増進を図ったり、炭酸は血管を拡張させる性質を持っており、炭酸水が胃の中に入ると胃粘膜の血管が拡張します。血管が拡張すると、胃酸を分泌して食べ物を早く腸のほうに送ろうとするので胃の動きが活発になります。また、胃の細胞が冷えると酵素がうまく働かなくなるため、胃は冷たいものを早く腸に送って胃を温めようとします。良い点悪い点を知った上で、自分の身体の体調や体質に合った摂取を心掛けましょう。

気をつけること
炭酸は「気分がスッキリする」「頭が冴える」などの実証済みではあるものの、「痩せる」「身体に良い」といった身体への変化の実証は難しいものがあるようです。また、甘い炭酸飲料には大量の砂糖が含まれていますので水分補給としての摂取は控えましょう。
炭酸は胃の中で消化はされますが、胃自体にも刺激物として胃に負担をかけてしまう恐れもありますので、身体に合わない人は気を付けましょう。

摂取方法
カルシウムは骨に多く含まれています。丸ごと食べられる小魚はもちろんのこと、木綿豆腐、桜エビ、小松菜、油揚げ、ひじき、胡麻などにも多く含まれています。また、カルシウムはビタミンDと結合すると吸収力が高まります。太陽の光（紫外線）を浴びることも大切です。
他にも骨は刺激を与えると骨が強くなります。運動をして効率良くカルシウムを育てましょう。

まとめ

食べ物によってそれぞれの不足の栄養素をお伝えしましたが、どれにも共通しているのが「心身のバランス」です。疲れている時に糖分が欲しくなる人、味の濃いものが欲しくなる人、無意識に辛いものを欲している人、炭酸でスカッとしたい人…。すべてに共通しているのが「ストレス」であり、その対処法として「食で満たす」ことをする場合が多くあります。

特別な「なにか」を強く欲し、「なにか」に依存している場合は、心身のバランスを崩している場合も多く、それの多くななにかしらの「ストレス」によるものであることが多いです。自身の身体に不足しているものを意識するとともに、ストレスの原因になっているものを今一度考え、その原因を取り除くことで心身のバランスが取れる生活が送れるように心がけましょう。