腰痛や股関節の動きに影響する【腸腰筋】は座りっぱなしだと硬くなる?硬さを和らげる方法
上半身と下半身をつなぐ腸腰筋(ちょうようきん)。聞きなれない筋肉の名前かもしれませんが、その役割を知って硬さをやわらげるヨガポーズをしてみませんか?
腸腰筋とは?
腸腰筋は脊椎(背骨)と大腿骨をつなぐ大腰筋、大腰筋のサポート的役割をする小腰筋、骨盤と大腿骨をつなぐ腸骨筋の3つの筋肉の総称で、上半身と下半身をつなぎ、姿勢の維持、股関節の安定、立ち上がる、歩く、太ももを持ち上げるなどの動作に関わっています(小腰筋が存在していない人もいます)。
膝を胸の方へ引き寄せる、脚を大きく蹴りだす、階段を上る時に脚をしっかりと持ち上げるなどの動きがしづらい(股関節の動きが今一つと感じる)、姿勢の悪さからくる腰痛がある場合は、腸腰筋の硬さも理由の一つかもしれません。また、こうした不調を感じていなくても座っている(=腸腰筋が縮んでいる)時間が長い人は腸腰筋が硬くなりがちです。
腸腰筋の硬さを緩和、予防しよう
横向きで行うストレッチ
やり方:
1. 右側を下にして横になって両膝を曲げる。右腕は枕代わりにするか正面に伸ばしてクッションなどで頭をサポートする。
2. 左膝を曲げたまま足を後ろへと動かして左手で足首をつかむか、タオルやヨガベルトを足首に巻いて端をつかむ。
3. 手やタオルなどで左足を後ろに引こうとしながら、足首で手やタオルを押し返すようにしてキープ。呼吸を止めないようにする。
4. 左足を解放して最初の姿勢に戻り、体の向きを変えて反対側も同様に行う。
三日月のポーズ
やり方:
1. 四つ這いから左足を両手の間に踏み出して膝の位置を足首の真上に揃える。
2. 右膝を前後に動かして心地よい場所を決める(膝を後ろに移動させるほどストレッチの強度がアップ)。必要であれば膝の下にタオルなどをあてる。
3. 両手を太ももに添えたままか、余裕があれば両腕を頭上に伸ばして数呼吸キープし、終わったら反対側も同様に行う。
※これらふたつのポーズでは片方が伸びやすく、もう一方が伸びづらいといった左右差を感じやすいポーズです。伸びづらい方は少し長めにポーズをキープしたり、左右行った後でもう一度伸びづらい方だけを行うなどするのもおすすめです。
橋のポーズ
やり方:
1. 両膝を立てて仰向けになり、足を腰幅に開いてかかとをお尻に近づける。両腕は手のひらを床に向けて胴体の横に。
2. あごを引いて後頭部と両肩を床に安定させる。
3. 息を吐きながら足の裏でしっかりと床を踏んでゆっくりとお尻を持ちあげ、膝が外側に開かないようにして腰幅に保つ。
4. できそうなら左右の肩甲骨を寄せてお尻の下で両手を組んで数回呼吸を繰り返し、その後背中とお尻をゆっくりと床におろしていく。
やりやすいポーズを選んで上半身と下半身のつながりをイメージしながら行ってみてください。
AUTHOR
吉田加代子
オーストラリア・ブリスベン在住、東京都出身。日本とオーストラリアでの会社員生活を経て、2012年よりオーストラリアでヨガ講師としての活動を開始。ハタヨガやリストラティブヨガクラスの他、音響楽器シンギング・リン®を使ったサウンドセラピーも提供。ヨガや音の効果を活かして、クライアントの心身の健康をサポートしている。
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