理学療法士が解説【インナーマッスルの鍛え方】最小限の力でポーズが安定する「腸腰筋エクササイズ」

 理学療法士が解説【インナーマッスルの鍛え方】最小限の力でポーズが安定する「腸腰筋エクササイズ」
Nobuhiro Miyoshi (RELATION)

インナーマッスルは、姿勢を正しく保持する筋肉。これらが使えると、アームバランスをはじめ、あらゆるポーズが安定します。まずはヨガに必要な筋肉を鍛えましょう!

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インナーマッスルを鍛えポーズを安定させる

「インナーマッスルの定義はさまざまですが、ヨガでカギとなるのは、腸腰筋と多裂筋です」と中村尚人先生。
「これらの筋肉は、真っすぐな姿勢を保持し、伸びる、バランスをとる、側屈するなど背骨の動きに関与。ポーズをキープするヨガでは、これらの筋肉を使わないことはありません。特に腸腰筋は骨盤を起こす筋肉なので、使えないまま動いていると、腰、膝、肩などを痛める原因にもなります。背筋を支える多裂筋とともに鍛えましょう」
一方、骨に近いインナーマッスルは、使っている実感が得られにくく、意識して鍛えるのがとても難しいのだそう。そこで腸腰筋・多裂筋に自然とスイッチが入るワークを伝授!
「多裂筋は背筋を伸ばすこと、腸腰筋は鼠蹊部を引き込むことで働きます。このふたつの筋肉がしっかり働けば、最小限の力だけで安定してポーズがとれるように。アームバランスも力まずできるようになりますよ」

腸腰筋・多裂筋の働き

多裂筋
最も背骨に近く、仙骨から頸椎にわたってついている筋肉。立位、座位、そして多くの運動時に姿勢の維持や背骨の安定を支える。

ヨガに必須!インナーマッスルの鍛え方
多裂筋

腸腰筋
腰椎と大腿骨を結ぶ大腰筋と、骨盤と大腿骨を結ぶ腸腰筋からなる筋肉。骨盤を起こし、姿勢の維持や歩行、バランス時に必須。

ヨガに必須!インナーマッスルの鍛え方
腸腰筋

インナーマッスルは真っすぐな姿勢でON

ON
インナーマッスルが働くのは真っすぐな姿勢=覚醒時。骨盤が立って背筋が伸び、肩や首が力まず、安定して座ることができる。

ヨガに必須!インナーマッスルの鍛え方
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION) 

OFF
姿勢が悪くなるとインナーマッスルが働かず、靭帯にもたれてしまう。瞑想時に眠くなる人は、インナーがOFFになっているから!

ヨガに必須!インナーマッスルの鍛え方
photo by Nobuhiro Miyoshi(RELATION) 

「インナーマッスルON」を確認!

背筋を伸ばして鼠蹊部を引くと、インナーマッスルが自動的にONになり体が安定します。下の2つの動きで試してみて。

側屈
脚は肩幅、膝をゆるめて鼠蹊部を引く。両手のひらを返しながら頭上にグッと伸びて側屈。骨盤が安定して胸が開けばインナーが ON、腰が腕と逆方向にずれてしまうときはOFF。

ON

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OFF

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プランク
両手を肩の下でつき、両足は揃えてつま先を立てる。頭からつま先を真っすぐ伸ばし、鼠蹊部を軽く引く(お尻が丸くなる)とインナーがON。お腹がだら〜んと下がるとOFF。

ON

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OFF

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使っていることを感じられない筋肉なので、正しい姿勢をとって自動的にONすることが大切!

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最小限の力でポーズがとれるようになる腸腰筋エクササイズ

ワークの前後にダウンドッグのアレンジ(右)を行って、インナーマッスルが働きアームバランスがとりやすくなることを確認!

伸びることで腸腰筋が働くのを感じる

まずは座った姿勢でのエクササイズからスタート。座位は体が安定しやすいので、アウターに無駄な力を入れない状態で、インナー マッスルにアプローチできます。背骨が「伸びていく」という感覚をインプットして。

ON

基本の姿勢
椅子に座りつま先を立て、両手を頭の後ろで組む。鼠蹊部を軽く引き、上体をやや後ろに傾け、頭を遠くに引っ張る。

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基本の姿勢
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基本の姿勢から、交互に膝を持ち上げる。各10回。

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各10回
頭を遠くへ伸ばす/鼠蹊部を引く
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NG
骨盤が後傾し腰や背中が丸くなると、鼠蹊部が引き込めず、腸腰筋が働かない。

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教えてくれたのは…中村尚人先生
理学療法士、ヨガインストラクター。TAKT EIGHT主宰。臨床の知識と経験を生かした指導で人気。医療とボディワークの融合、予防医学の確立を目指す。オンラインレッスンも好評。

モデル…池田莉子さん
モデル・ヨガインストラクター・アロマアドバイザー。19歳で指導資格を取得。雑誌や広告、CM、ファッションショーなどで活躍するとともに、ヨガの魅力を広く楽しく伝えている。

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photos by Nobuhiro Miyoshi(RELATION)
hair&make-up by Rika Imazeki(P-cott)
illustrations by Misako
text by Kyoko Nagashima
yoga journal vol.74

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ヨガジャーナル日本版編集部

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