【理学療法士監修】骨盤タイプ&生活習慣からわかる「骨盤のゆがみ」チェックテスト
生活習慣や日常動作のクセなどで生じる骨盤のゆがみは、自分ではなかなか気づきにくいもの。そこで、骨盤タイプと生活習慣をチェックし、今の骨盤の状態を把握。判明したゆがみは解消ワークで整え、アライメントを正しましょう。
アンバランスな筋肉が骨盤に悪影響を及ぼす
上半身の重さを受け止め、下半身に分散させる役割を担う骨盤は姿勢の要。と同時に、子宮や膀胱、腸など、内臓の受け皿となり、臓器を守る役目も果たしています。
「体にとって重要なパーツである骨盤には、正しい位置=ニュートラルポジションがあり、その位置を保てなくなると、体にさまざまな不具合や不調を招きやすくなります」と堀川ゆき先生。
恥骨結合と仙腸関節と呼ばれる関節を持つ骨盤は、日常動作によってわずかに動きます。また、女性の骨盤は妊娠・出産に備えて柔軟性があり、男性に比べて変化しやすいと言われています。では、骨盤のゆがみとは、どのような状態をさすのでしょう?
「厳密には、骨盤自体がゆがむのではなく、骨盤周辺の筋膜や筋肉がアンバランスになり、骨盤のアライメントに悪影響を及ぼす状態をさします。アンバランスな筋肉の状態は、日常生活のクセや習慣、運動不足などで一部の筋肉が過剰に使われて硬くなったり、逆に筋肉がうまく使われず、筋力が低下することで起こります」
こうした状態を改善するには、まずチェックテストで自分の骨盤の状態を知ることが大事。そのうえで、骨盤まわりの筋肉にアプローチし、本来の機能を回復させることで骨盤をニュートラルポジションに保つことができます。
「また、ヨガのポーズで前後左右に均等に動く練習をすることも、骨盤のアライメントを整えるためには有効。骨盤を正しい位置に保つことでポーズがラクになり、ヨガの上達にもつながります」
「骨盤タイプ」からゆがみをチェック
姿勢や動きから自分の骨盤タイプを確認、Checkしてみましょう。複数該当する人は、「混合タイプ」と言えます。
TYPE 1 骨盤前傾タイプ
(a) □ 腰の後ろの隙間を確認
壁に頭、背中、お尻をつけ、かかとを壁から5㎝程離して立つ。腰と壁の間に、手のひら1枚以上隙間があれば骨盤が前傾ぎみ。
(b) □ 左右の上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)と恥骨を結んだ三角形の向きを確認
骨盤の前に張り出した上前腸骨棘に手を当て、恥骨結合と結んだ三角形の床に対する傾きを確認。三角形の面が前に傾いていたら前傾ぎみ。
上前腸骨棘とは?
骨盤上部(腸骨)にあり、前方に突起している部分が上前腸骨棘。
TYPE 2 骨盤後傾タイプ
□ (a)のチェックで指先しか入らない
手のひら1枚分の隙間がニュートラルポジション。これより狭く、指先しか入らない場合は骨盤後傾のサイン。
□ (b)のチェックで三角形が上を向く
骨盤が後傾していると、左右の上前腸骨棘と恥骨結合を結んだ三角形の恥骨側が前に出て、上向きの状態に。
Check 自分のタイプを確認!
□骨盤が前傾している
□骨盤が後傾している
骨盤のゆがみ解消ワーク
確認した骨盤タイプに合わせて筋バランスを整え、ゆがみを解消しましょう。
1. 骨盤前傾タイプは
弱った腹筋を鍛える
お腹をコルセットのように包む腹横筋。呼吸を意識しながら鍛えることで、骨盤位置が正しく整います。
HOW TO:
体育座りで膝をこぶし1個分開く。体の後ろに手をつき、かかとを上げて上半身をやや後ろへ。
下腹部に力を入れ、吸う息で膝を胸に近づけ、吐く息で伸ばす。これを繰り返す。【10回】
背筋の緊張をほぐす
骨盤が前傾すると腰〜背中の筋肉が緊張状態に。背筋のこわばりをとり、筋肉のバランスを調整。
HOW TO:
仰向けになり、両手で膝を抱える。お尻を持ち上げ、お尻の穴を天井に向けるようにキープ。【20秒】
2. 骨盤後傾タイプは
ゆるんだ腸腰筋を鍛える
上半身と下半身をつなぐ腸腰筋が弱いと、鼠径部を引き込めません。鍛えて骨盤を起こして!
HOW TO:
椅子に座り、背中を伸ばして左膝上に両手を重ねる。左脚を上げ、手と膝で10秒押し合う。反対側も。【10秒3セット】
腿裏の筋肉をストレッチ
腿裏の筋肉が硬いと、骨盤が後ろに引っ張られます。奥までしっかり伸ばして。
HOW TO:
左膝を伸ばし、背中を伸ばして骨盤を前傾。両手で太腿を押し、腿裏を伸ばしてキープ。反対も。【20秒2セット】
教えてくれたのは…堀川ゆき先生
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。RYT200取得後、理学療法士資格を取得し慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在、大学病院でリハビリ治療に携わる。
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