骨盤の不快症状を改善【あなたの骨盤は過緊張or低緊張?診断付き】タイプ別ヨガ対処法
ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!骨盤に痛みや不快な症状があって悩まされているとしたら、今回紹介するヨガのシークエンスと体を探る方法によって、骨盤の調子が整い緊張がほぐれる可能性がある(といっても、骨盤底筋体操の話ではない)。セックスがよくなることから、楽に歩けるようになることまで、その効果に目を疑うはずだ。
私たち女性は「こうするべきだ」という容赦ない言葉に曝されている。女性として適切で、色気もあり、しとやかで、そして母親らしい形で立ち居振る舞い、行動するように言われる。大人になる頃には、どの女性にもこのような女性であるための方法が身についているが、女という性に最も深く結びついた部分、骨盤部に特にそれを感じるだろう。骨盤部は臓器が収まっている複雑で多層的な部分である。私はここを「1-800(フリーダイヤル)小型収納庫」と呼んでいる。手放すわけにはいかないが今すぐ向き合いたくないものを収めておく場所という意味だ。
骨盤部はその性質上、私たちの感情面と身体面の健康に結びついている。私たちはこの部分を研究して解き放ち、自分で管理する必要がある。私たちの問題を率直に認めたうえでよく理解し、私たちの体に備わっている治癒力に上手に波長を合わせなければならない。私は今こそ骨盤を解放するときだと信じている。
どの骨盤にも物語がある
「どの骨盤にも物語がある」。私は常々生徒たちにこう話している。私の物語をお話ししよう。2005年、私はヨガ指導歴が20年に達しており、「下半身のその部分」の解剖学的特徴やメカニズムについて熟知しているつもりだった。しかしその頃、骨盤部に痛みと不快な症状を感じるようになった。その理由を探っているときに、骨盤部に関する知識の多くが抽象的で総合的なもので、大部分が解剖学の本から得たものであることに気づいた。私は当時、骨盤部の特性を理解していなかった。骨盤にある筋肉についても知らなかったし、骨盤が体のほかの部分や心、あるいは自分の過去とどう関わっているかもわかっていなかった。
私は自分自身をよく理解するために、ヨガのポーズと呼吸法を練習し始めた。そして、最終的には股関節と股関節との間に隠れている何層ものトラウマや、感情、痛みを探った。骨盤部には、私の過去や文化的条件づけ、性差別、解剖学的特徴、不調といったものが入り交じっている。その複雑さに対する理解が深まるにつれて、骨盤部が私の全体的な健康と結びついていることがわかってきた。骨盤部は、身体面と感情面と精神面の健康と結びついているのだ。また、自分の骨盤底筋群がかなり硬いことがわかったが、そうなった理由も経緯も理解できなかった。そこで私の探究心は、私自身を形づくった要因へと向かっていった。自分のそれまでの姿勢、性の問題、病歴、体のイメージを受け入れられなかったこと、人間関係から受けた影響、家族、企業広告、メディア、映画など、実にさまざまなことを考えてみた。私はそこから出発して、今世界中で指導している骨盤底ワークショップの土台を生み出すに至った。
なぜヨガなのか
骨盤に問題のある人の多くが、症状を改善しようとしてさまざまな方法を試した後に私のワークショップに参加している。まず一般の開業医に相談し、次に婦人科医に行き、それでもだめで泌尿器科医も受診した後に来る人が多い。骨盤底筋体操などの筋トレや抗うつ薬さえ試した人もいる。手術を検討するほど思いつめている人もいる。こんな例を考えてみよう。40代半ばの女性が性交中に痛みを感じるようになったとする。医師は潤滑剤の使用量を増やすことを勧めるが、それでは役に立たない。そこで婦人科を受診するものの、医師はその痛みの原因を診断できない。女性はインターネットでこの問題についてさまざまなものを読み始める。そこには問題の解決に役立ちそうな運動が紹介されていて、それを試してみる。しかし、これも役に立たない。女性は自分の症状が心因性のものではないかと疑うようになり、心理療法士を探し始める……。
ここに挙げた西洋医学、運動、カウンセリングにはそれぞれ利点があるが、多くの女性にとってヨガが最後の手段、頼みの綱となっている。私は12年間にわたって骨盤底に働きかけるヨガを指導してきたため、絶対的な確信をもってこう断言する。「ヨガは最初の手段であるべきだ」。その理由は、ヨガを行うと自分自身を認識する力と自分の体に対する感度が高まるからである。ヨガは単なる運動ではない。ヨガをすることによって、体の仕組みやエネルギーを細かく観察して意識できるようになる。経験に基づいて、個々の体の独特な形についてその本質を見抜くことができるようになる。何かが起きているときに何が起きているか理解して、刻一刻と変化し続ける体調に合わせて練習を変えていくことができるようになる。ヨガによって、筋肉の解剖学的機能を広く概念的に理解することが可能になり、個々の筋肉の位置を把握して、働かせることができるようになる。ヨガはほかの運動とはまったく異なるものだ。
体を意識することが、慢性的な不調を適切に診断するカギとなる。世界中のどんな医師も、あなたが感じている痛みや張りがどういうものなのか、あなたがどんなふうに安心感やその他の感覚を覚えるのか説明できないだろう。それはあなただけが知り得ることなのだ。痛みや感覚を観察してその本質を見抜くことが、適切な診断を下すうえできわめて重要になる。ヨガは、外なる概念的理解と、内なる経験的理解を結びつける働きをする。ヨガは私たちの能力を引き出してくれる。ヨガは、自分以外の人に自分の不具合を治す責任を押し付けることなく、自分自身が積極的な役割を担う力を引き出してくれる。ヨガは自分の目で確認するよう促して、それを支えてくれる。なんといっても、それは自分の体なのだ。管理することをよく考えもせずあきらめるべきではない。あなた自身が自分の体の最高責任者なのであり、自分を探索し、観察し、理解を深めることによってその責任を果たさなければならない。ヨガは、あなた自身が引き起こした体の不調を解消するのを助け、自分自身に対する責任を芽生えさせて、それを育てていく力をもたらしてくれる。
骨盤底の過緊張状態も低緊張状態も、ヨガによって効果的に改善することが多い。
ヨガは、一人ひとりの状況に負担なく対処する方法であり、自分で微調整できる手法である。今回紹介するポーズを行うときには、各ポーズがもたらすエネルギーに注意してみよう。ポーズによって心が静まったり、元気になったり、意識が集中したり、体が温かくなったり涼しくなったり、さまざまな感覚を覚えるはずだ。どのポーズにもそれぞれエネルギーがあるということと、そのエネルギーがどのような影響を及ぼすかがわかってくると、それを生かして活動的な生活を送ったり、バランスをとったり、静めたり、気配りや思いやりの心を育てたりするほか、もっと単純に今まで以上に幅広い感覚や感情を楽しめるようになる。
これからのページで紹介するポーズのなかには、筋力の増強や筋肉の収縮に役立つものもあれば、筋肉を伸ばし、柔らかくするポーズもある。また、呼吸に意識を集中させるポーズもある。私は今回、ポーズを過緊張に対応するものと低緊張に対応するものに分けてみた。難度が低い順に並べているが、個別の症状に対応する特定のシークエンスをつくったわけではない。自分なりに取り組んでみて、過緊張または低緊張の症状を改善するためにどのポーズが必要か判断していただきたい。過緊張と低緊張が混在している場合は、まず筋肉の硬さに対処する必要があることを覚えておこう。慢性的に硬い筋肉は、予想以上に短期間でほぐせることもあれば、1年もかかることがある(それは私が要した時間である)。
落ち着いた空間でひとりでこのヨガを行うと、心が解放されて絶え間なく自分への問いかけが浮かんでくる。「どんな気分?」「呼吸はどう?」「呼吸をすると体のどこに動きを感じる?」……。なかには難しいポーズもある。自分自身に対して辛抱強くあってほしい。難度の高いポーズをして疲れを感じたら、プロップで体を支えたヴィパリタカラニ(壁に脚を上げるポーズ)か、体を支えたスプタバッダコナーサナ(横たわった合せきのポーズ)を10分間行おう。練習していけばどのポーズも楽にできるようになるはずだ。ヨガの神髄は、訓練によって神経系を整えて、身体的に難しいポーズであっても心を落ち着けていることにある。頑張りすぎているかどうかは、いつでも呼吸が教えてくれる。
あなたの骨盤底は過緊張状態?それとも低緊張状態?【診断手法】
どちらの場合も骨盤にかなりの痛みと不快症状を引き起こす可能性がある。自分の骨盤底がどちらかに該当するか判断するために、正式なものではないが診断手段をいくつか紹介しよう。
坐骨が発するちょっとした信号が、骨盤底への意識を高めるのに役立つ合図になる。どのような姿勢でもいいので座って、お尻の左側に体重をのせて右の坐骨に手が届くようにする(横向きに寝て行ってもよい)。片手で右の坐骨結節、つまり坐骨の先端を見つけてみよう。坐骨を目印にして、坐骨の内縁を外陰部に向かってマッサージしてみよう。前後にも手を少し動かしてマッサージしよう。外陰部と坐骨の間の細長い部分に、柔らかい箇所や硬い箇所があるだろうか。痛みはあるだろうか。坐骨周辺の筋密度に注目しよう。筋肉は引き締まっているか、硬質か、柔らかいか、それとも緊張しているだろうか。この部分に弾力性はあるだろうか。1分間続けてみよう。
ここで両側の坐骨を下ろして深く座り、右側と左側に違いがあるか観察しよう。
●右側の筋肉の緊張をゆるめた結果、何か変化しただろうか。
●右側の坐骨のほうが低く感じるだろうか。右側の坐骨の周辺のほうがもっと空間があるような感覚がするだろうか。
次に、2、3回深く呼吸して、呼吸の感覚に意識を向けよう。
●息を吸うときに体の右側のほうが広くなったように感じるだろうか。
左側も同じように行って、違いがあるか観察しよう。
硬さや痛みを感じた部分は、過緊張になっている可能性がある。
過緊張状態の骨盤底の症状
●骨盤に痛みがある。
●尿失禁の危険がある。つまり、尿漏れはないが、切羽詰まった排尿の必要性を強く感じる。
低緊張状態の骨盤底の症状
●緊張性尿失禁があって、前触れなく頻繁に尿漏れする。
過緊張の骨盤底に対処するシークエンス
①サンドバッグを利用したくつろぎのポーズ
利用するプロップス:ブランケット4枚(たたんで頭の下に1枚、巻いて膝の下に1枚、巻いて足首の下に1枚、たたんで太腿の上に1枚。ボルスターを使ってもよい)。3~5㎏程度のサンドバッグなどの重し1~2個。必要に応じてアイピロー。
写真のように各プロップスを配置する。仰向けになって脚を伸ばし、腕を体側に下ろして手のひらを上に向ける。目を閉じて、腹部と腰に呼吸を入れていく。この姿勢で深く呼吸すると、骨盤底は吸う息で伸びて、吐く息で収縮する。全身が床に向かって解放されていくと想像しよう。5~20分間この姿勢で横たわっている。
②アルダアーナンダバーラーサナ(半分のハッピーベイビーのポーズ)
利用するプロップス:ブランケット1枚(たたんで頭の下に)、このポーズを行うと太腿の付け根が痛む場合にはストラップを使う。
床に横たわって頭をしっかり支える。膝を曲げて足裏を床につける。左膝を胸のほうに引き寄せる。左手を使って左脚を右脚から離していき、左足の小指側のかかとをつかむ。左足裏を天井と平行にして、左膝を脇の下近くに合わせ、左足首が膝の真上にくるようにしてすねを床に垂直にする。左足首を反らす。左の坐骨を頭から遠ざけるように動かす。仙骨に意識を向けて、尾骨の先端を広げるようなつもりで床のほうに解放する。1~3分間この姿勢を保持したら、反対側も同様に行う。
③スプタパダングシュターサーナ(横たわった足の親指をつかむポーズ)
利用するプロップス:ブランケット1枚(たたんで頭の下に)、ストラップ1本。
このポーズによってハムストリングが伸びる。ハムストリングが硬いと骨盤底筋も硬くなることがある。仰向けになって膝を曲げ、足裏を床につける。腰椎が自然な曲線を描いていることを確認する。右膝を引き寄せ、すねの辺りで指を組んで右太腿を腹部のほうにそっと抱え込む。右の足裏にストラップをかける。左膝を伸ばすと同時に右膝も伸ばして、かかとを天井のほうへ伸ばす。ここで、尾骨が床に向かって解放されていくと想像しよう。こうすると、骨盤底筋群が伸びやすくなる。呼吸に意識を向ける。1~3分間この姿勢を保持したら、2、3回呼吸する間両脚をゆるめて、反対側に移る。
④4の字のポーズ
利用するプロップス:ブランケット1枚(たたんで頭の下に)。
仰向けのままで、両膝を曲げて足裏を床につけ、右太腿を胸に引き寄せる。右大腿骨を外側に回し、右足首を左膝にのせる。右足首を曲げる。両腕を太腿のほうに伸ばして左太腿の裏側か左すねの前で指を組む。ストレッチを深めたければ、左足を床から離して胸のほうに引く。このポーズでは体重が左右どちらかに偏ることがある。体重は骨盤の裏側に均等にかかっていて、仙骨の上部よりも下部にかかるようにする。1~2分間この姿勢を保持し、反対側に移る。
⑤セツバンダーサナ(支えのある橋のポーズ)
利用するプロップス:ブロック1個。
このブリッジポーズでは、深いくつろぎと横隔膜の動きが促される。仰向けになり膝を90度に曲げて足裏を床につける。かかとをお尻に向かって歩かせて、腰の幅に開く。足裏で床を押して骨盤をできるだけ高く引き上げる。仙骨の下にブロックを心地よい高さで置く。膝が開かないように、かかとの内側と親指の付け根に圧力をかけ続ける。上腕を胴体の下に入れて引き合い、床に押し付ける。あごを自然な位置に保つ。胸骨をあごのほうに引き上げる。3~5分間この姿勢を保持する。
⑥ヴィパリタカラニムドラ(壁に脚を上げるポーズ)
利用するプロップス:安定した椅子1脚、ブランケット (たたんで頭の下に1枚、腰の下に1枚、椅子の座面に1枚)。必要に応じて目を覆うもの。
このポーズでは腰を上げて脚を支えることによって、手前にたくし込まれている骨盤が自然な状態に戻る。椅子に向き合って、床に敷いたブランケットの上に座る。膝を曲げて、足裏を床につける。手を骨盤の裏側に当て、腰と背中を床に下ろしていく。ふくらはぎを座面にのせる。骨盤が前傾も後傾もしておらず、呼吸が奥深くまで流れるように、体の位置を調節する。腕をゆるめて、手のひらを上に向ける。深い呼吸を繰り返しながら2~20分間横たわっている。
1週間後に次のポーズを少しずつ加えていこう
⑦動的な四つん這いのポーズ
利用するプロップス:ブランケット1枚(たたんで膝の下に)。
四つん這いになり、骨盤が前傾も後傾もしていないことを確認し、足の甲を床につける。吸う息で、頭と尾骨を天井に向かって引き上げながら、骨盤底を伸ばす。吐く息で、背骨を丸め頭と尾骨を近づけるように動かしながら、骨盤底筋群を収縮させる。この牛のポーズと猫のポーズを呼吸に合わせて3~5回繰り返す。四つん這いに戻る。次に、骨盤を左右に動かして、骨盤底の筋線維を中央から両側に伸ばす。この尾を振るような動きを1分間続ける。四つん這いに戻る。今度は、骨盤のまわりにフラフープがあるつもりで腰をゆっくり回す。1分間回したら、反対方向に1分間回す。
⑧アンジャネーヤーサナ+ブロックを用いた回転運動(ローランジ)
利用するプロップス:ブランケット1枚(たたんで膝の下に)、ブロック2個。
ローランジを応用したこのポーズでは、股関節の内側と周辺に空間が生まれる。骨盤に痛みがある場合は、股関節が硬くなっている可能性がある。四つん這いになって手をブロックにのせる。右足を右手の外側に踏み出し、足先を少し外に向ける。すねと太腿の角度を90度にする。右かかとの内側を床にしっかり押し付ける。上のポーズと同じように、骨盤を回す。頭と尾骨は前傾も後傾もさせないこと。1分間回したら、反対方向に回す。反対方向に移る前にはバーラーサナ(チャイルドポーズ)で1分間休む。骨盤底の状態が左右で異なっているか観察しよう。
⑨アドームカシュヴァーナーサナ(ダウンドッグ)
このポーズで膝を曲げると、ハムストリングがゆるむため、骨盤のたくし込みが解消されて骨盤底筋群が伸びる。四つん這いから、両手を前に出して肩幅に開く。骨盤を手前にたくし込まないこと(つまり、牛のポーズの骨盤の状態と同じにしよう)。つま先を押し込んで、膝を床から上げる。腰を手から離すように強く引く。尾骨と坐骨を天井のほうに引き上げて、全身を伸ばす。大腿四頭筋を働かせて、骨盤を胴体から引き離すことによって、大腿骨を後方に押す。胸郭を安定させて、手に余分な体重をかけないようにする。ここで膝を曲げる。すると、尾骨と坐骨はさらに肩から遠ざかる。指を広げて、親指と人差し指の付け根でしっかり床を押す。耳を腕の内側に沿わせる。太腿を内側に回す。20秒~2分間保持する。
⑩プラサリタパードッターナーサナのバリエーション(立って両脚を伸ばすポーズ)
このポーズでは、骨盤を手前にたくし込まないことによって骨盤底を伸ばし、腰を痛めずにハムストリングを伸ばすことができる。ターダーサナ(山のポーズ)から始める。足を90~120cmに開いて平行にする。かかとの内側と外側、親指の付け根でしっかり床を押す。土踏まずを引き上げる。股関節から前屈して、手を床に下ろし、腕を真っすぐに伸ばす。恥骨とへその距離を保つ(腰を丸めないようにする)。頭を脊柱の延長線上に保つ。胸郭が前傾も後傾もしないようにする。ハムストリングを坐骨に向かって引き上げながら、左右の坐骨を引き離す。尾骨を天井に向かって引き上げる。
⑪サンドバッグを利用したくつろぎのポーズ
利用するプロップス:ブランケット4枚(たたんで頭の下に1枚、巻いて膝の下に1枚、巻いて足首の下に1枚、たたんで太腿の上に1枚。ボルスターを使ってもよい)。3~5㎏程度のサンドバッグなどの重し、必要に応じてアイピロー。
再びこの姿勢になって目を閉じる。呼吸を腹部と背中に回す。このポーズで深く呼吸すると、骨盤底は吸う息で伸びて、吐く息で収縮する。全身が地面に向かって解放されていくと想像しよう。5~20分間この姿勢で横たわっている。
低緊張状態に対処するシークエンス
①サンドバッグを利用したくつろぎのポーズ
利用するプロップス:ブランケット4枚(たたんで頭の下に1枚、巻いて膝の下に1枚、巻いて足首の下に1枚、たたんで太腿の上に1枚。ボルスターを使ってもよい)。3~5㎏程度のサンドバッグ1~2個。必要に応じてアイピロー。
写真のように各プロップスを配置する。仰向けになって脚を伸ばし、腕は体側に下ろして手のひらを上に向ける。目を閉じて、腹部と腰に呼吸を入れていく。この姿勢で深く呼吸すると、骨盤底は吸う息で伸びて、吐く息で収縮する。全身が床に向かって解放されていくと想像しよう。5~20分間この姿勢で横たわっている。
②ヴァジュラーサナ(稲妻のポーズ)
利用するプロップス:必要に応じて、ボルスター1個、ブランケット1枚(たたんで膝の下に敷く)。
骨盤底に意識を集中させて行うと、会陰を直接働かせることができ、脊柱も引き上げられる。左右の太腿を合わせてひざまずく。膝が腰の真下にくるようにして、つま先を押し込まず、かかとと坐骨を合わせる。かかととお尻の間にボルスターか、たたんだ厚いブランケットを挟んでみて心地よければ挟んでおく。かかとにお尻を下ろす。このときに、尾骨と坐骨を力強く引き上げて、骨盤が傾かないようにする。胴体の重さを坐骨に直にかけ続ける。尾骨を下に押し込まないこと。そうなってしまう場合は、お尻とかかとの間のプロップを厚くしよう。かかとにお尻を下ろすときには、かかとが広がろうとするため、かかとの外側、足首の外側、ふくらはぎの外側を積極的に正中線のほうに寄せる。手のひらを太腿にのせて、肘を少し曲げる。骨盤底を働かせるために、足の甲、足首の前部、すねの骨を床に押し下げる。1~5分間このポーズを保持する。
③ブロックを利用したターダーサナ(山のポーズ)
利用するプロップ:ブロック1個。
山のポーズをこのように行うと、脊柱と骨盤のニュートラルな位置がよくわかり、骨盤底筋群の働きを最大限に高めることができる。これは努力を要するポーズだ ! 両足を少し開いて直立する。太腿上部の内側でブロックを挟む。両足の左側と右側に均等に体重をかけて、指の付け根よりもかかとに少し余計に体重をかけて立つ。会陰の中心部が床と平行で、頭頂部の真下にくるようにする。普段よりも尾骨が突き出ているように感じるかもしれない。骨盤を手前にたくし込む傾向のある人にとって、これはよいことだ。太腿を少し内側に回して、ブロックを押し返す。この動きによって尾骨の両側に空間が生まれて、坐骨が左右に広がる。お尻の最上部を下向きに解放して背中から離す。大腿四頭筋を引き上げることによって膝頭を引き上げる。呼吸によってこの動きがどう変わるか観察しよう。頭頂部を会陰から離すように引き上げる。腕を体側に下ろし、手のひらを内側に向ける。1~5分間この姿勢を保持する。
④ブロックを利用した動的なウトゥカターサナ(チェアーポーズ)
利用するプロップス:椅子1脚、ブロック1個。
このポーズでは、脚のバランスの悪さを意識することができる。また、立つときと座るときに骨盤底をうまく使えるようになる。坐骨が座面の中央にくるように椅子に座る。足を床に平らに下ろして、すねを床に垂直にする。太腿でブロックを挟む。手を腰に当てる。かかとを押し下げながら、胴体をできるだけ直立させたまま立ち上がる。次に、これを逆に行って椅子に座る。椅子に座るときには、尾骨を突き出すようにする。数回繰り返す。
⑤ブロックを利用したパールシュヴォッターナーサナ(側面を強く伸ばすポーズ)
利用するプロップス:ブロック2個。
ターダーサナで立ち、両足の外側にブロックを置く。腰に手を当てる。股関節前面の向きを変えずに、右足を60~90センチ後方に引く。両足のかかとの内側と外側を押し下げながら、大腿四頭筋を収縮させることによって、膝頭を引き上げて脚を真っすぐに保つ。会陰部が頭頂部と一直線になるようにする。股関節から上体を前屈させる。頭と胴体を一直線にして、脊柱の前面を前の脚の上に伸ばしていく。胴体が床に平行になったときか、背中が丸くなり始めたときに動きを止める。ブロックに指先を軽くのせる。30~60秒保持したら、反対側に移る。
⑥ヴィーラバッドラーサナⅡ(戦士のポーズⅡ)
このポーズでは、両足をしっかり床に下ろして大腿骨を外旋させることによって、骨盤底が収縮し、胴体が安定する。山のポーズから両足を90~120センチ開く。右足はやや内側に、左足は90度外側に向ける。前の足のかかとと後ろの足全体に体重をかける。両足のかかとを寄せ合うように軽く押す。大腿四頭筋を収縮させて、膝関節を安定させる。両腕を上げて床と平行にし、引き離すように伸ばす。左膝を曲げて、すねが床に垂直になるようにする。恥骨をへそのほうに引く。お尻の上部の肉を腰椎から離すように伸ばす。1分間保持したら、反対側に移る。
1週間後に次のポーズを少しずつ加えていこう
⑦ブロックを利用したウッティタートリコナーサナ(三角のポーズ)
利用するプロップ:ブロック1個。
戦士のポーズIIから、前の脚(左脚)を伸ばす。ここでまた、両足のかかとを寄せ合うように押して、脚の内側から会陰部にエネルギーを引き上げる。右足のかかとの内側と外側でしっかり床を踏み、胴体を左側に倒して、左脚の真上に伸ばす。左手をブロックにのせる。右腕を天井に向かって伸ばす。左の坐骨を会陰部のほうに動かす。1分間保持したら、反対側に移る。
⑧ブロックを利用したウッティターパールシュヴァコーナーサナ (横に伸ばすポーズ)
利用するプロップ:ブロック1個。
三角のポーズから、両足の土踏まずを引き上げる。両足のかかと全体をしっかり床に下ろす。両膝を曲げて太腿をさらに外旋させる。すると、臀筋がさらに働くようになる。次に、後ろの脚を真っすぐ伸ばす。息を吐きながら前の膝を足首の真上に揃える。右脚(後ろの脚)の安定性を保ちながら、左手をブロックにのせる。1分間保持したら、反対側に移る。
⑨猫のポーズと牛のポーズ
四つん這いになり、骨盤を前傾も後傾もしていない状態にする。吸う息で、頭と尾骨を上に引き上げながら、腹部の筋肉の前面を伸ばす。吐く息で、脊柱を丸く上に引き上げて頭と尾骨を近づけながら、骨盤を手前にたくし込む。頭と尾骨をたくし込んでいるとき、骨盤底は収縮する。呼吸に合わせてこのふたつのポーズを3~5回繰り返す。四つん這いに戻る。ここで会陰部を素早く締めて、その後ゆるめる。これを5~6回繰り返し、数回呼吸する間休む。次に、息を止めずに締めている時間を長くして(5~10秒)数回繰り返す。1回ごとに休みを入れる。
⑩プランクポーズ
腹部と骨盤底の筋力を高めるのに最適なポーズのひとつ。持久力がつくまでは自分に優しくしよう。四つん這いから、手の指をしっかり広げて、人差し指の付け根全体を押し下げる。胸骨が崩れないようにしよう。同時に、腹部の筋肉を脊柱の方に引く。つま先を押し込んで、片足ずつ後方に下げる。体と頭が一直線になるようにする。太腿を引き上げながら腹筋を働かせて、腰が沈まないようにする。腰が高く上がっている場合は、肩が手首の真上に来るようにする。骨盤底筋群を頭のほうに引く。背中の上部を横向きに広げて、鎖骨を左右に開く。腰は押し込んでも反りすぎてもいけない。3~5回呼吸する間ポーズを保持する。
⑪セツバンダーサナ(支えのある橋のポーズ)
利用するプロップ:ブロック1個。
仰向けになり、膝を90度に曲げて足裏を床につける。両足を腰幅に開いたまま、かかとをお尻のほうに歩かせる。両足をしっかり踏んで、骨盤をできるだけ高く引き上げる。仙骨の下にブロックを入れて心地よく感じる高さに調整する。かかとの内側と足の親指に圧力をかけ続けて、膝が開かないようにする。上腕を胴体の下に入れて引き合いながら、床に押し下げる。あごを自然な状態に保つ。胸骨をあごのほうに引き上げる。3~5分間保持する。
⑫支えのあるヴィパリタカラニ(壁に脚を上げるポーズ)
利用するプロップス:ブランケット2枚(たたんで腰の下に1枚、巻いて首の下に1枚)。
この姿勢では、骨盤底が重力から解放されて全身がゆるんでくる。マットの上にたたんだブランケットを1枚敷く。もう1枚は首の下に敷く。壁に対して横向きに座って、腰の片側を壁に当てる。膝を曲げ、腰の向きを変えて脚を壁に上げてLの字をつくる。2~10分間この姿勢を保持する。
2017年に出版されたレスリー・ハワードの著書『 Pelvic Liberation: Using Yoga, Self-inquiry, and Breath Awareness for Pelvic Health(骨盤の解放:ヨガ、自分への問いかけ、呼吸への意識によって骨盤を健康に)』の抜粋。許可を得て転載(邦訳は未刊)。
指導●レスリー・ハワードは、現在急成長している骨盤のヨガを考案した世界的によく知られたヨガ指導者。sonima. comによって、アメリカの重要なヨガ指導者50人に挙げられた。カリフォルニア大学サンフランシスコ校の医学大学院の研究によって、レスリーが用いている方法が女性の骨盤の状態の改善に効果的であることが科学的に示された。詳しくはウェブサイトへ。 lesliehowardyoga.com
モデル●レノア・キタニは、コロラド州ボルダーでアイアンガーヨガの指導と理学療法をしている。
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