シンガポールで学んだスパイスカレーの魅力|今こそ実感したい、スパイスの力とは
インド料理の美味しさを満喫するなら、素手で食べてみるのが吉
ここで気になり始めたのが、ここシンガポールでもインド料理店で周りを見渡すと、皆素手を使ってミールスを楽しんでいるという点です。店内でカトラリーを使っているのは自分だけだと気づきました。
ここまでは1人でお店に入って食べていましたが、ちょうどインド人の友人からランチに誘われたので「ミールスを一緒に食べたい」と伝えたところ、連れて行ってくれることに。4店舗目の「SAKUNTHALA'S FOOD PALACE」です。
テーブルにミールス が配られると、友人のインド人のマダムが「インド式に食べてみたら」と言い、「まずは手を洗いましょう」と、一緒にレストランの水道で両手を清めました。そして、ごはんにカレーをかけ、右手でカレーとごはんを混ぜながら食べる作法を見せてくれました。
今まで、素手でものを食べた経験としておにぎりや寿司などがありますが、考えてみたら熱いものを素手で食べたことがありません。しばしためらっていると、インド人の友人が「大丈夫。カレーが熱い場合にはヨーグルトをかければ熱くないわ」と言って笑いました。おそるおそるカレーのかかったごはんを触ってみると、それほど熱くなく、友人がするように指先で混ぜて食べてみました。美味しい。
好きなものに直接触れると、そこに一体感と愛着が生まれる気がします。以前、美容取材を担当していた頃には薔薇のコスメをたくさん買い、コスメの展示会に通い、庭で薔薇を育て、薔薇の花びらのお風呂に入っていました。今回、素手でインドカレーを食べたことでインドカルチャーの学びとの距離がほんの少し縮まった気がします。カレーやヨーグルトを手で混ぜると、指先で自分好みの味に近づけ、調整しやすいこともわかりました。
4つの店舗で実際にミールスを食べてみて、カレーとヨーグルト、副菜を自由に混ぜることによって何通りにも味の種類を広げていけることに驚きました。家の近くにインド料理店がない場合にも、ネット上にスパイスカレーのレシピがたくさんあります。自宅でスパイスカレーを作る場合、材料は廉価で集められますし一度スパイスを買えば冷蔵庫で半年は保存ができるので、いろいろなスパイスカレーをつくることが出来ます。体に様々な良い効果をもたらすスパイスを使ったインドカレー。ぜひみなさんもお試しください。
ライター/栗尾モカ
漫画家 / コラムニスト。横浜育ち・シンガポール在住。国際線CAを経て出版社へ。女性誌「STORY」等で10年間取材をした経験をに描いたコミックエッセイ『サロン・ド・勝負』(KADOKAWA)『女のネタ帖』(学研)がある。現在、SingaporeのYoga Instructor Certificate Courseに通学中。また、スパイスの魅力に惹かれインド人料理研究家からアーユルヴェーダを用いた料理を学んでいる。
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