自然災害やウイルス流行など...世の中に惑わされない心を作る方法とは?臨床心理士が解説
自然災害や疫病、事件など、私たちの日常生活を脅かすかもしれない状況に陥った時に起きる集団の心理とは?臨床心理士である筆者がお答えします。
日用品の買い占め...なぜ?
1973年のオイルショックによるトイレットペーパーの買い占めは有名な話ですが、今年起きたコロナウィルスの流行でもトイレットペーパーが店頭から消え、不安を覚えた人も多いのではないでしょうか?自然災害やウィルスの流行、事件などによって日用品がスーパーからなくなるという光景はもはや珍しいものではなくなりました。なぜこのような事態になってしまうのでしょうか。こうした現象が起きるのは【集団心理】の原理によるものなのです。
集団心理の法則とは
【集団心理】とは、集団の中だからこそ起きる特殊な心理状態のこと。社会心理学者のル・ボンは、集団心理に法則を見出し、以下の4つを挙げました。
道徳性の低下
集団になると個人のモラルが低下し、無責任な行動を取りやすくなる。
被暗示性の高まり
集団になると周囲の情報の暗示にかかりやすくなり、ネガティブな心理が感染しやすくなる。
思考の単純化
普段はきちんと考えることができる人でも、集団に入ることで自分の考え方ができなくなり、物事に対する見方や考え方が冷静でなくなる。
感情的な動揺
感情の動揺が強くなり、興奮状態になる。
この法則に加え、集団の中では匿名性が強まり、責任が問われないような状況が起きやすく、自分を規制する意識が低下しがち。このことは【没個性化】と呼ばれ、集団の色に染まって個人でいる時とは全く別の行動を取ります。世の中で行われる日用品の買い占めなども集団に影響されて起きる現象と言えるでしょう。
こんな時、私たちはどうあるべき?
マスコミの報道やSNSなどの拡散により様々な情報が飛び交い、不安や焦りからいつもとは違う行動に出たくなるのも当然のことかもしれません。しかし、世に飛び交う情報の中には、嘘か本当かわからない曖昧なものが多いのも事実。そのような情報に振り回されることで、本当に必要な人に必要なものが届かないという状況を作りかねません。そんな中で私たちに求められる姿として以下のことが考えられます。
まずは深呼吸
不安や焦りなどネガティブな感情でいる時には、冷静な判断がしづらいもの。『まずは一呼吸』を普段から心掛けましょう。この一呼吸が、不安定な状況に置かれパニックになっている私たちの目を覚ましてくれるかもしれません。
「自分はどう思う?」
外部からの情報に振り回されるのは、他者基準で物事を捉えることがクセになっているからかもしれません。こういった事態だからこそ『自分はどう思う?』と考えることが大切なのかもしれません。しかしこれは急にできることではないので、普段から『自分にとって必要なものは何?』『私だったらどうする?』と自分に問いかけ、自分で選択することを習慣にしていくことをオススメします。
【今】に意識を向けること
ネガティブな感情に支配される時、私たちの目が向くのは過去に起きた出来事や思い出であったり、先の見えない将来のこと。過去は取り戻せないし、未来をコントロールするのも現実的ではありません。そんな時こそ【今】に意識を向けるのが大切なのではないでしょうか。例えば、【今の私に本当に必要なことは何か】と一旦踏み止まってみると、やるべきこと、やらなくていいことが見えてくるでしょう。
この先もウイルスの流行や自然災害など、予測できないことが私たちの眼の前に立ちはだかるかもしれません。だからこそ、【外部の情報や他者に振り回されない自分】を持っておくことが大切なのではないでしょうか。そのために普段から呼吸法や瞑想、アーサナの練習などを通して【自分自身との対話】【自分で選択すること】を習慣にしておくことが必要かもしれませんね。
ライター/南 舞
臨床心理士。岩手県出身。多感な思春期時代に臨床心理学の存在を知り、カウンセラーになることを決意。大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。
Instagram: @maiminami831
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く





