知ったかぶりする人の特徴と知ったかぶりされたときの4つの対処法|心の専門家が解説
「知ったかぶり」とは、本当は知らないのに知っているふりをすること。身近に知ったかぶりする人がいて、困っている人もいるかもしれません。今回は知ったかぶりする人の特徴や知ったかぶりされた時の対処法を解説します。
知ったかぶりする人の特徴
基本的に「知ったかぶり」の背景には、「何とかして良好な人間関係を作らなければいけない」という不安や緊張が隠れています。
そして、不安や緊張へのその人なりの対処法が
・マウント型
・同調型
・取り繕い型
という3タイプの知ったかぶりを生み出しているのです。この3タイプについて、それぞれ見ていきましょう。
人よりも「優れている」と思われたい「マウント型」
人よりも「優れている」と思われたいがための知ったかぶりが、「マウント型」です。どんな知識でも持っている自分を演出することで、みんなから称賛され、認められることを求めています。
その裏には「特別な何かがなければ、自分は誰からも相手にされない」という強い不安や恐怖があります。
人と「同じ」でありたい「同調型」
人と同じようにふるまいたいため、よく知らない話題でも知っているフリをするのが「同調型」の知ったかぶりです。
場の空気を壊さないために、よくわからないことでも、わかっているふりや面白がっているフリをします。「ほかの人と違うことがばれると、みんなから仲間外れにされるのではないか」と恐れているからです。
人よりも「劣っている」のは絶対避けたい「取り繕い型」
「知識がない=劣っている」と考え 知識があるフリをするのが「取り繕い型」の知ったかぶりです。「みんなの前で知識不足があらわになると、馬鹿にされ、見下されるのではないか」と恐れています。
なぜ「知ったかぶり」は周囲の負担になるのか?
どのタイプであっても、知ったかぶりは、不安や恐怖を乗り越えながら、社会や関係のなかで生きるためのその人なりの大切なスキルという側面があります。
しかし、周囲の人にとっては負担になることも。どんなことが負担になるのでしょうか?
基本的に負担になるのは「マウント型」
他者にとって負担になりやすいのが「マウント型」の知ったかぶりです。
マウント型の人たちは、「自分の方が上」と主張するために、あやふやな知識を延々と語って知ったかぶりをします。また、他者に知識がないと見ると「こんなことも知らないの?」と劣っているところをチクチクつついてしまいます。
このような言動に嫌気がさすのは自然だと言えるでしょう。
期待と失望の落差が大きいことに疲れる
知ったかぶりをされると「この話題をわかってくれるんだ!」と期待します。ところが嬉しくなって話をしていると相手はあやふやに頷くばかり。「知ったかぶりか」と失望が押し寄せます。場合によっては「自分だけ盛り上がって恥ずかしい」「裏切られた」などネガティブな思考が浮かぶかもしれません。
このように感情が大きく揺れ動いて疲れるのも、知ったかぶりを負担に思う要因と考えられます。
知ったかぶりへの4つの対処法
ここからは「知ったかぶり」に出会ったときの対処法をご紹介します。
「知ったかぶり」を人前で指摘しない
知ったかぶりをする人は「知らないと言うとバカにされたり、責められたり、攻撃されたりするだろう」と思っています。つまり、人間関係に安心できていないからこそ、「知ったかぶり」という鎧で身を守っているのです。
人前で指摘してしまうと、知ったかぶりをしていた人たちは、ますます人間関係が怖くなります。どうしても指摘しなければいけないときは、1対1でさらっと行いましょう。
フラットに扱う
知ったかぶりに対して、強く非難するのも、過剰に褒めるのもNG。どちらにせよ「もっと知っているフリをしなければ!」と知ったかぶりをする姿勢を強める危険性があるからです。基本的には特別な扱いをせず、ほかの人と同じようにフラットに関わることを意識しましょう。
知ったかぶりをしなくても受け入れられる環境に居続けると、知ったかぶりは減っていきます。
仕事で必要な確認は一緒に行う
仕事での知ったかぶりを放っておくと、あとで大きなトラブルに発展する可能性もあります。
「念のため確認しておきましょう」「全員やってもらっているので」など言って、確認しましょう。間違いなどあれば「ここ間違いやすいですよね」などプライドを傷つけない形でフォローするのも良いかもしれません。
プライベートの知ったかぶりは聞き流すのもOK
つい知ったかぶりをして「しまった!」と思っているのは本人も同じ。日常での雑談で出てくる知ったかぶりは、素知らぬ顔で聞き流してあげても良いかもしれません。
AUTHOR
佐藤セイ
公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。
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