「どうして私は要領が悪いの…」要領が悪い人に共通する4つの特徴と対処法とは?【臨床心理士が解説】
「どうして私は要領が悪いんだろう」と悩んでいませんか?実は、要領が悪い人には共通する特徴があります。今回は要領が悪い人の4つの特徴を分析し、対処法を解説します。
そもそも「要領が悪い」とは?
「要領」とは、最も大事なポイントを押さえて物事を処理すること。
つまり、「要領が悪い人」とは、大事なポイントを外した言動をとりがちな人を指します。
要領が悪い人の特徴4選
要領が悪い人の特徴としては、
・計画性がない
・完璧主義
・パターンをつかめない
・自分1人でやろうとする
という4つが挙げられます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
計画性がない
「計画性がない」とは、
□思いつきや気分で行動する
□優先順位を決めない
□あとで一気にやろうとするが間に合わない
という項目に当てはまる状態を指します。
この結果、仕事のクオリティが不十分な状態で期限を迎え、「要領が悪い」と言われます。
完璧主義
「完璧主義」の場合は、
□99%の完成より1%の未完成が気になる
□期限より完成度を高めることを優先する
□情報を取捨選択せず、すべて伝えようとする
などの言動により、自分の担当する仕事がいつまでも終わらなかったり、相手が必要としていない情報をだらだらと伝えたりして、周囲に負担をかけます。その結果、「要領が悪い」と判断されてしまいます。
パターンをつかめない
要領の悪い人は、「パターン」をつかめないのも特徴です。
例えば、
□外出の直前に「何を持っていくんだっけ」「何を着ていこう?」と慌てる
□ビジネスメールの内容を1から考える
□書類作成を頼まれたら「新規作成」をする
など、いつも自分の力で生み出そうとします。
上記のように、何度も繰り返す行動については「相手別」や「状況別」のパターンを用意しておけば、考える時間を減らし、スムーズに行動できます。しかし、要領が悪い人は毎回1から考えてしまうのです。
自分1人でやろうとする
何でも自分1人でやろうとするのも、要領が悪い人の特徴です。
□「自分でやらなければ」と過剰な責任を感じている
□「自分ならできるはず」と過信して他者や道具に頼らない
□自分ができないことや不得意なことでも頑張ろうとする。
自分でやってみるのは成長するために大切なことです。しかし、スムーズに仕事をこなすことが最優先となる状況では、目的から外れた要領の悪い行動になってしまいます。
要領の悪さへの対処法
それでは、要領が悪いときに試してほしい対処法をお話しします。
やるべきことを書き出す
頭のなかだけで「まず○○をして、次に○○をして…」と考えながら行動していると、やるべきことの抜け漏れが発生しやすくなります。
まずは、今抱えているタスクをすべて書き出すことから始めましょう。「書類をポストに投函」「ゴミ出しをする」などの小さなタスクも忘れやすいので書き出しておきましょう。
優先順位をつける
タスクを書き出したら、優先順位をつけます。
・納期
・必要な時間
・未完了時のデメリット
などをふまえて考えてみましょう。
優先順位が高いタスクから着実に終わらせていけばOKです。自分で判断できなければ、周囲の人に相談してみても良いでしょう。
トラブルに対応する時間も確保する
トラブルに備えた時間も確保しましょう。
どれだけ完璧なスケジュールを立てても「風邪で寝込んでしまった」「思いがけず資料作成に時間がかかった」などのトラブルはつきもの。予定が崩れたときでも、スケジュールを調整できるように、あえて予定を詰め込まない時間を確保しておくと安心です。
依頼主が求めるゴールを確認する
タスクの「依頼主」が求めるゴールを確認しましょう。
基本的には依頼主が求める水準以上のクオリティは必要ありません。わからなければ直接聞き、お互いのゴールのイメージを擦り合わせておくと安心です。
タスクに集中できる環境をつくる
タスクをこなす環境に、色々なモノがあると気が散ってしまいます。例えば、書類仕事をしようと机に向かって、気づいたらスマートフォンを触っていた…なんてことはよくあることです。
タスクに取り組むときは、
・机の上には必要なものだけ置く
・やるべきタスクを書いた紙を目の前に貼る
・タスク以外の気になることは紙に書き出しておき、あとで処理する
など、タスクから気持ちが逸れない工夫をしましょう。
テンプレートをまとめる
ビジネスメールや書類の形式は大きく変わりません。過去に作成したものなどをもとに、テンプレートを作成して保存しておきましょう。
また、プライベートでも、
・外出先別の持ち物チェックリスト
・服のコーディネートリスト
など、一定のパターンを作っておくと、出かける直前にバタバタするのを防げます。
不得意をカバーするヒトやモノを見つけておく
どうしても不得意なタスクについては、自分で何とかしようとせず、得意な人を探しておくのも手です。ただし、一方的に頼ってばかりでは拒絶されてしまうかもしれません。自分が得意なことがあれば、率先してサポートすると良いでしょう。
また、モノも上手に活用しましょう。例えば、
・リマインダーアプリでスケジュール管理
・生成AIで文書の下書き
などができるかもしれません。
AUTHOR
佐藤セイ
公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。
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