魂を磨いてくれるヨガ|ヨガの持つ二面性と恩恵とは
ヨガの八支則
正式に言うなら、真のヨギーになるにはヨガの八支則のすべてを練習する必要がある。1段階目は「ヤマ」。私たちが本質とつながるために守るべき社会的道徳のことで、非暴力、誠実、不盗、禁欲、不貪があげられている。二段階目は「ニヤマ」。より調和のとれた人生を送れるように内外の経験を整える行動規範のことで、清浄、知足、苦行、学習、信仰を実践すべきとしている。「アサナ」は次の三段階目にあたり、瞑想に適した安定して快適な座法を身につけるためのポーズ練習である。次の「プラーナヤーマ」では、呼吸をコントロールすることにより生命エネルギーを調整する。5段階目の「プラティヤハーラ」では物質的な外界に向いている五感の知覚を内側の静けさに向ける練習をし、それが身についたら6段階目の「ダーラナ」で意識を一点に集中させ、7段階目の「ディヤーナ」では瞑想した状態で自我が源や宇宙意識と繋がる練習をする。そして最後の8段階目「サマーディ」で結合に至り、至福に満ちた純粋意識を常に味わうようになる。
これがヨガの霊的な道だ。生涯(あるいはもっと長く)かかる修練であり、完成することは決してないのだ! 私たちは今できることをただやるしかない。続けてさえいれば、ヨガの様々な要素は身体、感情、心、魂に恩恵をもたらしてくれる。
だがヨガのスピリチュアル性については誤解されることが多い。ヨガの仲間同士で愛や光について話すのを独善的なカルトとして捉える人もいれば、ヨガの霊的側面の真実性を疑う人々もいる。はっきり言うが、ヨガは宗教でもカルトでもない。
むしろヨガは、すべての意識や創造物の源が一つであることに気づかせてくれる人生と解放の哲学であり、それゆえすべての宗教や信仰にも通じていると言えるのだ。経験や信念に関わらず、誰もがヨガを練習することで身体的な健康や、瞑想の静寂の中での精神的な目覚めを得ることができる。どのような霊的概念を持っていようとも、ヨガはその概念とおがりを深めてくれるのだ。
ヨガは生涯かけて行う探究であり、害になることはない。無数の恩恵を内包した深遠な驚くべきこの伝統は、誰にでも効果をもたらす。様々なティーチャーや流派のヨガを試し、自分に合ったタイプのクラスを見つけよう。常にサポートや励ましや温かさを感じられて、苦痛や恐れがないことが大事だ。平和や思いやりについて話すことにはじめは抵抗を感じても、まずは皆がポジティブな資質を高めようとしている場にいることに感謝してみよう。これは毎日の生活にも取り入れてほしい練習だ。同じような価値観を持つ仲間づくりにもつながるだろう。ぜひとも楽しみながら心身と魂を解き放つ練習をしよう。
ジェニー・リー
ヨガセラピストとして、17年以上にわたり何千人ものクライアントに古典的なヨガと瞑想の癒しの効果を紹介している。著書「True Yoga」にも書いた処方を通じて、彼女は人々が不安感やうつ、苦悩、PTSD、注意欠陥、摂食障害、人間関係を乗り越える手助けをしている。
ヨガハワイマガジン/「The Spiritual Side of Yoga」
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く