聖者パタンジャリが説いたヨガの経典「ヨーガ・スートラ」の八支則(アシュタンガ)の第2段階で出てくる教え。心の安定に役に立つすすんで行う、個人的な行動規範を示すもので、日本では勧戒と訳されている。(第一段階で出てくるヤマは、心の安定を阻害する要素を禁じる、社会的な行動規範で禁戒と訳されていて、それぞれに5つの教えがある)
ニヤマ(5つの勧戒)
(1)シャウチャ(清浄)……心身を清らかにする。
沐浴や掃除により、体や生活する場所を清らかに保つのということはもちろんのこと、心も同様にほっておけば汚れることに気づき、清めていく。
(2)サントーシャ(知足)……満足せよ 足ることを知れ
必要なものは全て与えられている、不足なもの、余計なものは1つもないという教え。
人間は与えられていることは、つい当たり前に思いがちで感謝を忘れ、無いものを求める、また都合の悪いことを避けようとする。そこから不平不満、不幸という心の動きが生まれる。この不平不満から解放するための教え。苦しみと感じることが起こっても、それが今の自分に宇宙(神)が与えて下さっているものとし、その経験をもとに工夫をして活かそうとする生き方の教えでもある。
(3)タパス(修練)……訓練せよ 鍛えよ
正しく訓練して生命力をより強く育てる。苦行と訳されることもあるが、本来は、今の自分では苦しく感じることを、鍛えることで苦しく感じない自分に育てていくことを指す。苦しいことを実践しなさいということではなく、苦を楽に変えていく実践の教え。
(4)スワディヤーヤ……聖典の学習、自己の探求
スワは「自己」、アディヤーヤは「源に向かう」という意味がある。その方法が伝統的には聖典の学びになるため、聖典の学習と解釈されている。聖典の読唱を何度も繰り返し、聖典の内容と自分が一体となる=真実と一体となる行法の実践を指す。単に情報を知ったというレベルの学習では無く、智慧になったというレベルまで修練することを指す。
(5)イシュワラプラニダーナ
イシュワラは神々(自在神、宇宙神)、プラニダーナは祈念、信心、帰入を意味する。全てのことに、良く悪いはなく、全ては神の意であると捉らえる練習。全ての存在に神を見て、全ての中に尊さを見出し、その存在に捧げる生き方を指す。
「ヤマ・ニヤマ」ってルールなの?知っておきたい大切なこと
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