ヨガ的メンタルヘルスガイド【コロナ禍で「健やかな心」を保つためのヒント】

ヨガ的メンタルヘルスガイド【コロナ禍で「健やかな心」を保つためのヒント】

ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!今、世界中の人々が新型コロナウイルスのパンデミックと闘っている。専門家によると、私たちが次に直面するのは未曾有のメンタルヘルス危機だという。本記事では、コロナ禍でも健やかに成長し続けるための最新科学や専門家の助言、心を癒す実践を『ヨガジャーナル日本版』76号、77号に渡って紹介する。

この18カ月、恐れや不安、絶望、暗い気持ちにさいなまれているのは、あなただけじゃない。ウイルスの世界的流行、社会不安や失業、低迷する経済、さらには数え切れないほどのZoomミーティングなど、はっきり言って散々な1年半だ。
米国心理学会(APA)によると、この致命的なコロナウイルスのパンデミックはワクチン接種の普及によって転換点を迎えたものの、まだ収束にはほど遠い。
APAの最高経営責任者、アーサー・C・エバンス・ジュニア博士は「パンデミックに伴う長期的なストレスが、悲しみやトラウマや孤立感によってさらに増大していることを危惧しています」と述べている。APAが実施したストレスに関する最新の調査によると、アメリカの成人の67パーセントがパンデミック以降、睡眠の質が悪化し、約4分の1の人がストレス解消のための飲酒量が前よりも増えたと回答している。
『ヨガジャーナル』初のメンタルヘルス調査でも同様の結果が出ており、アメリカ版読者の大多数が以前よりも不安(66パーセント)や心配(56パーセント)を感じていることがわかった。
これらの数字が示している精神衛生の危機的状況は、今後何年にもわたって精神的、肉体的に深刻な影響を及ぼすと思われる。
ヨガや瞑想、マインドフルネスが精神的な不調や感情のコントロールに役立つことは、多くの研究で明らかになっている。だが『ヨガジャーナル』読者の半数以上が過去1年間にストレス、不安、気分の落ち込みなどの理由でヨガを中断したことがあると答えている。確かに、悩んでいるときに自分の思考に寄り添う余裕なんてないかもしれない。でも忘れないでほしい。気が進まなくても、ひとたび練習に戻れば自分自身の治癒能力に気づくはずだ。
「どのような経験をしても、それがあなたという人間を決めるわけではありません」とリーダーシップと〝小さな習慣メソッド(Tiny Habits)〞の認定コーチのアミット・ライカーは言う。「困難な状況に陥っても、あなたの心の奥の本質は既に完全な存在であることを忘れないでください」
その完全性を取り戻せるように、私たちはヨガ実践者のためのメンタルヘルスガイド決定版として、この特集を組んだ。専門家によるカウンセリング(調査時点では36パーセントの人々が利用していた)に代わるものはないが、心理学者や一流のヨガ・瞑想の指導者たちによる最新の研究、アドバイス、実践が満載のこの記事を活用して、より明るい明日を迎えてほしい。
 —リンゼイ・タッカー

落ち着きを育もう:不安を解消する方法

落ち着きを育みたいとき...

昨年の春にロックダウンが数週間行われる可能性が出てきたとき、私たちはスナックを買い込んでリトリート(短期間の隔離生活)に備えた。当時はこんなに長期にわたって規制措置がされるとは思いもしなかった。パンデミックが長引くにつれ、不安症状を訴える人が急増した。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、調査対象者の約40パーセントが精神的な不調があると回答しており、その数はなんと前年の3〜4倍にものぼる。
応用心理学者で、ヨガ療法士、E・RYT500ヨガ指導者のダイアン・マラスピーナ博士は、このような状況下で不安(心配、緊張、気分が落ち着かない)を感じるのは当たり前で、異常ではないと話す。結婚式の準備や離婚などストレスがかかるライフイベント(ポジティブとネガティブなものの両方)に際して不安が増すことはある。だが、ストレスフルな状況が終わっても心配事が消えない場合は、全般性不安障害(GAD)の可能性がある。

ストレスが体に与える影響
身の危険を感じると、体はストレス要因に対処するためにホルモンを分泌する。脳は本能的に闘争、逃走、凍結の反応を始め、心拍数が上昇して呼吸は浅く速くなる。脅威がなくなれば、少なくとも次の脅威が発生するまで、体のシステムは正常に戻る。
だが「脅威」が継続していて、容易に逃げられない危険な状況に容易に逃げられない危険な状況にある場合、私たちは完全にリラックスすることができない。ストレスホルモンが増え続けて全身に負担がかかり、高血圧、心臓病、胃腸障害、免疫力低下などの慢性的な健康問題を引き起こすリスクが高まる。
「不安を抱えている患者には、頭痛や背中の痛み、肩や背中の緊張などの身体症状がみられます」と、ノースカロライナ州の臨床カウンセラーでRYT200ヨガ指導者のジョネット・ウォルサーは言う。「身体的な不調に見えるので、不安によるものだと気づかないのです」

ヨガでリセット
幸いなことに、ヨガは昔から不安を和らげる手段として用いられてきた。マラスピーナ博士によると、その効果は科学的にも裏付けられており、医療従事者たちも患者の治療プランにヨガを取り入れ始めているという。
ネガティブな思考パターンをリセットするのに役立つマインドフルネスの実践や、迷走神経を整える動きや呼吸法(後ページ参照)は、不安を抱える人に特に有効だという。
突然不安に襲われたときは、取り急ぎランニングや散歩をしたり、呼吸に気を配るだけでも頭がすっきりする。その後、準備ができたら瞑想などのマインドフルネスの実践や、ナーディショーダナ(片鼻呼吸法)のような呼吸法を行うとよいだろうと、彼女は説明する。
 —タマラ・ Y ・ジェフリーズ

ヨガ的メンタルヘルスガイド
落ち着きを育もう

カモミールは昔から安眠に効くとされてきたが、長期的な不安を和らげる効果も期待できる。ペンシルベニア大学の研究者によると、医薬品グレードのカモミールエキス500㎎を1日3回摂取した人は、不安症状が軽くなり、副作用もほとんどなく、摂取をやめた後の再発までの時間が長いことがわかった。その後の追跡調査でも、カモミールを摂取した被験者は、プラセボを摂取した被験者よりも不安症状が少ないことが確認された。さらに健康効果として、摂取者の血圧低下や体重減少がみられたという報告もある(「幸福感をもたらすレシピ」を参照)。

photos by WACOMKA/SHUTTERSTOCK, SUPAKRITPUMPY/ISTOCK, VECTORV/ SHUTTERSTOCK,
illustration by SIMON2579/ISTOCK
food styling by Nancy Zamparelli
translation by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.76掲載

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