【心の専門家が解説】コロナ禍の今、心の休憩を取るべき理由と「7つの方法」


心の休憩がこれまで以上に重要になっています。今回は、専門家たちがその健康上の利点について話し合い、7つの方法をご紹介します。その中の1つをまずは試してみませんか。
メンタルヘルスのケア、実践している?
新型コロナウィルスによるパンデミックが私たちに教えてくれたことが1つあるとすれば、メンタルヘルスのケアがこれまで以上に重要になっているということでしょう。それを実行する方法は? 特に家で過ごす時間が長い場合や、以前よりもストレスを感じている場合は、1日を通して心の休憩を取りましょう。
心の休憩は単純な目的を果たします。「意識的に、ストレス解消をもたらす何かに心の焦点を向ける努力をします」と、シカゴ在住の臨床心理士/心理学者であり、認定音楽療法士でもあるべサニー・クックPsy.D.(心理学博士)は言います。瞑想したり、スマホなどのデバイスを使わずに散歩したり、料理やお菓子作りをしたりすることも考えてみてください。「主な目標は、日常生活や現代生活のストレスから逃れるためのスペースを自分自身の心に提供することです」。
多くの人が常にGOモードで、滅多に休憩時間を取らないことを考えてみれば、これがもちろん鍵となります。「ほんの数分でも構わないので少しの休憩時間を取ると、自分が感じていること、必要なこと、身体的に何が起こっているかなどを知り、調整することができます」とニューヨーク市にあるコロンビア大学付属のヘルスセンター、コロンビアヘルスの臨床心理士で、うつ病研究財団(Hope for Depression Research Foundation)のメディアスポークスパーソンであるミシェル・ゴールドマンPsy.D.は述べています。すぐに、もっとグラウンディングする感覚を得て、ストレスや緊張が少なくなり、再充電されて再びエネルギーを得たように感じるでしょう。
心の休憩はこれまでも常に健康の鍵でしたが、これまで以上に重要になっています。「特に自分の周りで起こっていることに意識が集中しているパンデミックの最中だからこそ、自分の内側に再接続し、体が本当に必要としていることに意識を向ける必要があります」とゴールドマンさんは言います。
しかし、心の休憩を取る時間がない場合はどうなるのでしょうか?どんどん疲労が溜まっていくため、賢明な選択ではありません。「最終的に、その日の疲れから解放されるのにかかるリカバリータイムは、しっかり休憩した人よりも長い時間がかかるでしょう」とクックさんは言います。また、感情を調整するのが難しくなり、イライラしやすくなります。言うまでもなく、おそらく無気力を感じ、集中力と注意力に欠けるようになります。
長期的に、健康上のダメージを受けるかもしれません。睡眠不足、体内のストレスホルモンの増加、メンタルヘルスへの悪影響はすべて結果として生じる可能性がある、とゴールドマンさんは言います。さらに酷いことが起こる可能性も?精神的または肉体的な衰弱を起こしやすいかもしれません、とコールさんは言います。
幸いなことに、心の休憩は長ければ良いというわけではありません。実際、1分ほどの短い時間であっても効果がある、とゴールドマンさんは言います。心の休憩時間を1日に何度取るかはあなた自身が決めれば良いのです。クックさんの場合、1日に4回「短めの」心の休憩(午前2回と午後2回)を取ると効果的ですが、彼女はその時間を確保するのに苦労していることを認めています。しかし、それらを実行する日は、気分が良くなり、家族への不満は少なくなります。
心の休憩を取る前に、自分自身と向き合い、その瞬間自分がどう感じているか理解しましょう。「これは、心の休憩中、自分自身に必要なものを理解する上で役立つため、不可欠です」とゴールドマンさんは言います。また、休憩を取る際、今ここに、そしてこの瞬間に存在しましょう。「ついついしてしまいがちですが、スーパーで買わなければいけない物について考え始めたら、本当に休んでいるとは言えません」と彼女は言い加えます。しっかり休憩を楽しむことが重要です。
心の休憩中に何をすべきかもっと知りたい?それなら、以下の心の休憩のための7つの戦術のいずれかが自分の心に響くかどうかを試してみましょう。
1.漸進的筋弛緩法を実践する:
この方法では、体の様々な筋肉群を緊張させて解放することを知ることができます。ゴールドマンさんは、リラックスしようとしたときに自分がどれほど緊張しているかを知るのに役立つと言います。「体のどこで緊張が起こっているかを知れば、リラックスする方法がわかるようになります」と彼女は言います。

2.音楽を色々試してみる:
音楽は心の休憩の強力な味方になります。「精神を集中し、音楽を聴いているとき(好みに関係なく)、精神のほぼすべての領域への血流が増加していることが脳の画像検査で示されます」とクックさんは言います。「音楽のメロディーに合わせて自由に思考するようになるだけでなく、脳は血流とニューロンの発火を初期化します」。ビートのリズムに体が乗って、体の内部に一致するような音楽をかけましょう。たとえば、怒っている場合は、穏やかな音楽を流さないでください。音楽の雰囲気が体と同期していないため、かえってイライラします。「音楽を現在のエネルギーレベルに合わせてから、曲を切り替えて、体が必要とする場所へと移動させていきます」と彼女は述べます。必要なのは2〜3曲です。お気に入りのCE(クリーン・イーティング/可能な限り自然に近い状態の食品を摂取する食事スタイル)レシピを作りながら試してみてください。ここに、あらゆる種類の料理のための音楽プレイリストがあります。

3.呼吸を練習する:
深呼吸について何度も何度も耳にしたことがあるのには理由があります。簡潔に言うと、深呼吸は効果があります。深呼吸をするには、家の中でストレスと関係のないスペースを見つけるか、外に出てください、とゴールドマンさんは言います。落ち着くと感じたら、寛いで息を吸い込み、ニーズに合わせて呼吸します。神経系のバランスをとるため、例えば2カウントなど同じ量のカウントで息を吐きます(したがって、2カウントで息を吸い、2カウントで息を吐きます)。ストレスや不安を感じていますか?それなら、息を吐く長さを2倍にします。無気力を感じますか?吸う息の長さを2倍にします。これは、数分間で行えるいくつかの呼吸法を紹介したすばらしいビデオをご紹介しましょう。

4.子供の頃に好きだった活動や趣味をトライする、もしくは新たなものを見つける:
基本的な生命の維持(睡眠、食事、運動、仕事など)とは関係のないことをするときはいつでも心がリラックスできます。「心の休憩は、心がリラックスし、クリエイティブになり、警戒心が常に全くない状態で、前向きな気持ちや感覚で満たされる何かに集中できているときに起こります」とクックさんは言います。また、大人の塗り絵が流行っている理由もこのことによると彼女は言います。

5.読書で寛ぐ:
フィクションを読もうが、ノンフィクションを読もうが、テープで本を聴こうが、いずれも心の休憩を得られます。「読書は、あなたがその瞬間に存在し、集中するでなく、視覚的な想像力をも必要とします。これもまた、“今ここ”での集中を必要とします」とクックさんは言います。

6.嗅覚を働かせる:
何か独特の香りや非日常的な香りを嗅ぐと、意識がそこに向き、即座に心の休憩を行うことができます。そのため、クックさんは一般的な活動に新しい香りを導入することを提案しています。例えば、大きなオレンジをシャワールームに持っていき、シャワーを浴びながら、皮をむき、匂いを嗅ぎ、顔に押し付けます。または、ストレスを解消することが実証されているアロマテラピーの香りを試してみましょう。

7.体を動かす:
あなたがフィットネス志向の魂を持っている人なら、動きがいかに活力を与え、精神的な不調から脱出させてくれるかを知っています。ジムに行って運動するのを待つ必要はありません。デスクワークが多い人なら、代わりに1日を通してムーブメント休憩を取りましょう。時間がなければ、椅子の上でストレッチをしても良いでしょう。外に出て数分でも良いので体を動かすことができればより効果的です、とゴールドマンさんは言います。

教えてくれたのは…カレン・アスプさん
カレン・アスプさんはフリーランスのジャーナリストであり、作家でもある。自身もヴィーガンであり、ヴィーガン、健康、フィットネス、ダイエット&栄養、動物、旅のジャンルの執筆を中心に行っている。Twitter @karenaspwriter
ヨガジャーナルアメリカ版/「Why You Should Slow Down and Take a Mental Break」
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