【仕事中にすぐに気が散るあなたへ】創造性を高め、集中力を目覚めさせる「ヨガの練習法」

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【仕事中にすぐに気が散るあなたへ】創造性を高め、集中力を目覚めさせる「ヨガの練習法」

ヨガジャーナルアメリカ版の人気記事を厳選紹介!なぜヨガと瞑想がメンタルブロックを外し、集中力を養い、想像力を目覚めさせる手助けになるのか?

理想はこうだ。静かな夜明け前、神聖な仕事場に足を踏み入れ、リラックスしながら誰にも邪魔されずに芸術の女神とのデートに臨む。期待とともにペンや絵筆やギターピックを手にした途端、水のごとく創造的なインスピレーションが流れ込んできて、自分の内側から言葉や線や音符が次々にあふれだしてくる。

だが現実はと言うと……運が良ければ、数行の文章を書けるか、絵の具の色が決まるか、新しい曲の最初の2小節を思いつく程度。その先が続かない。スマホの通知音が鳴ると本能的に手を伸ばし、無意識にスクロールし始める。淹れたコーヒーは冷め、お腹が空いている。猫もお腹を空かせている。そろそろシャワーを浴びたほうがいいかもしれない。そういえばまだ歯も磨いていない?

実は創造性とは1時間や1日や10年で考え出したアイデアの量や取り組んだ回数で測るものではない。創意工夫や想像力こそが人間の経験を左右する。創造性が素晴らしい芸術作品や発見として現れるのか、より控えめに想像力や創意工夫の表現として現れるのかにかかわらず、私たちは誰もが創造者だ。私たちに必要なのは、創造するための時間と自信を培うのに役立つ練習を行い、実行する許可を自分に与えるだけだ。ヨガマットはその一歩を踏み出すのに最適な場所といえる。練習を通じて思考や批判や先延ばしにするマインドを手放し、体とつながることによって、滞っているエネルギーが流れ始め、内なるミューズが目覚めるだろう。

自己練習の必要性

創造性とは斬新で独創的なものを生み出すプロセスであると定義される場合が多いが、創造的な活動をするには、外に向かって表現し始める前に、まずは自分自身と強い誠実な関係を育む必要がある。心理学者のアブラハム・マズローによると、創造性(彼が好んだ用語)は自己認識と自己実現に欠かせない要素だという。ナタリー・ゴールドバーグは著書『The True Secret of Writing』の中で、「自分について知りたいことはすべて心の底にある」と記している。古代のヨギたちは、それこそがヨガを行う理由だと語っている。分別や恐れの下にあるその真実を知るために練習するのだ。

ヨガの実践では、困難なときでさえも実践すべき自己規律(タパス)を学び、真の自己理解を阻むものを知り(スヴァディアーヤ、または自己学習)、すべてのものにゆだねる力(イーシュヴァラ・プラニダーナ)を育む。

体に意識を向ける

アームバランスはアーサナ練習で最も難しいポーズというわけではない。むしろ集中を欠いたマインドを静め、子供のポーズでの満足感やシャヴァーサナでの解放感を高めてくれる。ポーズをホールドする間の感情の乱れや不快感に向き合うことによって、インスタグラムになかなかクリエイティブな投稿ができないときでも安らぎを見いだし、受け入れる土台が培われる。

滞りを感じたら、気分が乗らなくてもマットの上に立ってみよう。地に足がついている感覚を味わいながら体を動かし、ポーズを完璧に行う努力を手放すこと。やがて自分が「ゾーン」や「フロー」に入っていると気づくかもしれない。ハンガリー系アメリカ人の心理学者ミハイ・チクセントミハイの言う、すべての体の感覚がなくなるぐらいその瞬間に完全に集中している状態のことだ。この新たな視点によって、何を行うときもより深く理解できるようになる。それがさらなる自信や活力をもたらす。

心を目覚めさせる

ほとんどの人の心には自分を叱ったり、一方的にアドバイスを押し付けてくる批評家が存在している。瞑想やマインドフルネスの実践と同様に、儀式として創造的な実践に取り組む方法を習得すれば、内なる批評家を黙らせ、あらゆる抵抗を乗り越えるための多くのツールを得られる。

新たに出会ったそのツールボックスを開いて、最初に行うのは呼吸法だろう。息を深く吸うたびに空間が生み出され、吐くたびにその空間を探求できる。呼吸で新鮮な酸素が脳に送られ、血管をコントロールする中枢が生命エネルギーで満たされると、全身の機能が改善されて細胞活動が活発になり、マインドも目覚める。
次に、あえて退屈してみよう。生命エネルギーで満たされた脳は覚醒し、いつでも創造できる状態になる。だがそうなるためには、何もせずにゆだねる必要がある。マインドを自由にさまよわせるのだ。直感と反するように思えるかもしれないが、必要が発明の母であるなら、退屈は創造の母だ。

2019年にロンドン・スクール・オブ・エコノミクス・ビジネス・レビュー( London School of Economics Business Review )で 発表された調査で、研究者のガイヒュン・パーク、ベンチョン・リム、フイ・シ・オーは、退屈が創造性に独特の影響を与えることを発見した。彼らの研究によると、人間は単純作業で退屈すると、脳に新たな思考パターンと問題解決を探るように促す。これは瞑想的な探究で静かに座っているときに起こる反応と似ている。退屈は必要なことなのだ。

次に瞑想の話に移ろう。調査によると、ヨガと瞑想の両方を実践した人々は創造的な思考を高めるアルファ波レベルが上昇していた。また、参加者が練習に集中するにつれて「リズミカルで整った」脳波が見られた。つまり創造性を妨げるブロックを打破する方法は簡単。体を動かして無心になり、あとは自然に任せればいい。
数回の太陽礼拝でミューズが必ず目覚めるとは言わない。だがヨガと瞑想を実践するうちに安定感が培われ、感覚も研ぎ澄まされる。感謝の日記をつけたり、携帯電話を持たずに近所を散歩するのと同じで、日常から離れることで創造的プロセスが活性化される。

創造性を高めるヨガの練習法
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毎日の習慣:早朝のフリーライティング

結果や目標達成を求めずに、この演習を行うこと。あなたの創造的な使命が何であれ、思いつくままに書くことで不安で固くなっていた心がゆるみ、その日の差し迫った問題に気持ちがくじける前に「フロー」に入りやすくなる。いつもより10分早く起きてすぐに日記帳をつかみ、ベッドから出ずに書き始めよう。書いていることが意味不明でも気にせずに、思いのままに何でも書こう。これを少なくとも1週間毎日続け、自分の創造性に変化が起きるか観察する。7日目にはだいぶリラックスしてこの習慣を実践できているだろうか?新たなインスピレーションが湧いてきているか?
書いたものを見直して、何が表れているかを見るのもおもしろいかもしれない。創造的なプロセスについての驚きや洞察はあるだろうか?もしあるなら、そこにたどりつくのを助けたものを探るために、書いたものを必ず読み返してみよう。

毎週の習慣:創造性を高めるヨガシークエンスの実践

シークエンスをつくるときや練習するときの最大の難関のひとつは、いかに自分のやり方から抜け出し、今この瞬間の流れにゆだねられるかということだ。想像力が足りないと感じたら、いつでもマットの上に立ってエネルギーを動かし、雑念を取り除こう。
次ページで紹介するシークエンスで、創造性を高めるエネルギーと同調しながらセイクラル・チャクラ(スワーディシュターナ)を目覚めさせ、ミューズとつながろう。さらにスロート・チャクラ(ヴィシュッダ)を刺激して真の自己表現力を磨き、ハート・チャクラ(アナーハタ)を開いて情熱の炎を燃え上がらせ、クラウン・チャクラ(サハスラーラ)を活性化して洞察力を鍛え、ソーラープレクサス・チャクラ(マニプーラ)を活気づけて、やる気や自信を高めよう。

毎月の習慣:ビジョンボードをつくる

ビジョンボードは自分が望むものを明確にし、潜在意識の力や引き寄せの法則を利用しながら、自己実現へと導いてくれるツールだ。オリンピックのアスリートたちは想像力と可視化の手法を用いて、目標に集中する。これらの手法では、望む結果をイメージすることでより実現しやすくなるように潜在意識を活性化できる。神経科学の研究でもこのアプローチに効果があることが証明されている。
自分で、あるいは友達と一緒に、雑誌、写真、印刷物、はさみ、接着剤を用意しよう。そしてインスピレーションを刺激するものや、自分の目標、人生に引き寄せたいイメージに近い画像を選ぶ。特にお金、仕事、能力に関して自分には無理だと思うものがある場合は、願望に合うアファメーションやマントラや文字を切り抜いてボードに貼ろう。夢を可視化する許可を自分に与えさえすれば、どんなビジョンボードをつくってもかまわない。この素晴らしい願望実現エクササイズはぜひ毎月実践してほしい。特に願望を明確化しやすい新月前後がいいだろう。毎月新しいビジョンボードをつくってもいいし、既存のものに手を加え続けてもいい。創造する筋肉をほぐし、手で何かを生み出す良い機会だ。創作意欲が高まってきたら、正しい道を進んでいる証拠だ。

常に行うべき習慣:デジタルデトックス

24時間絶え間なくアップデートされるニュースには中毒性があり、想像力を衰えさせる可能性がある。何が想像力を阻んでいるか考えてみよう。通勤中にラジオやポッドキャストを聴いたり、SNSのタイムラインをスクロールしたり、テレビをBGM代わりにしていないだろうか。テクノロジーから離れる時間を設けて、画面や音声を遮断するように管理しよう。
音やほかの刺激がないと物足りなく感じるときは、そこに注意を向けてみよう。自分の思考だけに向き合うのは心地悪い?
何も判断をせずにそれらの感情を書き出してみよう。さらに自分の心はそれらの感情をどう置き換え始めるだろうか。常にノートを近くに置いておき、浮かんでくるさまざまな考えをすべて書き留める。やめたくなったら絵や色を描いてみよう。外からの刺激がないと、自分の創造的なプロセスがどのように変わるか意識を向けよう。

創造性を高めるヨガの練習法
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by Andrea Rice and Lisette Cheresson
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illustrations by Ryan Lemere
translation by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.73掲載

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