トラウマを抱えた人を救う8つのヨガポーズ|トラウマ経験を活かして人を助ける
トラウマ・サバイバー(トラウマを残り得た人々)であり、ヨギでもあるブリタニー・パイパーとエム・ギーヴスが8つの癒しのポーズを教えてくれる。
トラウマ・サバイバーを救う8つのポーズ
ブリタニー・パイパーとエム・ギーヴスは彼女たちが9歳の時に出会い、出会った当初からまるで姉妹のような感覚を覚えました。ほぼ毎週お泊まり会をしたり、服の貸し借りをしたり、夜遅くまで電話でおしゃべりをしたり、こっそり家を抜けて会ったりしました。
そして高校一年生の時、ブリタニーの兄、ドミニクが交通事故で亡くなりました。「両親が私のことを起こしにきて、ドム(ドミニク)が交通事故に巻き込まれてしまい、ブリタニーがとにかく私に会いたがっていると言いにきました」とエムは述べました。「車に乗り込み、ブリタニーの家に向かう途中、両親はその経緯を話してくれました。彼女の家へ向かい角を曲がると、私は車から急いで降りて、彼女の家へと全速力で走り、ドアへと駆け込みました。ブリタニーはソファの上に丸く倒れ込み、私のことを見た途端、腕を広げてきました」しかし、友情はねじれ始め、ついに距離をおくようになりました。
しかしドミニクが亡くなって5年目の日に偶然の再会を果たします。そして離れていた数年間に起った良いこと、悪いこと、たくさんの話を共有しました。お互いに性的暴行を経験し、心理的トラウマを抱えていたことを知りました。またそれぞれ異なった方法でその悩みを消化してきたことも知ったのです。二人の再会はお互いを深く癒し、また癒しにはそれぞれ独自の方法があるということを二人とも理解したのです。
数年後、エムとブリタニーはまるで子供のように一緒の時間を過ごしました。また、トラウマ・サバイバーたちが心の奥底から癒される場所を提供するため、女性のためのリトリート「On The Mend」を立ち上げました。「このリトリートを立ち上げて、女性たちがコミュニティの中で回復できればいいなと思ったの」とブリタニーは述べます。
次のリトリートはカリフォルニア州アイディルワイルドで3月28日〜31日に行われます。詳しい情報についてはこちらをクリックしてください。20%のディスカウント・スカラーシップに申し込むことができます(2月18日締め切り)。もしこのリトリートに参加できない場合には、これから紹介するポーズのうち1つでも2つでも試してください。これらのポーズはリトリートの中でも指導されています。「これらのポーズの一つ一つはレベルやバリエーションが異なります。実践するプラクティショナーたちが安全で快適で行えるようデザインされています」とエムは言います。
1.子供のポーズ
両ひざをマットの幅に広げて、両ひざと足の親指をマットにつけ、両腕をグッと上に伸ばす。両かかとの上にお尻を乗せ、おでこはマットにつける。体の両側面へ運ぶように息を吸う−肋骨と腰の間にスペースを作る。息を吐くたび、お腹と胸をマットにより近づけるように落としていく。「休息のポーズなので体を元気にしてくれると思います。このポーズをとると、今この瞬間に気持ちを戻すことができるんです」とエムは述べる。
2.伸びをする子犬のポーズ
テーブルトップポジションから、両手を前に歩かせ、お尻は膝の上でキープする。おでこ(または あご)をマットにつけて、前腕と手を下に向けて押し付けておくことで、両腕は自由な状態にしておく。息を吸いながら背面を広げ、息を吐きながら、胸をマットへと近づける。「このポーズは両肩に緊張感が走るので簡単ではありませんが、肩をしっかり開いてくれます」とエムは語る。
3.下向きの犬のポーズ
両ひざを軽く曲げ、尾骨を天井に向かって引き上げ、背骨を伸ばす。肩甲骨を背中に押し広げ、天井へと向ける。そして手、指関節、指先をマットに押し付ける。マットの中央を見つめている間、首は真ん中に置く。息を吸いながら、体を離すように地面を押す。吐く息でかかとがマットに近づくようにする。「このポーズもまた休息のポーズです。私はこれをするとホッとします。呼吸をゆっくり整え、安静状態へと導いてくれるのです」とエムは言う。
4.椅子のポーズ
足にかかっている体重をかかとへと移行し、まるで座っているかのように両ひざは足首の上にそろえる。へそを背中に向かって上下に引き締め、尾骨を地面へと落とすようなイメージで行う。コア(お腹の芯)を活発にするため、肋骨の下の方をお腹に向かって引き寄せる。天井へと向かって指先を伸ばし、小指を内側に回して上腕二頭筋で耳を挟む。吐く息で肩から指先を離していく。吐く息でもう少し深く座る。「このポーズはしっかり地面に足をつけて行うため、体を温めます。心身を強くするポーズです」とエムは述べる。
5.戦士のポーズⅡ
片足を大きく前に出して前後に開き、正面を向く。前足の膝は足首の上にくるようにし、2番目と3番目の足の指に揃える。後ろ足を少しだけ回転させる(足、膝、お尻は一本のラインに置く)。両足に均一に体重をかけ、呼吸に合わせてへそを背中へと向かって出したり凹ませたりする。両腕をまっすぐに広げT字型にし、前の手の甲の上の方を見つめる。吸う息で両腕をできるだけ遠くへと伸ばし、吐く息で前ひざを少しずつ折り曲げる。「このポーズは集中力が必要になります。このポーズは注意力が散漫になりがちなので、難しく感じるのかもしれません」とエムは言う。
6.鷲のポーズ
右足でバランスをとる。左腿を右腿の上に重ね、左足を右足首に絡める。両太腿をグッと引き寄せ、呼吸に合わせてへそを背中へと向かって出したり凹ませたりする。左腕を右腕の下に絡め、手のひら(または手の甲)を合わせる。指先は天井へとまっすぐ伸ばし、肩甲骨は背中側へと下ろすようなイメージ。吸う息で腿と腕をしっかりと巻きつける。吐く息でやや深めに座る。そして反対側も同様に行う。「このポーズは大変ですが効果があります。ゆっくりと意識的に呼吸に合わせて動く必要があり、また同時に心の状態もそれに合わせなければいけません。今というときを意識するのに大変良いポーズです」とエムは言う。
7.ヘッドスタンド(逆立ち)
(壁にもたれた)伸びをする子犬のポーズから、両手の小指が均等にマットを押すように手を握る。手と手の間に頭のてっぺんを持ってきて、つま先が見える位置に足を歩かせる。
片足ずつ足を伸ばしていく。両ひじを抱きながら、前腕と頭の上に体重をかける。お尻が肩の上あたりに来るまで、両ひざを抱きかかえて胸へと引き寄せる。呼吸に合わせてへそを背中へと向かって出したり凹ませたりして、コアを活発にしよう。片足を上げてからもう片足を上げよう、するとお尻と肩の上にちょうど足が来る。吸う息で足をしっかりと引き上げ、吐く息でお腹を凹ませる。「このポーズはとてもシンプルですが、呼吸と繋がれる一番良いポーズです。瞬間的な満足ばかりが横行する現代社会において、このポーズをとると努力をすれば必ずや結果はついてくるということを教えてくれるように思います」とエムは述べる。
8.コンストラクティブ・レスト
仰向けに寝て、膝は曲げ、両足のひらはマットの両端にのせる。腰を解放するために両ひざをノックしてみよう。首と肩をリラックスさせ、目は閉じて片方の手を心臓の上に、もう片方の手を腹にのせよう。息を吸うたびに体と胸が開くので両手で浮いてくるのを感じよう。息を吐くときは体が重く感じるはず。「このポーズをすると落ち着きます。体の上に置いた手の重みが穏やかにしてくれます。体への効果だけでなく、心の中のスペースにアウェアネス(気づき)ももたらしてくれるのです」とエムは言う。
教えてくれたのは…ブリタニー・パイパー&エム・ギーヴスさん
彼女たちによるリトリートは2019年3月28日〜31日、アメリカ カリフォルニア州アイディルワイルドでおこなわれます。普段から実践できるマインドフルネス&グラウンディングのプラクティス、呼吸法、アーユルヴェーダ料理、ジョシュア・ツリー国立公園でのハイキング、リトリートのリーダーたちとの個別セッション、トラウマからの回復を導くヨガなどの活動が行われます。詳しくはこちらをご覧ください。seekretreat.com.
ヨガジャーナルアメリカ版/「Here’s How We’re Using Our Experience of Trauma to Help Others」
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