【豪州の研究】バナナやりんごを1日1個!果物をよく食べる10代は、うつ症状リスクが13%低い傾向に
子どもの心の健康を支えるために、家庭でできることは何だろうか。オーストラリアの大規模調査で、果物を食べる量が多い10代の若者ほど、その後にうつ症状や不安症状が現れるリスクが低い傾向にあることがわかった。
果物を多めに食べる10代は、うつ症状リスクが13%低い傾向に
子どもが成長するにつれ、学校や部活動、友人関係など、気にかかることも増えていく。親として心の健康を支えたいと思っても、何ができるのか迷うこともあるだろう。そんな毎日の食事に、取り入れやすいヒントがある。果物を食べる量が多い10代ほど、その後にうつ症状が現れるリスクが低い傾向にあることが、オーストラリアの研究で明らかになった。
研究を行ったのは、オーストラリアのシドニー大学などの研究チームで、成果は2026年10月、学術誌『Child and Adolescent Mental Health』に掲載された。調査には、ニューサウスウェールズ州、クイーンズランド州、西オーストラリア州の中等学校71校に通う、計6537人の若者が参加した。調査開始時の平均年齢は12.65歳で、研究チームは食生活と心の健康について、その後3年間にわたって追跡した。
分析の結果、果物を1日1食分多く食べることは、うつ症状が現れるリスクが13%低いことと関連していた。不安症状についても、リスクが7%低い傾向がみられた。ここでいう「1食分」は、果物1個という意味ではなく、約150gが目安となる。例えば、中サイズのりんごやバナナ、オレンジなら1個程度、キウイなら2個程度、いちごなら1カップ程度だ。つまり、普段の食事に果物を約150g追加することが、研究で示された「1食分多く食べる」に相当する。
思春期の心の健康を支える、毎日の食事に果物をプラス
思春期の子どもは、学校や部活動、友人関係などで忙しく、食事も手軽に済ませがちだ。朝食にバナナを添える、帰宅後のおやつをスナック菓子からりんごやみかんに替えるなど、いつもの食生活に果物を取り入れることなら、家庭でもすぐに始められる。
今回の研究で注目したいのは、こうした身近な食習慣が、その後の心の健康と関連していた点だ。研究を主導したシドニー大学マチルダ・センターのリリー・デイビッドソン博士は、思春期はメンタルヘルスの問題が現れ始めると同時に、食生活の自立が進む重要な時期だと指摘している。もちろん、果物を食べればうつ症状を防げるというわけではない。心の健康には、睡眠や運動、家庭や学校での人間関係など、さまざまな要因が関わる。それでも、朝食やおやつに果物を一品加えることは、親子で今日から取り組める身近な工夫といえる。 なお、今回の研究では、野菜の摂取量と、うつ症状や不安症状との間に統計的に明確な関連は確認されなかった。 毎日の食卓に野菜だけでなく果物も上手に取り入れることが、思春期の子どもの健やかな成長を支える食習慣の一つになりそうだ。
朝食やおやつにひと工夫!親子で続ける果物習慣
果物を取り入れるために、特別な準備をする必要はない。朝食のテーブルにバナナやリンゴを添える、帰宅後すぐに食べられるように季節の果物を用意しておくなど、いつもの生活のなかに組み込むのが続けるコツだ。
子ども自身に好きな果物を選んでもらうのもよい。親が一方的に「食べなさい」と促すよりも、買い物の際に一緒に選んだり、食べやすい大きさに切っておいたりするほうが、自然と手が伸びるかもしれない。忙しい日にはバナナ1本、時間に余裕がある日は旬の果物を家族で楽しむなど、家庭のペースに合わせて取り入れたい。
シドニー大学のカトリーナ・チャンピオン准教授も、若者に健康的な食事をするよう伝えるだけでなく、栄養のある食品を手に取りやすく、購入しやすい環境を整えることが重要だと指摘している。子どもの心の健康を支えるために、特別な食品を用意したり、食事を厳しく管理したりする必要はない。まずは、朝食やおやつに果物を一品プラスすることから。親子で楽しみながら続けられる小さな工夫が、毎日の食生活を見直すきっかけになるだろう。
出典:
Fruit intake linked to lower depression and anxiety risk in teenagers
An extra serving of fruit linked to lower risk of depression and anxiety in teenagers
Eating fruit linked to better mental health for teens
Australian study finds fruit intake may ease teen mental health risks
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