【スムーズに深呼吸がしたい】イメージするだけで無理なく呼吸を深められる簡単な方法
本シリーズでは、無自覚に入っている体の力みに自分で気づき、それをやめることで効率的な体の使い方ができるようになれることを目標としているアレクサンダーテクニークの実践者が、解剖学的な視点を交えて体に起こる様々な問題を考察し、力みの根底にある思考を通して体の使い方を変える方法を提案します。81回目のテーマは「スムーズな深呼吸」です。
深呼吸したいのにぎこちなくなってしまう
様々なストレスに囲まれ、私たちは日常的に呼吸が浅くなっているといわれています。息苦しさから呼吸が浅くなっていることに気付き、慌てて深呼吸をしようとした経験がある人も多いことでしょう。深呼吸はより多くの酸素を取り込むことに加え、緊張を緩めるリラックス効果や内蔵を刺激して活性化する助けにもなります。
ところで、深呼吸をしようとしているのに思うように酸素を取り込んでいる気がしないとか、やればやるほど呼吸がぎこちなくなってしまうといったことに陥ることもありますよね。そこで今回は、呼吸の仕組みを通じて無理なく深呼吸をするためのイメージ術について考えてみました。
呼吸の仕組みへの理解を深めよう
呼吸に重要な筋肉である横隔膜がどのように働いているのかを確認しましょう。
酸素を取り込む肺は、24本の肋骨とそれらを繋ぐ胸椎、胸の中央にネクタイのようにある胸骨によって、鳥カゴのように覆われています。この鳥カゴを胸郭と呼びます。そして胸郭の底にフタをするように張られている筋肉が横隔膜です。
息を吸うと肺が膨らんで横隔膜は下がり、息を吐くと肺が萎んで横隔膜は元の位置に戻ります。息を吸ったときにお腹が膨れるようにみえますが、実際には下がった横隔膜に押されて胃や腸などの内臓のスペースが圧迫されて膨れたようにみえるからです。腹式呼吸といわれる呼吸法においても、お腹に酸素が送り込まれるわけではありません。普段は使われていない部分の肺まで存分に活かせばそれだけ横隔膜が下がるので、内蔵のスペースがより圧迫されるのです。
深呼吸をしようとして逆にぎこちなくなってしまうのは、「お腹に酸素を送り込む」というイメージを無意識に再現しようとして、お腹や背中の筋肉に余計な緊張を強いているせいかもしれません。
腹式呼吸をスムーズに行うためのイメージ術
上述の呼吸の仕組みを踏まえ、次のイメージ術を試してみてください。
1.「脊椎は頭がある方へ向かっている」と思う
まずは無自覚な全身の力みをやめて、自由に呼吸ができるように準備をします。おでこや頭頂部、後頭部を触って頭の位置を体感し、脊椎はその方向に向かっていると思います。この意識だけでも、首が楽になり、呼吸が楽に感じられることでしょう。
2. 横隔膜の動きをイメージしながら呼吸をする
息を吸うときは「横隔膜が下がり、体内に酸素が広がる」と思います。息を吐くときには「下がっていた横隔膜が元に戻る」とイメージします。
よく見かけるのは、息を吸うときに前を向いて姿勢を正して行おうとすること。そうすると「息を吸う=前や上の方を向く」というようなイメージが無意識に植え付けられていることがあります。このイメージが「息を吸う=横隔膜が下がる」という表現とはミスマッチになって、タイミングが合わないかもしれません。そんなときは横隔膜が下がると同時に、体内に広がる酸素によって胸郭の鳥カゴが上にも横にも広がって動くイメージをしてみて。
呼吸は本人の自由にできるものなので、焦らずにイメージをしてみましょう。
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