水分補給のつもりが「血糖値」を上げる?スポーツドリンクを水代わりに飲む人が注意したいこと|医師が解説

水分補給のつもりが「血糖値」を上げる?スポーツドリンクを水代わりに飲む人が注意したいこと|医師が解説
Adobe Stock
甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2026-09-17

糖尿病や血糖値が高めの人にとっては、スポーツドリンクを水代わりに飲む習慣は見直したほうがいいかもしれません。特に40代、50代以降で、「血糖値が少し高くなってきた」「体重が増えてきた」「健康診断でHbA1cを指摘された」という人は、一度、普段飲んでいるものを見直してみた方がいいかもしれません。医師が解説します。

Google Newsでヨガジャーナルの記事が見つけやすくなります

Googleに登録する
広告

「水分補給=スポーツドリンク」ではありません

暑い季節になると、「汗をかいたからスポーツドリンクを飲もう」と考える人が増えます。

確かに、スポーツドリンクには水分だけでなく、汗で失われるナトリウムなどの電解質や糖分が含まれており、運動や暑い環境で大量に汗をかいたときには役立ちます。

一方で、あまり汗をかいていない日にも、「喉が渇いたから」「健康のために」とスポーツドリンクを水やお茶の代わりに飲み続けるのは、少し注意が必要です。

なぜなら、スポーツドリンクは基本的に「水」ではなく、糖質を含む飲料だからです。

500mLを飲むと、意外に糖質を摂っています

スポーツドリンクは商品によって成分が異なりますが、一般的な製品では、500mLのペットボトル1本に20~30g程度の糖質が含まれることがあります。

つまり、ペットボトル1本を「飲み物」として何気なく飲んでいても、実際にはそれなりの量の糖質を一緒に摂っていることになります。

特に問題になるのは、「水分補給のため」と考えて、1本だけではなく何本も飲んでしまうケースです。

例えば、1日1L、2Lとスポーツドリンクを水代わりに飲んでいれば、飲料だけでかなりの量の糖質を摂ることになります。

血糖値が気になる人は特に注意しましょう

糖尿病や血糖値が高めの人にとっては、スポーツドリンクを水代わりに飲む習慣は見直したほうがよいでしょう。

糖質を含む飲料は、固形の食べ物と比べて短時間に摂取しやすいため、知らないうちに糖質摂取量が増えてしまいます。

「食事はそれほど食べていないのに、血糖値が高い」という人に話を聞くと、ジュースやスポーツドリンク、清涼飲料水などを毎日飲んでいた、ということがあります。

スポドリ
photo/Adobe Stock

特に、「健康のために飲んでいる」という意識があると、本人も問題に気づきにくいものです。

では、スポーツドリンクは飲まないほうがいいのでしょうか

そういうことではありません。

重要なのは、「どんなときに飲むか」です。

炎天下で長時間運動した、屋外で仕事をして大量に汗をかいた、激しいスポーツをした、といった状況では、水分だけでなく塩分などの電解質も失われます。

こうした場合には、スポーツドリンクが水分と電解質の補給に役立つことがあります。

つまり、「汗をたくさんかいたときの水分・電解質補給」として飲むのと、「普段の飲み物として毎日何本も飲む」のでは、意味がまったく違います。

普段の水分補給なら「水やお茶」で十分なことも多い

普段の生活で、室内で過ごしている時間が長く、それほど汗をかいていないのであれば、基本的には水やお茶などで水分を補給すればよいでしょう。

「健康のためにスポーツドリンクを飲んでいる」という人は、まず本当に必要なのかを考えてみてください。

特に、デスクワーク中心の人が、1日中スポーツドリンクを少しずつ飲み続けるという習慣は、糖質の摂りすぎにつながる可能性があります。

「熱中症対策」と「普段の水分補給」は分けて考える

熱中症が心配だからといって、いつでもスポーツドリンクを飲み続ければよいわけではありません。

熱中症予防では、暑さを避けること、適切な室温管理、こまめな水分補給などを組み合わせることが重要です。

大量に汗をかく状況では、水分と塩分を補う必要がありますが、汗をほとんどかいていない状態で糖分を含む飲料を大量に飲む必要はありません。

また、「経口補水液ならスポーツドリンクより健康的だから、普段から飲んでおこう」と考えるのも間違いです。

経口補水液は脱水状態のときに使用するためのもので、脱水していない人が日常的な水分補給として飲むものではありません。

「糖分ゼロ」なら何でも安心、というわけではありません

最近は、糖質やカロリーを抑えたスポーツドリンクも販売されています。

血糖値が気になる人にとっては選択肢の一つになりますが、「スポーツドリンクだから健康にいい」と一括りにするのではなく、商品の栄養成分表示を確認する習慣をつけましょう。

また、糖分が少ないからといって、必要以上に大量に飲む必要があるわけではありません。

基本は「喉が渇いたら何を飲むか」ではなく、「今、自分の体が何を必要としているか」を考えることです。

糖質
photo/Adobe Stock

糖尿病の人は「喉が渇くから飲む」の悪循環にも注意

糖尿病では、血糖値が高くなると尿に糖が出て、尿量が増えることがあります。

その結果、脱水傾向になって喉が渇き、「もっと水分を飲みたい」と感じることがあります。

このとき、「喉が渇いたからスポーツドリンクを飲む」という習慣があると、糖質をさらに摂取することになりかねません。

「最近、妙に喉が渇く」「水分をたくさん飲むようになった」「トイレが近くなった」という変化がある場合には、単なる暑さのせいにせず、血糖値を確認することも大切です。

「何を飲むか」だけでなく「どれくらい飲むか」も大切

スポーツドリンクは、決して悪い飲み物ではありません。
むしろ、大量に汗をかく場面では、目的に合った水分・電解質補給の手段になります。

ただし、日常生活で水やお茶の代わりに何本も飲むとなると話は別です。

「水分補給だから大丈夫」と思っていたものが、実は毎日の糖質摂取量を増やしていた、ということもあります。
特に40代、50代以降で、「血糖値が少し高くなってきた」「体重が増えてきた」「健康診断でHbA1cを指摘された」という人は、一度、普段飲んでいるものを見直してみてください。

食事だけではなく、飲み物にも意外な糖質が含まれています。

  • 普段の水分補給は水やお茶を基本にする。
  • 汗をたくさんかいたときには、状況に応じてスポーツドリンクなどを活用する。

この使い分けを知っておくだけでも、血糖値を含めた健康管理が少し変わってきます。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

Google Newsでヨガジャーナルの記事が見つけやすくなります

Googleに登録する
広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

スポドリ
糖質