40代から見直したい“腎臓をいたわる食べ方”と10分でできる「サバ缶」レシピ|管理栄養士のレシピ

40代から見直したい“腎臓をいたわる食べ方”と10分でできる「サバ缶」レシピ|管理栄養士のレシピ
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松田 真紀
松田 真紀
2026-08-28

健康診断で「eGFRが少し低めですね」と言われたことはありませんか。腎臓の機能は低下しても初期には自覚症状が現れにくいため、健診の数値をきっかけに日々の生活を振り返ることが大切です。

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慢性腎臓病(CKD)は、日本では成人のおよそ5人に1人、約2,000万人が該当すると推計されています。

ただし、eGFRが一度低かったからといって、すぐにCKDと診断されるわけではありません。CKDは、腎臓の障害や腎機能の低下が3か月を超えて続く場合に診断されます。健診でeGFRの低下や尿蛋白を指摘された場合は、そのままにせず、必要に応じて医療機関で確認しましょう。

そして、日々の食生活で意識したいことのひとつが、魚や野菜を無理なく取り入れること。今回は、EPAやDHAを含み、調理の手間も少ないサバ缶を使った、忙しい日にも作りやすいレシピをご紹介します。

40代から始めたい「腎臓をいたわる習慣」

腎臓は「沈黙の臓器」と呼ばれることがあります。

腎機能が低下しても初期には自覚症状が現れにくく、健診などの血液検査や尿検査で初めて異常に気づくこともあります。

腎臓は、体内の老廃物や余分な水分を尿として排出するだけではありません。血圧の調整、赤血球をつくるためのホルモンの分泌、骨の健康に関わるビタミンDの活性化など、さまざまな役割を担っています。

40代以降は、年齢とともに血圧や血糖、脂質、体重などの変化が現れやすくなる時期です。女性の場合は更年期も重なり、これまでと同じ生活をしていても体の変化を感じることがあります。

女性ホルモンと腎機能との関連についても研究されていますが、「更年期だから腎臓病になる」というわけではありません。

大切なのは、年齢を重ねたことをきっかけに、血圧や血糖、健診結果、そして毎日の食生活を見直してみることです。

なぜ40代からサバ缶を取り入れたいの?

「魚は体にいいと分かっていても、焼くのが面倒」「仕事帰りに魚を調理する時間がない」という方も多いのではないでしょうか。

私が営む発酵食カフェでも、お客様からそんな声をよく伺います。

そこでおすすめしているのが、調理の手間が少ないサバ缶です。

サバなどの青魚には、n-3系脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHAが含まれています。

魚を定期的に取り入れる食生活は、心血管の健康を考えるうえでもすすめられています。また、魚由来のn-3系脂肪酸と腎機能との関連についても研究が進められています。

ただし、「サバ缶を食べればCKDを予防できる」「EPAが直接腎臓を守ってくれる」という意味ではありません。

サバ缶の良さは、魚を日常の食卓に取り入れやすくしてくれることにあります。

サバ缶のメリット

  • EPA・DHAを含む青魚を手軽に食べられる
  • 骨まで食べられる商品ならカルシウムも摂りやすい
  • 下処理が不要で、缶を開ければすぐ使える
  • 常温保存でき、買い置きしやすい
  • 缶汁もうま味を生かして料理に使える

仕事や家事、家族のケアなどで、自分の食事が後回しになりがちな40代以降。

だからこそ、「体によいと言われる食材」だけではなく、無理なく続けられる食材を選ぶことも大切です。

腎臓の健康は「血管の健康」とも深く関係する

腎臓には、細い血管がたくさん集まっています。

高血圧や糖尿病などはCKDの重要なリスク因子であり、腎臓の健康を考えるときには、血圧や血糖などを適切に管理することも欠かせません。

EPAやDHAなどのn-3系脂肪酸は、中性脂肪などとの関連がよく知られており、魚を取り入れた食生活は心血管の健康維持にも役立つと考えられています。

一方、肉も重要なたんぱく質源ですが、部位や加工方法によっては飽和脂肪酸を多く含みます。

肉を完全にやめる必要はありません。

たとえば、

いつもの肉料理の一部を魚料理に置き換えてみる。

そんな小さな変化でも、食事から摂る脂質のバランスを変えるきっかけになります。

サバ缶を選ぶときの3つのポイント

魚缶は、商品によって味付けや食塩相当量がかなり異なります。

日常的に取り入れるなら、パッケージの栄養成分表示もチェックしてみましょう。

① まずは水煮を選ぶ

味噌煮や醤油煮などの味付き缶は、商品によって食塩や糖類を多く含むことがあります。

料理にアレンジして使うなら、味付けを調整しやすい水煮缶が便利です。

② 食塩相当量を比べる

同じサバ水煮缶でも、食塩相当量には商品差があります。

日常的に食べるなら、いくつかの商品を比較して、できるだけ食塩相当量の少ないものを選ぶのもひとつの方法です。

また、減塩が必要な人は、缶汁を全部使わず量を調整する方法もあります。

③ 油漬けなら油の種類にも注目

オリーブオイル漬けなどの魚缶もあります。

サラダやパンとの相性がよく、野菜や全粒穀物などと組み合わせれば、いつもの食事に魚を取り入れやすくなります。

サバ缶はカラフルな野菜と組み合わせよう

サバ缶だけで食事を完結させるのではなく、野菜も一緒に取り入れると、食事全体の栄養バランスを整えやすくなります。

たとえば、トマトにはリコピン、ブロッコリーやパプリカにはビタミンCなど、野菜にはさまざまな栄養素が含まれています。

彩り豊かな野菜を添えることで、自然と野菜の摂取量を増やしやすくなるのもメリットです。

今回のレシピでは、さらに白味噌を使います。

白味噌は、まろやかなうま味とコクをプラスしてくれる調味料です。りんご酢とレモンを組み合わせれば爽やかな酸味が加わり、塩味だけに頼らなくても満足感のある味に仕上げやすくなります。

減塩というと「薄味で物足りない」と感じる人もいますが、うま味や酸味、香りを活用することが、おいしく続けるコツです。

発酵食カフェで人気!「サバ缶とトマト缶の白味噌りんご酢マリネ」

私が営む発酵食カフェで、夏に人気の作り置きデリです。

サバ缶にトマト、白味噌、りんご酢、レモンを組み合わせ、暑い日にも食べやすい爽やかな味に仕上げます。

火を使わず約10分で作れるので、「今日は魚料理を作る余裕がない」という日にも取り入れやすい一皿です。

材料(2人分)

  • サバ水煮缶…1缶
  • 食塩無添加カットトマト缶…150g
  • 紫玉ねぎ…1/4個
  • きゅうり…1/2本
  • ブロッコリースプラウト…1パック
  • 白味噌…小さじ2
  • りんご酢…大さじ1
  • レモン汁…小さじ2
  • エクストラバージンオリーブオイル…大さじ1
  • 黒こしょう…少々

※サバ缶の食塩相当量は商品によって異なります。栄養成分表示を確認し、できるだけ食塩量の少ないものを選びましょう。

作り方(3ステップ)

① 紫玉ねぎは薄切りにして水にさらし、きゅうりは角切りにする。

② 白味噌、りんご酢、レモン汁、オリーブオイルを混ぜ、サバ缶、トマト缶、野菜をやさしく和える。

③ 冷蔵庫で15分ほど冷やし、ブロッコリースプラウトを添え、黒こしょうをふって完成。

※缶汁にもサバのうま味が含まれるため、そのまま使えます。ただし、食塩を控える必要がある場合は、使用する缶汁の量を調整してください。

魚が苦手な人でも食べやすい理由

「魚は体にいいと分かっていても、独特の風味が苦手」という方は少なくありません。

このレシピでは、トマトのうま味と酸味、白味噌のコクが加わることで、サバ缶特有の風味がやわらぎます。

さらに、りんご酢とレモンの爽やかな酸味を加えることで、暑い日にも食べやすい味わいになります。

風味を変えたい日のアレンジ

  • すりおろし生姜…小さじ1
  • カレー粉…小さじ1/2
  • バジル、ディル、大葉などのハーブ

生姜やスパイス、ハーブの香りを加えると味の印象が変わり、飽きずに楽しみやすくなります。

冷たくおいしい、作り置きにも便利な夏のデリ

このマリネは、作ったら清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫で保存します。

できるだけ早めに食べ切るようにしましょう。

冷蔵庫で冷やすと味がなじむので、前日に作っておけば、忙しい日の食事づくりも楽になります。

「体によい食事を毎日作らなくては」と考えると負担になりますが、作り置きや缶詰を上手に活用すれば、無理なく魚や野菜を食卓に取り入れられます。

冷製パスタに

ゆでて冷水で締めた全粒粉パスタなどと和えるだけで、夏にぴったりの冷製パスタになります。

仕上げにバジルを添え、オリーブオイルを少量回しかけるのもおすすめです。

オープンサンドに

ライ麦パンや全粒粉パンにのせれば、カフェ風のオープンサンドに。

朝食や休日のブランチにも向いています。

デリサラダに

ミックスビーンズやひよこ豆を加えれば、食物繊維をプラスでき、食べ応えのある主菜サラダになります。

CKDと診断されている人は「体によい食材」でも自己判断しないで

ここはとても大切なポイントです。

腎臓の状態によっては、食塩だけでなく、たんぱく質やカリウム、リンなどの摂取量について個別の調整が必要になることがあります。

そのため、すでにCKDと診断されている人や、医師から食事制限を指示されている人が「腎臓によさそうだから」と自己判断でサバ缶、トマト、豆類などを増やすのはおすすめできません。

自分の腎機能や治療内容に合わせ、医師や管理栄養士から指示を受けてください。

一方で、特別な食事制限を受けていない人にとっては、魚、野菜、適量の穀類などを組み合わせ、食塩の摂りすぎを避けることは、健康的な食生活の基本になります。

管理栄養士からのメッセージ

腎臓の健康を考える食事は、特定の「腎臓にいい食材」をたくさん食べることではありません。

血圧や血糖、体重を適切に管理しながら、魚や野菜などさまざまな食品を取り入れ、食塩を摂りすぎないこと。

そうした毎日の食生活全体が大切です。

私の発酵食カフェでも、「魚料理は面倒」「忙しくて続けられない」という方には、まずサバ缶などの魚缶を活用することをおすすめしています。

毎日完璧な食事を目指す必要はありません。

肉料理ばかりになっているなら、ときどき魚にしてみる。

味の濃いものが続いていたら、一食だけでも薄味にしてみる。

そんな小さな選択を積み重ねてみてください。

そして健診でeGFRの低下や尿蛋白を指摘されたら、「食事で何とかしよう」と自己判断せず、まずは必要な検査を受けることも忘れないでください。

今日からできることをひとつずつ。

未来の自分のために、無理なく続けられる食生活を始めてみませんか。

参考文献

  • 日本腎臓学会『CKD診療ガイド2024』
  • 日本腎臓学会『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023』
  • KDIGO 2024 Clinical Practice Guideline for the Evaluation and Management of Chronic Kidney Disease
  • 厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2025年版)』
  • 文部科学省『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年』
  • Harris WS, et al. Association of omega 3 polyunsaturated fatty acids with incident chronic kidney disease: pooled analysis of 19 cohorts. BMJ.
  • American Heart Association. Fish and Omega-3 Fatty Acids.

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