食欲がない夏の朝に。トマト×味噌×オリーブオイルで作る「さっぱり冷製マリネ」|管理栄養士のレシピ
連日の暑さで、「朝から食欲がわかない」「なるべく料理をしたくない」と感じる日はありませんか。
暑い時期は、夜になっても気温が高く、眠りにくさを感じることも。さらに40代以降の女性では、更年期にあたる人も増え、女性ホルモンの変化に伴って疲れやすさや睡眠の変化など、さまざまな不調を感じることがあります。
そんな朝こそ、無理をして手の込んだものを作る必要はありません。
今回は、トマトに味噌とオリーブオイルを合わせた、さっぱり食べられる冷製マリネをご紹介します。
切って和えるだけなので、暑くて料理をする気力がない朝にも。生のトマトはもちろん、ストックしておける食塩無添加のトマト缶も活用できます。
暑い朝こそ、無理なく食べられる朝食を
暑い夜は寝つきにくかったり眠りが浅くなったりして、朝にすっきりしないと感じることがあります。
また、更年期には「疲れやすい」「寝つきが悪い」「眠りが浅い」などの症状が現れる人もいます。ただし、朝のだるさや食欲低下にはさまざまな原因があり、すべてを暑さや更年期だけで説明できるわけではありません。
体調不良が長く続く場合や、日常生活に支障が出るほどつらい場合は、食事だけで解決しようとせず医療機関に相談することも大切です。
食欲が落ちている朝は、まず「食べられるものを少しでも」というところから。
トマトのようにみずみずしい野菜や、卵、豆腐、乳製品など、食べやすい食品を組み合わせながら、無理のない朝食を考えてみましょう。
トマトから摂れる栄養素は?
トマトには、リコピンやβ-カロテンなどのカロテノイドのほか、ビタミンC、カリウム、食物繊維などが含まれています。
文部科学省の食品成分データベースによると、生の赤色トマト100gにはカリウム210mg、ビタミンC15mgなどが含まれています。
リコピン
リコピンは、トマトの赤い色のもとになるカロテノイドの一種です。
抗酸化作用をもつ成分として研究されていますが、「トマトを食べれば紫外線の影響を防げる」という意味ではありません。
紫外線対策では、日陰を利用する、帽子や衣服を活用する、日焼け止めを適切に使用するといった基本的な対策が大切。そのうえで、トマトをさまざまな野菜を摂る食生活の一部として楽しみましょう。
ビタミンC・β-カロテン
トマトには、ビタミンCやβ-カロテンも含まれています。
ビタミンCは抗酸化作用をもつビタミンの一つ。β-カロテンは必要に応じて体内でビタミンAに変換されます。
特定の栄養素だけを大量に摂るのではなく、さまざまな野菜や食品からバランスよく摂ることが基本です。
カリウム
カリウムは、体内の浸透圧の調整などに関わる必須ミネラルで、ナトリウムの排出を促す働きもあります。
ただし、「汗をかいたからカリウムを摂ればよい」ということではありません。暑い時期の体調管理では、まずこまめな水分補給を行い、大量に汗をかいた場合などには状況に応じて塩分を補うことも必要です。
「朝トマト」は本当におすすめ?
最近は、「何を食べるか」だけでなく「いつ食べるか」に着目した時間栄養学の研究も行われています。
トマトについては、健康な成人を対象に、トマトジュース160gを朝・昼・夜に摂取して血中リコピン濃度を比較したヒト試験があります。
この試験では、朝にトマトジュースを飲んだときの血中リコピン濃度の上昇が最も大きく、昼に飲んだ場合との間には統計学的な差がみられたと報告されています。
ただし、解析対象は20名の小規模な試験で、使用されたのもトマトジュースです。
そのため、「トマトは朝に食べなければ意味がない」「朝なら必ずリコピンを多く吸収できる」というものではありません。
朝食にトマトを取り入れる理由の一つとして、「こうした研究もある」程度に考えておくのがよいでしょう。
トマト+オリーブオイルも相性のよい組み合わせ
リコピンは脂質と一緒に摂ることで吸収されやすくなることが知られています。
ヒトを対象とした研究でも、トマトをオリーブオイルなどの油脂と組み合わせることで、血中リコピン濃度が高まったことが報告されています。
そこで今回のレシピでは、トマトにエキストラバージンオリーブオイルをプラス。
さらに味噌と酢を合わせることで、トマトの酸味とうま味を生かした、暑い朝にも食べやすい味に仕上げます。
トマト×味噌で、夏の朝に食べやすい一皿に
味噌は、大豆などに麹と塩を加え、発酵・熟成させて作る日本の伝統的な発酵食品です。
トマトにはグルタミン酸などのうま味成分が含まれ、味噌にも発酵・熟成によって生まれる複雑なうま味があります。
味噌を少量加えることで味にコクが出るため、トマトだけでは物足りないと感じる人にも食べやすい一品に。
冷たいまま食べられるので、パンやごはんに添えたり、冷製麺と合わせたりするのもおすすめです。
管理栄養士おすすめ「冷たいトマトの味噌マリネ」
材料(2人分)
- トマト…2個
- 味噌…小さじ2
- 米酢…小さじ2
- エキストラバージンオリーブオイル…小さじ2
- はちみつ…小さじ1(お好みで)
- 大葉…2枚
- 白いりごま…小さじ1
- 黒こしょう…少々
作り方
- トマトは食べやすい大きさに切り、冷蔵庫で冷やします。
- 味噌、米酢、オリーブオイル、はちみつを混ぜてドレッシングを作ります。
- トマトを和え、10分ほど冷蔵庫でなじませます。
- 大葉、ごま、黒こしょうを散らして完成です。
おいしく食べるポイント
味噌を使うことで、少量でもうま味とコクが加わります。
トマトの酸味に米酢の爽やかさ、オリーブオイルのまろやかさが加わり、暑い朝にも食べやすい味わいに。
これだけでは朝食として軽い場合は、ゆで卵や豆腐、ヨーグルトなどのたんぱく質を含む食品や、ごはん、パンなどの主食を組み合わせてもよいでしょう。
生トマトがない日は、食塩無添加のトマト缶でも
「今日は料理をする気力がない」
「暑くてキッチンに立ちたくない」
そんな日は、食塩無添加のトマト缶を活用するのも一つの方法です。
加工したトマトにもメリットがある
リコピンは、トマトを加熱・加工することで食品の組織から取り出されやすくなり、体内で利用しやすくなることがあります。
一方、生のトマトは、そのまま切るだけで食べられ、ビタミンCなども摂ることができます。
「生のほうがよい」「加工品のほうがよい」と決める必要はありません。
その日の献立や調理する余裕に合わせて、両方を使い分けてみましょう。
トマト缶を使う場合は、食塩無添加の商品を選べば、味噌などの調味料で味を調整しやすくなります。
頑張れない日こそ、ストック食材を味方に
40代になると、更年期による体調の変化を感じる人も増えてきます。
さらに暑さや睡眠不足が重なると、「今日は朝ごはんを作りたくない」という日があっても不思議ではありません。
そんなときのために、トマト缶やツナ缶、冷凍野菜など、すぐに使える食品をストックしておくのもおすすめです。
健康的な食生活は、毎日完璧な料理を作ることではありません。
忙しい日や体調がいまひとつの日にも続けられる方法を持っておくことが、長く食生活を整えていく助けになります。
管理栄養士からのひとこと
暑い朝は、無理にたくさん食べようとしなくても大丈夫。
まずは水分をとり、その日の体調に合わせて、食べやすいものから取り入れてみましょう。
トマトに味噌とオリーブオイルを合わせる今回のマリネは、火を使わずに作れて、野菜を一品プラスできるのがメリットです。
そこに主食や、卵・豆腐・乳製品などを組み合わせれば、朝食全体のバランスも整えやすくなります。
暑い日にも続けやすい「簡単な朝ごはん」の選択肢として、ぜひ活用してみてください。
参考文献・資料
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」食品成分データベース
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「カリウム」
- 厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」更年期
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- カゴメ株式会社「朝にトマトジュースを飲むと機能性成分“リコピン”が効率的に吸収されることを“ヒト試験”で確認」第63回日本食品科学工学会発表
- Fielding JM, et al. Increases in plasma lycopene concentration after consumption of tomatoes cooked with olive oil. Asia Pac J Clin Nutr. 2005.
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